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1月21日公開オススメ映画『ライダーズ・オブ・ジャスティス』『コーダ あいのうた』『真夜中乙女戦争』

映画ライターの松 弥々子が、今週末、1月21日に公開されるオススメ映画3作品をご紹介します。

ぜひ、映画館へのお出かけ前の参考にしてみてください。

ライダーズ・オブ・ジャスティス


最初に紹介するのは、北欧の至宝マッツ・ミケルセンが怒れるお父さんを演じた北欧映画『ライダーズ・オブ・ジャスティス』。少女が望んだ青い自転車が犯罪組織を壊滅させるという、バタフライ・エフェクトな物語でもあります。

マッツ・ミケルセンが演じるのは、電車事故で妻を亡くした軍人マークス。そのマークスが、妻が死ぬきっかけとなった事故の原因を、風変わりな3人の学者たちと探っていきます。

暴力が体に染みつき、感情を暴力でしか表現できない軍人と、学者バカとでもいうべき現実離れした学者たち。

現実にうまく適応できない大人たちが、マークスの娘のマチルデや、ひょんなことから家にやってきたウクライナ人の男娼と暮らすことで、なぜだか擬似家族のようになっていくのです。

マッツと昔からの盟友だというアナス・トマス・イェンセンが監督・脚本を手がけた本作は、バイオレンスに溢れながらもちょっと不思議で人生の面白さを感じさせてくれるクリスマス・ムービーです。

北欧の至宝ののダサセーター姿が見られるだけでも(もちろんそれ以外にも見どころたっぷりですが)観る価値のある一作と言えるでしょう。

『ライダーズ・オブ・ジャスティス』(116分/デンマーク=スウェーデン=フィンランド/2020年)
原題:RETFÆRDIGHEDENS RYTTERE
英題:RIDERS OF JUSTICE
公開:2022年1月21日
配給:クロックワークス
劇場:新宿武蔵野館ほか全国にて
Official Website:https://klockworx-v.com/roj/
© 2020 Zentropa Entertainments3 ApS & Zentropa Sweden AB.

コーダ あいのうた

耳が聞こえないろう者の両親の間に生まれた耳の聞こえる子ども“CODA(Children of Deaf Adult)”。このコーダの女子高生を主人公としたのが、この映画『コーダ あいのうた』です。

主人公のルビーは、合唱部に入ったことをきっかけに、歌の才能を開花させていきます。そして、音楽大学に進学したいという夢を抱くようになるのです。

周囲の健聴者の家に生まれた女の子たちと同じように恋もしたいし、大学にも行きたい。でも、自分がいなければ耳の聞こえない両親と兄は生活できないかもしれない……。

そんな葛藤に苦しむルビーの姿と、ルビーを愛しているけれど彼女がいなくなってしまっては自分たちが困ると、愛と生活(さらに言えば経済面)で葛藤する家族たちの姿に、思わず嗚咽するほど号泣してしまいました。

コーダというのは、親のために通訳を務めたり、交渉の窓口になったりと、幼い頃からヤングケアラーとして生きてこざるを得なかった存在。そんな彼らの存在と、彼らが抱える問題と葛藤を広く教えてくれたこの作品、ぜひ多くの人に観ていただきたい映画でした。

『コーダ あいのうた』(112分/アメリカ=フランス=カナダ/2021年)
原題:Coda
公開:2022年1月21日
配給:ギャガ
劇場:TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて
Official Website:https://gaga.ne.jp/coda/
© 2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS

真夜中乙女戦争

©2022『真夜中乙女戦争』製作委員会

最後に紹介するのは、King & Princeの永瀬 廉主演の映画『真夜中乙女戦争』です。

Fの原作小説「真夜中乙女戦争」を映画化した本作は、こじらせた大学生とこじらせた謎の男が巻き起こす、こじらせた物語です。

昔から個性的でありたいと願う若者は、ことごとくこじらせているものですが、今の若者も昔と変わらずこういうこじらせ方をしているものなんだな……と、意外に感じました。

個性的でありたいと願うばかり、そう願う人々のテンプレのような姿をさらしてしまう、それが若者というものなのかもしれません。そんな意味で、なんだか懐かしさすら感じてしまう、2022年の映画なのでした。

『真夜中乙女戦争』(113分/日本/2022年)
公開:2022年1月21日
配給:KADOKAWA
劇場:全国にて
Official Website:https://movies.kadokawa.co.jp/mayonakaotomesenso/
©2022『真夜中乙女戦争』製作委員会


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