11月26日公開オススメ映画『ディア・エヴァン・ハンセン』『ベロゴリア戦記 第1章』『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』

映画ライターの松 弥々子が、今週末、11月26日に公開されるオススメ映画3作品をご紹介します。傑作ミュージカルから、ディズニー・ロシアが贈るファンタジー、ドキュメンタリーまで、今週も見応えのある作品がいっぱい。

ぜひ、映画館へのお出かけ前の参考にしてみてください。

ディア・エヴァン・ハンセン

グラミー賞やトニー賞、エミー賞などを受賞した、大ヒットブロードウェイ・ミュージカル「Dear Evan Hansen」。このミュージカルを映画化したのが、映画『ディア・エヴァン・ハンセン』。この作品の主人公、エヴァン・ハンセンは友だちもいない、孤独な高校生。彼は自分宛に「Dear Evan Hansen」と手紙を書くのですが、その手紙が思わぬ事態を巻き起こしてしまいます。

グラミー賞で最優秀ミュージカルアルバム賞を受賞するなど名曲揃いのこのミュージカル、『ラ・ラ・ランド』や『グレイテスト・ショーマン』を手がけたベンジ・パセック＆ジャスティン・ポールが楽曲を手がけているとあって、期待も膨らむところ。「一人じゃない」というメッセージが込められた名曲 「You Will Be Found」は、サム・スミス＆サマー・ウォーカーにカバーされています。

誰とでもSNSでつながれるけれど、心がつながるのがとても難しいこの時代に、ぜひ観てほしい傑作ミュージカル映画でした。

『ディア・エヴァン・ハンセン』（138分／アメリカ／2020年）
原題：DEAR EVAN HANSEN
配給：東宝東和
公開：2021年11月26日
劇場：全国にて
Official Website：http://www.deh-movie.jp
© 2021 Universal Studios. All Rights Reserved.

ベロゴリア戦記　第1章：異世界の王国と魔法の剣

ロシアのディズニーが作った異世界冒険ファンタジー映画『ベロゴリア戦記 第1章：異世界の王国と魔法の剣』。

現代のテレビで活躍するインチキ魔術師・イワンが、異世界“ベロゴリア王国”に迷い込み、そこで自分が伝説の戦士・イリヤの息子だと知る物語です。魔女・ヴァルヴァラが暗躍するベロゴリア王国で、イワンは伝説の剣を探す旅に出ることになるのですが……。

このロシア製作のファンタジー、ディズニー映画にもかかわらず、登場人物が曲者揃い。主人公からして、早く現代社会に帰りたいとしか考えていないし、旅の仲間も不死身の老人コシチェイに、お尋ね者の老女バーバ・ヤーガ、蛙のような人魚のようなおっさんのヴォジャノーイ……。ヴァシリーナという若い美女以外は、みんなあやしいのです。

このコシチェイ、バーバ・ヤーガ、ヴォジャノーイなどは、スラヴ民話や東欧のおとぎ話に伝わる妖怪のような存在なのだそう。日本で言うと妖怪を実写化した『ゲゲゲの鬼太郎』とか『妖怪大戦争』のような感じの作品と言えるかもしれません。

独特のロシアン・ジョークなども飛び出し、ちょっとクセになる味わいの映画です。なかなか新鮮で、大人も子どもも楽しめるはず。

『ベロゴリア戦記 第1章：異世界の王国と魔法の剣』（114分／ロシア／2017年）
原題：Posledniy bogatyr
英題：The Last Warrior
公開：2021年11月26日
配給：アルバトロス・フィルム
劇場：全国にて
Official Website：https://belogorie.jp/
(C)Disney 2017 (C)YBW Group 2017

ダ・ヴィンチは誰に微笑む

2017年に510億円で落札された絵画「サルバトール・ムンディ」。レオナルド・ダ・ヴィンチ最後の絵とも言われ、“男性版モナ・リザ”とも言われるこの作品を追うドキュメンタリー映画『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』。

もともとニューヨークの美術商が13万円で購入した絵画が、ロンドンのナショナル・ギャラリーの鑑定のもとレオナルド・ダ・ヴィンチ作品のお墨付きを得ます。そしてスイスの美術商、ロシアの大富豪を経て、オークションで510億円の値がつく……。
もはや、単なる一枚の絵を越えて、政治的、外交的な問題をはらむ問題作となったこの「サルバトール・ムンディ」も物語は、まさに「事実は小説よりも奇なり」を地でいくもの。

アート界にうごめく魑魅魍魎、アート界の金と闇を暴いた、必見のドキュメンタリー映画です。

『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』（100分／フランス／2021年）
原題：Salvator Mundi: la stupéfiante affaire du dernier Vinci
英題：The Savior For Sale
公開：2021年11月26日
配給：ギャガ
劇場：TOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開
Official Website：https://gaga.ne.jp/last-davinci/
(C)2021 Zadig Productions (C)Zadig Productions - FTV