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6月10日公開オススメ映画『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』

映画ライターの松 弥々子が、今週末、6月10日に公開されるオススメ映画をご紹介します。
ぜひ、映画館へのお出かけ前の参考にしてみてください。

今日紹介するのは、アイルランド出身、現在はスコットランドを中心に活動している“究極の映画オタク”マーク・カズンズが作り上げた映画をめぐるドキュメンタリー映画『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』です。
映画を好きな人なら絶対に楽しめる作品になっています。

『ラ・シオタ駅への列車の到着』(1895年/リュミエール兄弟)から127年という年月をかけて発展してきた“映画”という芸術。ただ電車の到着や労働者たちの出勤風景を映すだけの動画だったこのメディアは、今や世界中で製作されるようになりました。
特に、CGやVFXなどテクノロジーも発達し、小型カメラやスマートフォンなどで誰もが映画を撮れるようになったここ20年の映画の発展にはすさまじいものがあります。

この映画『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』では、1万6千作品以上の映画を観てきたというマーク・カズンズ監督が、2010~2021年の11年間にスポットをあて、映画の世界の変遷・発展・変化を促した(もしくはそれを現した)111の映画を紹介しています。

そこで取り上げられているタイトルは『ジョーカー』『アナと雪の女王』『マッドマックス 怒りのデス・ロード』といったメジャー作品から、インド映画、タイ映画、ウガンダ映画、ロシア映画、イラン映画、ニュージーランド映画、ルーマニア映画など、多岐にわたります。
もちろん、日本映画もいくつか登場。冒頭では香川京子の名が挙げられ、小津安二郎監督の『麦秋』や是枝裕和監督の『万引き家族』なども紹介されます。

作品は<映画言語の拡張><我々は何を探ってきたのか>という二部構成で、映画の進化・拡張・変化を描いています。
そして、映画の変遷を描くことで、映画を創り、観る“人間”という存在のあり方にも迫っていると言えます。

映画好きな人ならば、この作品を観た後は、好きな映画を見かえしたくなったり、観たことのない映画を片っ端から観たくなったりするはず。
このドキュメンタリー『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』は、映画の楽しさや映画の残酷さを教えてくれると共に、映画の可能性を感じさせてくれる映画でもありました。

『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』(167分/イギリス/2021年)
原題:The Story of Film : A New Generation
公開:2022年6月10日
配給:JAIHO
劇場:新宿シネマカリテほか全国にて順次公開
Official Website:https://storyoffilm-japan.com
© Story of Film Ltd 2020


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