☆★2022年度 柴デミー賞 発表★☆
2022年鑑賞した劇場映画から最もグッと来た俳優、監督、挿入曲シーンを選出する、柴デミー賞の発表となります!
(ついでにワースト映画3本も発表)
それでは、さっそく発表の方にまいりましょう!
★最優秀主演女優賞
ナリルヤ・グルモンコルペチ
『女神の継承』
一見めちゃくちゃかわいいタイの俳優さん。だけど本作では悪霊に憑依されて終始トンデモなくヤバくて暴れまくり殺しまくりの人智を超えた動きやヌードなど身体を張った演技を見せてくれて、マジで震えた。
彼女の鬼気迫る演技が無ければホラー映画としての本作は成立しなかったといっても過言でない。今後も注目していきたい俳優さん。
★最優秀主演男優賞
沢田研二
『土を喰らう十二カ月』
俳優としてのジュリーCome Back!信州の山里で孤高に野生の食材を収穫、調理し、食をむさぼるその姿は歌手としてではなく、俳優としての人間・沢田研二の手際の良いアクション動作から、その生き様の片鱗を見せつけられた。今年6月25日のさいたまスーパーアリーナ公演楽しみ!
★最優秀助演女優賞
ティリル・マリエ・ホイスタ・バルゲル
『ロスバンド』
すがすがしいほどの青春バンド映画の傑作である本作が、映画初出演ながら、チェリストの少女を瑞々しく、憎たらしく、愛らしく演じていて終始印象に残った。楽器演奏の経験はなく、家族旅行へもチェロを持っていくほどの情熱で研鑚を積み、撮影に臨んだとのこと。
現地ノルウェーでの劇場公開から5年経ち、今頃は絶世の美少女になっていることでしょう。
★最優秀助演男優賞
奥野瑛太
『グッバイ・クルエル・ワールド』
正直面白いとは言い難い作品であったが、唯一マイティこと奥野氏の演技はブッ飛んでて釘付けになって最高!
下手に血が飛び散ったり、人が死ぬシーンより彼が登場し、鬼気迫る表情と声色で演技するカットだけがスリリングな瞬間だった。
愚直な疎外者としてのマイティの異質感だけはソリッドでフレッシュで、完全に気ちがいの目つきでヤバかった。
作品のテーマ性を一人で背負い込んだような圧倒的な存在感。主演の西島秀俊と対峙するカットでは完全に奥野氏がカットを掌握していた。
★最優秀バディ賞
NTR Jr.&ラーム・チャラン
『RRR』
2022年を代表するバディといえば文句無しにこの2人。
少年漫画の世界観のような友情、対立、絆の強さを人間の本能と衝動レベルで見せつけてくれて、本当に永遠に続きを観ていたくなる関係性に魅了された。
インド映画はいよいよ本格的にここ日本に根付き始めている。
★最優秀パンフ賞
『クリエイション・ストーリーズ 世界の音楽シーンを塗り替えた男』
90年代全盛期を迎えていたカルチャー雑誌、「STUDIO VOICE」風の装丁で泣けるし、嬉しい。
音楽映画のパンフだったら12インチや7インチのVINYLサイズはよく見かけるけど、あくまでミュージシャンではなく、レーベル創始者が主人公の話なので、音楽雑誌風にしているのも良き。
★最優秀監督賞
井上雄彦
『THE FIRST SLAM DUNK』
おそらくこの作品が最初で最後の監督作品となるだろうけど、自分の描いた作品を漫画以外の表現できっちりじっくりと時間をかけて本当に描きたかったアニメーション作品の形へとまとめ上げたクオリティへの常軌を逸した執念は驚異的と言わざるを得ない。
★ワースト映画賞
『グッバイ・クルエル・ワールド』
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
『人質:韓国トップスター誘拐事件』
『グッバイ・クルエル・ワールド』
これ2022年によく企画通ったな?
20年くらい古いセンスのダルくてヌルくて鈍重テンポのバイオレンス作品。
あからさま過ぎる割に半端なタラ要素が物語に全く作用せずマジでノイズ。
これ、映画ファンが1番嫌うヤツ。
現金強奪の話なのに中途半端に社会風刺盛り込んでブレブレだし脚本も下手だし悪い点が目立つ。
にしても2022年にこの内容はいくら人気の西島さん主演でもお客入んないよ。
20年前にタラ要素や雰囲気を外側だけなぞった中身の無い雨後の筍のように産まれた邦画達の残像がフラッシュバックするかのようだった。
何度も書くけど20年代にこれよく企画通ったね?それが一番興味あるところ。経緯を知りたい。
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
くっそつまんねー!191分もいらねーよ!長ぇ長ぇ無駄に長ぇ!退屈!何度も寝落ちしかけた!どんな凄い映像表現でも途中で飽きるんだよ!
根本的に物語を動かすキャラ造形が甘過ぎるから途中で飽きんの!舐めてんの?「RRR」が178分あってもいかに観客を飽きさせないかキャメロンは学べよ!
このシリーズは、映像表現どう?凄いっしょ?と言いたいだけなんだなというのが2作目を観て確信した。根本的な物語がすげぇ蛇足が多い。主人公の息子達の糞ど?でもいい描写が長過ぎる!
40分は短縮出来るだろ!マジで観終わって何も残らない。映像表現を楽しむだけの作品にしても長すぎる。退屈!
あと、ハイフレームレートという名のヌルヌル動画、1.5倍速で観てる気分で、キャラの動きが倍速でマジで観てて不快。
これこそほんとのファスト映画じゃん。舐めてんの?なんでこの形式で公開しようと思った?ヌルヌルがマジ気持ち悪い。
はぁ…。
映像表現だけを優先しすぎる事で、映画を鑑賞する上で観客の感情を揺さぶるような、本質を見失ってるシリーズなのかな?と思う。
たぶん次の続編も同じ内容でしょ?映像表現以外、ほんと雑なんだよ。
SLAM DUNKがいかに映像表現とキャラ造形と物語構成が凄かったのか、ハッキリ出来たわ。
地球とは違う異星であり、人類とは完全に別の種族なのに、やたらアメリカナイズされてるのも今どき古すぎるし、ホントに型ハマり臭すぎて不快。
DJイベントでVJ映像としてだけ191分流しとけばOK的な作品。
マジメに観るだけ馬鹿を見る。
家族愛の描き方も前時代的で一切の新鮮味無し。
ハリウッド映画として後退的。単純にキャメロン監督のクリエイティビティが型ハマり的で斬新なビジョンや根本的な家族愛が表現出来てないから何のカタルシスも生まない。
観てて疲れるだけ。更に致命的なのは3D表現も前作と対して違いを感じなかったこと。
単純に一人から搾り取れる客単価を上げる為だけの3D仕様ってだけしか感じられない。2Dで観たら更にゴミみたいな内容しか残らぬ。
上っ面しか描かない家族愛とか醜悪以外の何ものでもない。
一人家族が死ねば感動させられると思うなよ糞が!
191分も使ってるのにまるで感情に訴えかけないし何も残らぬ映画。
結果的に時間の無駄だった。
こんなのこそ30分6本に分けてディズニープラスで配信すりゃいんじゃね~の?
『人質:韓国トップスター誘拐事件)』
題材は面白そうなのにことのほかつまんなかった。
ファン・ジョンミン本人という設定、必要だったこれ?
これなら架空の俳優という役柄でも全然成立したでしょ。
過去に演じた役柄が脱出の手段になるというのもパンチ弱すぎ。
誘拐した犯人グループ側の人物像も目的も行動原理もぼんやりしすぎだし、何の為にその行動を取ったのかさっぱり分からぬ。
本作の肝は実在の俳優本人が誘拐されるというスキャンダラス性なはずなのに、そこがまったく活かされていない。
だから架空の俳優という役柄でも成立しちゃう。
犯人側の人物像も前時代的な造型でダメ過ぎる。
もう00年代じゃないんだよ。エンドロールにIGGY POPの「THE PASSENGER」流れたのは良かった。
てか本人はただのおっさんの俳優で芝居じゃなく命の危険が迫ってる状況のはずなのに、緊急時におけるとっさの判断力とか戦闘力強すぎじゃね?
それが過去の役柄で活かされてるというならもっとあからさまに過去の出演作のオマージュを打ち出すべきだし、中途半端なんだよ。
だから架空の俳優役でも成立するでしょって話なんでしょうが!
一緒に誘拐された女性もただのきれいどこな添え物的存在で、全然何もしないで中途半端だし魅力無さすぎてつまらない。
それにバイオレンス描写も中途半端。あらゆる全てにおいて中途半端
期待外れ。
以上、2022年度柴デミー賞の発表でした。
受賞の皆さま、おめでとうございました!
次はいよいよベスト映画総括の発表です!
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