見出し画像

2月25日公開オススメ映画『ボブという名の猫2』『ライフ・ウィズ・ミュージック』『ガガーリン』

映画ライターの松 弥々子が、今週末、2月25日に公開されるオススメ映画3作品をご紹介します。

ぜひ、映画館へのお出かけ前の参考にしてみてください。

ボブという名の猫2 幸せのギフト

© 2020 A GIFT FROM BOB PRODUCTION LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

ロンドンの街角で出会ったストリート・ミュージシャンのホームレス青年・ジェームズと、一匹の野良猫・ボブ。

彼ら二人の友情を描いた2016年の映画『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』の2作目となるのが、この映画『ボブという名の猫2 幸せのギフト』です。

驚くべきは、このジェームズとボブは実在しており、映画の中のボブは、ボブ本人(猫)だということ。

かつてホームレスだったジェームズは、ボブとの物語を「ボブという名のストリート・キャット」というノンフィクションとして出版し、ベストセラーとなりました。

シリーズ2作目となったこの『ボブという名の猫2 幸せのギフト』は、ベストセラー作家となったジェームズが、過去を回想する物語です。ジェームズとボブを引き離そうとする動物福祉局の干渉と、ボブの幸せのためにどうすればいいのか悩むジェームズの葛藤が描かれています。

愛嬌と貫禄を感じさせるボブの魅力とその演技力にメロメロになってしまうこの作品。犬猫映文館という名を冠する我々としては推さざるを得ないのです。。。

『ボブという名の猫2 幸せのギフト』(92分/イギリス/2021年)
原題:A Gift from Bob
公開:2022年2月25日
配給:コムストック・グループ
劇場:新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて
Official Website:https://bobthecat2.jp
© 2020 A GIFT FROM BOB PRODUCTION LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

ライフ・ウィズ・ミュージック

(C)2020 Pineapple Lasagne Productions, Inc. All Rights Reserved.


「Chandelier(シャンデリア)」などで知られるミュージシャンのシーア。彼女が初監督を務めた映画が登場しました。それが、この『ライフ・ウィズ・ミュージック』です。シーアは監督だけでなく、製作・原案・脚本なども担当しています。

主人公は、薬物やアルコールの問題を抱える女性・ズー(ケイト・ハドソン)。祖母の急死をきっかけに、彼女は自閉症の妹・ミュージック(マディ・ジーグラー)と暮らすことになります。慣れないミュージックとの生活に戸惑う彼女ですが、隣人のエボや近所の住人たちの協力により、彼女たちはなんとか一緒に暮らせるように。そしてズーは、これまで逃げていたものと向き合うことになるのですが……。

作中では、ミュージックのカラフルな精神世界がミュージカルのように展開していきます。シーアが書き下ろした曲とともに、カラフルでポップで、まさに夢のような世界が展開します。ミュージックを取り巻く人々が笑いさざめき、歌い踊流のです。死という永遠の別れですら、その世界ではかすかに楽しげであったりもするのです。

ミュージックを演じるマディ・ジーグラーは、シーアのミューズ的存在の若きダンサー。「Chandelier」のMVで見たことがある人も多いでしょう。類稀なる表現力を持つ彼女は、ミュージックというキャラクターをとても感情豊かに演じて見せています。

「MUSIC」という原題の映画『ライフ・ウィズ・ミュージック』は、MVのように楽しめ、そして涙してしまう、ミュージックとともに生きる喜びを描いた映画です。

『ライフ・ウィズ・ミュージック』(107分/アメリカ/2021年)
原題:MUSIC
公開:2022年2月25日
配給:フラッグ
劇場:TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて
Official Website:https://lifewithmusic.jp
(C)2020 Pineapple Lasagne Productions, Inc. All Rights Reserved.

GAGARINE/ガガーリン

©2020 Haut et Court – France 3 CINÉMA

1961年、ソ連のユーリ・ガガーリンが人類初の有人宇宙飛行を成功させました。この映画『GAGARINE/ガガーリン』は、その宇宙飛行士の名を冠したガガーリン団地に暮らす少年・ユーリの物語。

このガガーリン団地は、パリ南東に位置するイヴリー・シュル・セーヌ市に実在した団地です。1961年に着工、63年に落成したガガーリン団地は、移民を中心に多くの労働者階級の人々が暮らしてきました。2024年のパリ・オリンピックへ向けて再開発が進むフランスで、2019年に取り壊されました。

この『GAGARINE/ガガーリン』は、そんなガガーリン団地で生まれ育った少年が、自分のホームタウンであるガガーリン団地を守ろうとする物語。人々が退去した団地に一人暮らしながら、団地を宇宙船に見たて、自給自足の生活を送ろうとします。

この映画のもう一人の主人公は、ユーリが暮らす団地そのもの。それは団地であり、宇宙船であり、ユーリを守るために発光する母親のようです。ふわふわと団地内を漂うユーリは、まるで母親の胎内を漂う赤ちゃんのよう……。

少年の成長と巣立ちの物語でもあるこの作品。少年の過酷なサバイバルを優しく包み込む、土地や建物への尊敬と愛が感じられる一作なのです。

『GAGARINE/ガガーリン』(98分/フランス/2020年)
原題:Gagarine
公開:2022年2月25日
配給:ツイン
劇場:新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて
Official Website:http://gagarine-japan.com
©2020 Haut et Court – France 3 CINÉMA


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?