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7月1日公開オススメ映画『ブラック・フォン』『わたしは最悪。』『バズ・ライトイヤー』

映画ライターの松 弥々子が、今週末、7月1日に公開されるオススメ映画3作品をご紹介します。ぜひ、映画館へのお出かけ前の参考にしてみてください。

ブラック・フォン

夏といえばホラー映画。というわけで、今回最初におすすめする映画は『ブラック・フォン』
この作品、サイコホラーながら少年の成長物語であり、家族愛や友情の物語でもある、かなりの傑作映画です。

この作品で主人公の少年・フィニー(メイソン・テムズ )はイーサン・ホーク演じる連続殺人鬼に誘拐され、彼の所有する地下室に閉じ込められてしまいます。
その地下室にあるのは、ベッドと、断線された黒電話。どんなに叫んでも外部に声が聞こえる様子はなく、絶体絶命かと思われるのですが……。

本作でフィニーを救おうと奮闘するのは、夢で真実を見ることができる妹と、殺人鬼に殺された5人の少年たち。
少年たちは、かわるがわる黒電話を通じてフィニーにアクセスし、生き延びるためのアドバイスをくれるのです。なかにはまったく役に立たないかと思われるようなアドバイスもあるわけですが……。

フィニーを助けてくれるのは、いわば幽霊だったり、超自然の存在。何もかもを素直に受け入れ、超自然の世界を信じることができる“子ども”だらからこその物語でもあります。
107分という短い時間で、最小限の演出で最大限の効果を発揮するホラー・ムービーであるこの作品、ホラーが苦手な人であっても、きっと楽しめるはずです。

『ブラック・フォン』(107分/アメリカ/2022年)
原題:Black Phone
公開:2022年7月1日
配給:東宝東和
劇場:全国にて
Official Website:https://www.universalpictures.jp/micro/blackphone
© 2021 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

わたしは最悪。

デンマーク出身のヨアキム・トリアー監督がノルウェイーのオスロを舞台に、30歳の女性・ユリヤの揺れる心を描いた映画『わたしは最悪。』
自分らしく生きていきたい、でも自分らしさって何?大人になれって言われるけれど、それって本当に必要なこと?
そんな、世界の各地で若い女性たちが抱える悩みをシビアかつファンタジックに描いたのが、この映画『わたしは最悪。』です。

美人で色々な才能を持ちつつも、結局すべてが中途半端なユリヤ。年上で成功したコミックアーティストの恋人・アクセルから結婚を匂わされて嫌になったり、浮気はダメだとわかっていつつ、パーティで出会ったアイヴィンとギリギリのラインまでのときめきを楽しんでみたり……。

無根拠な自信のあった若い頃をすぎ、現実が見えてきた年頃の30代。自信と劣等感のはざまで揺らぐ女性の心境が、丁寧に描かれた一作です。

『わたしは最悪。』(128分/ノルウェー=フランス=スウェーデン=デンマーク/2021年)
原題:Verdens verste menneske
英題:The Worst Person In The World
公開:2022年7月1日
配給:ギャガ
劇場:Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国にて順次公開
Official Website:https://gaga.ne.jp/worstperson/
(C) 2021 OSLO PICTURES - MK PRODUCTIONS - FILM I VAST - SNOWGLOBE - B-Reel - ARTE FRANCE CINEMA

バズ・ライトイヤー

最後に紹介するのは、ディズニー&ピクサーが贈るバズ・ライトイヤーの物語。
バズ・ライトイヤーといえば「トイ・ストーリー」シリーズに登場するスペースレンジャーのオモチャ。

1995年(『トイストーリー』の公開年)に少年・アンディは映画『バズ・ライトイヤー』を観たバズの大ファンになります。そして、バズ・ライトイヤーのオモチャを買ってもらうのです。
本作『バズ・ライトイヤー』は、その時、アンディ少年が観たバズ・ライトイヤーのオリジンの物語なのです。

本作のスペースレンジャー、バズ・ライトイヤーは、自身のミスで1200名もの乗組員とともに、宇宙の辺境の惑星に不時着してしまいます。
そこで、みんなを救うため、何度もハイパー航行を繰り返し、脱出方法を探します。
しかし、そのハイパー航行を繰り返したため、ウラシマ効果で62年の時間を失ってしまうのです。

乗組員たちが62年分の時を過ごしているのに、自分自身は数日分しか時を過ごしていないバズは、今やロートル。そんな扱いのなかで、新米レンジャーたちと共に、奮闘するのですが……。

本作では、バズと帝王ザーグの因縁も明かされ、「トイ・ストーリー」シリーズのファンは思わず嬉しくなってしまいます。
また、もともと1994年か95年に製作されたであろう作品だけあって、80年代から90年代のSF映画館万歳。今となってはレトロフューチャーなコクピットや通信機器が、大きな子どもたちの心にもきっと刺さるはずです。

「トイ・ストーリー」シリーズを超えて宇宙に飛び出したバズ・ライトイヤーと共に、無限の彼方へ行きたくなる、そんな大人も子どもも楽しめる作品でした。

『バズ・ライトイヤー』(105分/アメリカ/2022年)
原題:Lightyear
公開:2022年7月1日
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
劇場:全国にて
Official Website:https://www.disney.co.jp/movie/buzzlightyear.html
©2022 Disney/Pixar. All Rights Reserved.


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