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おかしな競技(主観)

こんにちは、書きかけのブログをちょっぴりだけ書いてみたら思いのほかの筆が走ったイヌです。

皆様は剣道の試合を見た事がありますでしょうか?やった事がありましでしょうか?

おう!オイラはアタシは剣道やってたで!って方もいるかもだし、全く興味もないし見た事もないわって方もいるかと思います。

アタクシは小学1年生から剣道をやり始めまして高校1年で辞めた口です。
辞めた理由は2つありまして、まず1つ目はベース(楽器)にどハマりした為。
そして2つ目は剣道に対して常々思っていた不可思議と言うか不可解と言うか納得が行かない事が割とありまして、もうやってらんね!アホくさ!となってしまった為でした。

先に書いておきますが、決して剣道をバカにしているわけでもなく、剣道をやっている人に対しても悪意はございません。
ただアタクシ自身、なんなの?!おかしいでしょ〜?ってのが重なり剣道ネガティブミルフィーユをこさえてしまっただけなので悪しからず。

さて、アタクシは小学生になると同時に剣道なる不可思議な競技に自ら飛び込んでいきました。
アタクシが通っていた小学校はとても小さく1学年1クラスしかなく部活動の選択肢はサッカーと剣道しかなかったのですが、齢6歳のアタクシは何故か剣の道即ち剣道を選択したのでした。

今でも覚えているんですが、母ちゃんに「オデ、ケンドー、ヤル」と告げた時「なんで剣道??」と不思議がられたのです。
今考えるアタクシも何故剣道をチョイスそたのか全く覚えていません。
恐らくですが、サンバルカン(大昔の戦隊モノ)が大好きだったのでサンバルカンの赤い人が剣をブンブン振り回しているのが頭の中にあり『オデ、サンバルカンニ、ナル』くらいなもんだったのでしょう・・

そんなイヌ少年なのですが小学生の頃は剣道が大好きでして、キンキンに冷えてやがる真冬の体育館で早朝にやる寒稽古だろうが、陸にいながら溺死するんじゃないだろうかってくらい汗ダクフラフラになろうが一度も剣道に対しネガティブになった事はなかったと記憶しており、今考えると指導してくれていたT先生の指導方法や理念がアタクシにとてもマッチしていたのかなあ?と感じています。
良いところは必ず言葉にして誉めてくれたし、駄目なところは頭ごなしに駄目出しするわけでも具体的に教えてくれたりと正に剣の道の先に立って導いてくれるような先生でした。

そして、そんなおおらかで愛のある先生の元で6年間竹刀を振るって日々精進していた少年は中学校に入っても当たり前に剣道部に入部したのですが、この中学剣道部の顧問がアタクシの剣道ライフに影を落とし始めたのです。

この顧問は、まずは根性論を持ち出すような大バカクソ野郎で、更にバイオレンスティーチャーという今なら大問題になるような事を平気で行っていたチンカスウンコ野郎だったのです。
いやね、アタクシも根性論は嫌いではない
んですよ。

気合い入れてくぞ!こんにゃろめえ!って感じで士気が上がる事もあるし忍耐強くなる事もあると思うんですよ。
ただこのドブクサチンパン顧問の根性論はまず自分の意に沿わないヤツはとりあえずぶん殴って「わかったか!」と言うやり方でしたし、血尿が出ようとゲロを盛大吐こうが稽古は当たり前に続行で技術的なモノを具体的に教わったあまり記憶がありません。
記憶にあるのは極太の太鼓バチで数え切れないくらい殴られた事と、当時公開されたばかりの魔女の宅急便に影響され竹刀を股に挟み「やさしさに包まれたなら」を歌っていたら後ろからおもくそ蹴られた事と、みのもんたにそっくりな風貌だけです。
まあこの午後はまるまるおもいっきりバイオレンスティーチャーのお話しは機会があれば又別の機会に書いてみます。

さて、そんな顧問の元でも一応練習に励んではいまして中学にもなると練習・公式試合が結構ありまして、恐らくですが3年間でかなりの数の試合をしてました。
もちろん小学生の頃も試合はしてましたが、言っても小学生なのであまり深く考えずに試合に挑んでいたのですが、中学生にもなると、いわゆる思春期と言う厄介なシーズンがやって参ります。

そしてこの全てに於いて敏感さんになってしまう思春期の影響なのかはハッキリとはしませんが、剣道の試合における「一本」に疑問を感じ始めたのです。

剣道の一本は打突の際「気・剣・体」全て揃っていないと一本にはなりません。
気勢があり剣筋が合っていて体勢が正しい。
これら3つが揃って初めて一本になり、闇雲に竹刀を振りまして面やら胴に当たっても絶対に一本にはなりません。
ん〜非常に曖昧なものですねえ・・

さて、これを踏まえてアタクシが剣道に対して大きな不信感を抱いた試合を振り返ってみましょう。
その日の大会は団体戦は二回戦で負けてしまい、残すは個人戦だけになっていました。
アタクシは自分で言うのもなんですが一回戦で負けるよう事はまずなかったのですが、その日の一回戦の相手は市内でも5指には入るであろうS君でした。
しかも割とアタクシと剣道のスタイルが似てまして、団体戦では共に先鋒を努め小手を得意としている2人でした。

違いがあったのは圧倒的にS君の方が強く、小学生時代を含め幾度となく対戦してきましたがアタクシは一度も勝った事がなく今日こそは打ち負かしてやろうと、割りかし気合が入っていたのです。
アタクシは試合の前にS君と愉快なお話しでもして揺さぶってやろうと画策し、S君の元にヘラヘラしながら行きますと、なんか元気がないのです。
どうしたの?と聞きますと何やらあまり体調がよろしくない模様。

アタクシはこの時こう思いました。
『やったぜイヌちゃん!千載一遇!機は熟したり!今日こそはその首討ち取ったも同然也ィィ!!皆の者!祝宴の準備をして待っておれい!!』と・・

最低か最高かで言えば、最低側のアタクシでしょうが戦いの場に於いては致し方ない事でして、アタクシは「マジかあ?無理しないでよ〜」なんて心の片隅の更に片隅の隅にあったであろう言葉をなんとかかき集めてから投げかけ、今か今かとS君との対戦を仲間の試合を応援しつつ待っておりました。

そしてとうとうアタクシの出番でございます。
今日ならイケル!感しかなくS君と対峙してもそのイケル感は失われず『本当に具合悪いのかあ・・ご愁傷様だぜ』など思いつつ、お互い竹刀の切っ先を時折り交わせながら両者出方を伺っていました。
するとS君が切っ先をスンと下に下げた後アタクシから見て時計周りに竹刀に孤を描かせながらアタクシの右小手を狙う素振りを見せた。

『グハハハ!残念ながらそれをアタクシは狙っていたのだよS君!しかも今日はいつものキレが無いと来た!いただきだあ!』

アタクシはS君の竹刀を右上に払い、ガラ空きになったS君の右小手に「こてえぇぇっっしゃああああ!どっこいしょおおお!」と打ち込んだ。

決まった。
まず一本いただきました。
間違いなくこれは一本。

仲間達もこりゃ一本だろうと「ナイスぅ!」の声援やら大きな拍手でアタクシの華麗なる小手を祝してくれている。

アタクシはそうでしょう。そうでしょう。今のは間違いなく一本。誰がどう見ても一本。
なんならオマケでもう一本つけちゃう?くらいだったでしょうと主審の旗をチラ見すると・・・

はう?!上がってないだと・・?!は?マジか?と副審を見ると1人は上げているがもう1人の副審は旗を下げたままでまさかのノーカン・・・

「えええぇぇ」「一本!一本!」の声が聞こえて来る。仲間達の抗議の声である。

しかし、一度下された判定など覆るわけもなく。アタクシの士気はリーマンショック並みの下りかたで、S君のしょーもない出鼻小手が一本となり一本も返せないまま負けとなってしまいました。

『なんであのしょーもない小手が一本でアタクシのアノ小手が一本じゃないんだ!審判の目ん玉飾りかよビーダマかよ?曇りなきマナコで見とけやあ!あーあれか?その瞬間だけ寝てたのか?!グーグー昨日も遅かったし・・あぁよく寝たわ〜って?!クソッタレが!』

とマイナス方向へ心をプルプルと震わせていましたが、負けは負け。
また勝てなかった・・とほんのちょっぴりだけ落ち込んだりしましたが、基本能天気なアタクシは、気分をパッと切り替えて仲間達の応援や先程戦ったS君の試合の観戦応援に回りました。

するとどうでしょう・・・具合が悪いはずのS君の快進撃が止まりません。
旗が上がる上がる。

S君しょーもないのを打つ。
旗上がる。
S君しょーもないのを打つ。
旗上がる。

どう見ても一本にゃ届かんだろ〜と思った打突でも気持ち良い位に旗が上がる。

その時アタクシはハッ!と何もかも分かってしまったのです。
まるでこの宇宙の始まりを知ったかの様に・・

『嗚呼・・そうか・・S君は強いと言う先入観がありこの審判共は反射的に旗を上げているのかと・・もしアタクシみたいな雑兵がS君みたいな大将レベルの人から一本取るにはこの幾重にも重なったフィルターをつけた審判の目ん玉を潰し・・・じゃなくて、このフィルターをまずぶち壊さなきゃダメなのか』と・・

それに気づいてしまったアタクシはその日はもうなんもやる気も起きなく、8年近くやって来た剣道に対し不信感を強く抱いた日でもありました。

まあ〜それでもゴミムシのような顧問は相変わらず大嫌いでしたが、剣道自体は好きで中学時代は剣道に明け暮れていまして、高校に入学しても当たり前のように剣道部に入部したのですが、この高校の剣道部でのある出来事が『あーもうやってらんねえわ』とアタクシに剣道を辞める決断をさせたのでした。

さて、高校に入学し新たな指導者は体育教師でもあるK先生で確か齢は50代後半だったのかなと記憶しています。
割と小柄な人でしたが、かなりの高段位(失念)でしてなかなか有名な指導者だったらしいです。

アタクシはそんなに有名で高段位者ならばさぞかし気迫も凄いし未知なる剣の道を標してくれるのだろうとちょっとだけワクワクしていたのですが・・・ですが・・実際はヨタヨタバタバタしててフェイントにもすぐ釣られてスパーン!とアタクシの竹刀が気持ち良く面やら胴やらに決まるのです。

『あれ?あれれれれ??もしかして弱くね?あれー??』
多分ですが客観的に見てアタクシの綺麗な一本がビシバシと決まっていたのではないでしょうか?
けれどK先生は「ふん!まだまだじゃ・・それでは一本にはならんぞ小僧」とアタクシにバッチバチに打ち込まれながらもダメな首振り人形のように首を横に振りながらアタクシに稽古をつけるのです。

アタクシはこの時『あ・・あの時の感じと似てる』とS君との試合を思い出していました。

高段位者の自分が、たかが16歳の小僧から一本なんか取られる訳ない。
負ける訳ない。
多分そんな感じだったのでしょう。
そして恐らく剣道界全体がそんな感じなんだろうなと勝手に思い至ってしまったのです。

そして、それからもしばらくは剣道部に在籍して稽古していたのですが、友人に誘われて始めていたベースの方が数万倍面白くなってしまい、小学生から9年とちょっと続けた剣道をあっさりと辞めてしまったのです。
今まで剣道の為に時間もお金も割いてくれた両親にはちょっと後ろめたさがありましたが、その時アタクシ16歳です。
イキがりのピーク時期と言っても差し支えない年齢でしょう。
母ちゃんには剣道辞めたわ!とだけ言い竹刀からベースに持ち替え夜な夜な部屋でヘッタクソなベース音を響かせるようになってしまったのでした。

えーとーーですね・・・母ちゃんその節はとその後諸々大変な迷惑を死ぬほどお掛けして申し訳なかったです。

ただ一つ言わせていただくとベースを始めたお陰で色々な人を見て来れたし、普段あまり体験出来ないような事も出来ました。
大きな声では言えなような事もありましたし、おちこんだりもしたけれど私はげんきです。カーテンを開いて〜♪静かな木洩れ陽の〜♪やさしさに包まれたなら〜♪きいっと〜♪

って今は一緒に住んでるや・・

ちょっだけジブリの香りをさせたところで、唐突に総括です。

アタクシに剣道は向いてなかった!こんな道なら歩みたくない!以上っ!

かなりとっ散らかった内容と言うか文章になってしまいましたが最後まで読んでくれてありがとうございました!

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