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【完全保存版】クラシックピアニストが電子ピアノでコンサートをするための教科書

はじめに

クラシックピアニストといえばコンサートホールでフルコンサートグランドピアノを使ったコンサートというイメージがあると思います。

しかし時にはグランドピアノがない会場での演奏のオファーが来ることがあり、そういうときは電子ピアノでの演奏が求められます。

また、保育園・学校・介護施設・病院などでアウトリーチコンサートを積極的に行っていく場合も、電子ピアノの演奏スキルを持っていると活動の幅が広がり、よりたくさんの人に寄り添った演奏が可能になります。

筆者は10歳のときに鍵盤ハーモニカにハマり、ピアノを習い始めて最初の1年は30年物のコロンビア社のエレピ(電子ピアノとはまた違います。エレクトリックな音色を出す専用の楽器です)を使って練習し、その後、アップライトピアノグランドピアノと経てクラシック音楽を学び音楽大学の大学院を卒業し、フリーランス演奏家として活動しています。近年は本格的に電子ピアノシンセサイザーを用いた演奏もしており、少し異色の鍵盤経歴があります。

電子ピアノを使った演奏場所の実績としてはコンサートホール(ステージ、ロビー)、ホテル、料亭、バー、美術館(ギャラリー)、病院、介護施設、庭園、古民家、野外ステージ、野外劇場、美容サロン、神社、お寺など様々なシチュエーションでの演奏経験があります。

↑ 日本料理 寶樂(たから)でのソロライブの様子

最近はクラシックの演奏家がアウトリーチコンサートを行うことが音楽家としての社会活動になりキャリアにもなるということで少しづつ浸透しており、電子ピアノを使う必要性に駆られているピアニストが増えていると思います。

そんな人たちに向けて、僕の経験を基に電子ピアノでコンサートをするための準備や知っておくべきこと、購入のヒント、注意すること、僕が体験したエピソードなどを書こうと思います。多くの方の参考になればうれしいです。

今までの電子ピアノの経験を全てつぎ込んだ2万字の記事です。
ブックマークしてご活用ください。

コンサートで電子ピアノを使うメリット

1.演奏の場が増える

やはり最大のメリットはこれだと思います。
電子ピアノを持っていれば、ピアノがない会場でもコンサート会場にできます。演奏を必要としているけれど楽器がないという場所に演奏を届けることができます。

仕事の幅が広がり、どこでも演奏できるピアニストとして重宝されると思います。

2.会場に合わせた設営ができる

やりたい演奏形態や演出に合わせて会場レイアウトを自由に設営することができます。
また、電子ピアノは音量を自在に調整できるので、例えば大音量を出せないような会場や、他の人に配慮が必要な病棟などでも柔軟に対応できます。
これによって寄り添った演奏ができます。

3.多彩な音色で演奏可能

電子ピアノにはピアノの音だけでもたくさんの種類があり、ピアノ以外にも、エレピ、ストリングス、ハープシコード、パーカッション、効果音、シンセ音、など多彩な音色が収録されていて、パフォーマンスの可能性がグッと広がります。

僕の使っているRolandのRD-2000には1000種類以上の音が入っていて、工夫次第で様々な演奏ができます。これは電子ピアノだからできるパフォーマンスです。

4.My楽器という安心感

弦楽器や管楽器などの奏者は普段から自分の楽器を持ち歩き、練習も本番もそれで演奏しますが、ピアニストは自分のグランドピアノを持ち運ぶのが大変なので、その会場にあるピアノを弾くのが一般的で、ピアニストの大きな特徴のひとつです。
現場に行ってみたら調律のヒドいガタガタなピアノだったなんてこともありますが、それでも弾くのがプロ。しかしコンディションの悪い楽器で本領が発揮できないのは辛いところ。

ところが電子ピアノは、いつでもどこでも同じ鍵盤タッチ、音色、機能で絶対的な安心感があります。

5.調律の必要がない・弦が切れない

4番に通ずるものがありますが、電子ピアノは音程が狂わないので調律師さんが要りません。僕は弦をよく切るのですが、電子ならそもそも弦がないので、高額な調律費や修理費がかかりません。

逆に言えば本番で調律をお願いできないということでもあり、全ての音が自己責任です。電子ピアノは音量や響きの大きさ、ニュアンスなどをカスタマイズできるので、自分でいい音を作る方法を覚えると豊かな表現ができます。MY楽器を持つということはヴァイオリンなどのように音の調整も自分で行うことになります。それが楽しさでもあります。

6.安価

アコーステックピアノ(電子じゃないピアノ)の場合、フルコンサートグランドピアノは2000万円、家庭用のグランドピアノでも100~200万円はします。
電子ピアノの場合、選ぶものにもよりますが、フラッグシップモデル(最上級モデル)でも25万円ほど、アンプ(スピーカー)を含めても30万円で揃います。30万円で最高の環境が揃うと思えば、楽器としてはかなり安い方です。また、最近は5万円台で質のいい88鍵モデルの販売が流行っています。

7.自宅練習用に重宝する

買えばMy楽器なので、もちろん自分のもの。
電子ピアノはヘッドフォンが使えるので、深夜など音が出しづらい時間帯でも思い切り使えます。いつでも譜読みできます。グランドピアノのように場所をたくさんとらないし軽いので設置や移動しやすいのもいいところです。

コンサートで電子ピアノを使うデメリット

デメリットも理解しておいた方がいいと思うので書きます。

1.運搬が大変

電子ピアノで最も大変だと思うのは運搬です。重くて大きいし、アンプやスタンド、椅子など必要なものが多く搬入量が多いです。雨が降ると更に大変なことになります。夏場は地獄。体力が要ります。車が必要です。

これは昨年最も大変だったときの車内です。
普段より大掛かりなセットだったので車がパンパンです。

2.クラシックの難曲を再現するのは難しい

電子ピアノに慣れても、グランドピアノと同じように難曲を弾くのは難しいし、繊細な表現の幅には限りがあると思ったほうがいいです。ベートーヴェンやショパンのソナタを演奏しようとはなかなか思えません。

3.音量調整できる故に音量調整が難しい

メリットにも書きましたが、My楽器であるということは自分の音は自己責任で作らなければいけません。シンプルなところでいくとどのくらいの音量がいいのか判断するのはとても難しいです。スピーカーの位置や数によって聴こえ方がかなり変わるし、自分には聴こえているが会場に聴こえていないということも起こります。他の楽器とのアンサンブルのときは特に、ステージ上のバランス、客席での聴こえ、自分への聴こえを判断する優れたバランス感覚が必要です。この感覚はグランドピアノで演奏するときの感覚とは別物なので、経験で養っていく必要があります。

グランドピアノと電子ピアノは別物

電子ピアノのうたい文句で「グランドピアノのタッチや音色を忠実に再現」と書くことが多いので、つい電子ピアノはグランドピアノの廉価版とか妥協の楽器とかと勘違いしている人が多いのですが、グランドピアノと電子ピアノは全く別物の楽器と思ってください。

長所短所、できることが相反していて、それぞれに違った可能性があってどちらも優れています。適材適所に両者を使っていくことが大事だと思います。

会場や人の電子ピアノを借りる場合

本番の会場に電子ピアノがある場合、それを借りて演奏することができるかと思いますが、このとき事前に必ずモデルと状態を確認してください。

アウトリーチコンサートの現場に実際に行ってみたらキーボードだった、鍵盤数が少なかった、古くて故障していた、なんてことはよくあります。

実際に僕が行った例で、ペダルが反応しなかったり鍵盤が複数個壊れていたりしていることがありました。そんなときのために自分のピアノを持っていたので大丈夫でしたが、なければヒドイ演奏を披露するところでした。

特に子どもがたくさんいるような会場の電子ピアノは、どこか壊れているだろうと思っていたほうがいいです。

下見に行って試弾して使えるかどうか判断するのが確実です。無理な場合は写真を送ってもらったり、型番を教えてもらってネットで検索して何年の製品か確かめるのもいいと思います。

理想は会場の電子ピアノは使わずに、必ず自分の楽器を持って行って確実に演奏できる環境を整えるよう心がけることです。大変ですがこれが1番安心です。

電子ピアノの種類と選び方

これから電子ピアノを買おうと思っている方や、詳しくなろうと思っている方に向けて詳しく解説していきます。

電子ピアノの種類は主にこんな基準で考えます。

・鍵盤数(61鍵・76鍵・88鍵)
・鍵盤のタイプ(タッチ・重さ)
・性能(音質・音色数・機能)
・内蔵スピーカーの有無
・家庭用モデルorプロ用モデル
・可搬性(サイズ・重さ)
・価格
・ヴィジュアル(デザイン)

・鍵盤数

電子ピアノは用途や目的に合わせて様々な鍵盤のタイプが用意されていますが多いのは主に61鍵・76鍵・88鍵の3タイプです。

61鍵はバンドのキーボーディストが使っていることが多く、シンセサイザーでも人気のサイズ。軽くて可搬性に優れていて、電池駆動できるタイプもあります。鍵盤に無い音域の音は出ないのかというとそうではなく、トランスポーズ機能を使えば出る音を1オクターブもしくは2オクターブの範囲で自由に上下することができます。メロディやコード、ベース音など、パート演奏するのに適しています。

76鍵は中間のサイズで、61鍵では物足りないけど88鍵ほどのサイズは必要ないという人が選びます。

88鍵は通常のグランドピアノのサイズと同じなので、ピアノ用の音域の曲は全て弾く事ができます。

クラシックピアニストには、1台目はまず間違いなく88鍵モデルをオススメします。
このサイズに慣れているし、使える音域がフルにあったほうがいいです。
もし2台目以降を検討されるなら、可搬性や汎用性を重視したモデルを選ぶといいと思います。

・鍵盤のタイプ

鍵盤のタイプはメーカーや製品によって様々ですが、大きく3タイプあると思っています。

1.キーボードタイプ
とても軽いタイプで、61鍵のモデルに多いです。シンセの速弾きやグリッサンドの多用に向いてます。演奏の負担が軽い分、繊細なタッチによる表現は難しいです。

2.セミウエイト
キーボードタイプよりは重くて弾きごたえがあるけれど、グランドピアノタッチではない中間のモデルです。

3.グランドピアノタッチ
ハンマー機構を採用したり、象牙調の鍵盤にしたり、木を使ったりしてグランドピアノのタッチをできる限り再現するために技術を駆使して開発された鍵盤です。

クラシックピアニストが良いコンディションで演奏するにはグランドピアノタッチがオススメです。

・性能(音質・音色数・機能)

楽器を選ぶのですからやはり気に入った音色で演奏したいですよね。これは実際の楽器店に行って試弾させてもらい、お気に入りを見つけましょう。お気に入りの鍵盤のタッチと音色の楽器を見つければ、最高のパートナーになってくれます。

音色の数や質は、メーカーや製品によって様々です。基本的にピアノの音色が使えればいいという人はピアノ+数種類の音色が搭載されているもので十分です。エレピやハープシコード、ストリングスの音色はかなり便利です。

多彩な音色や機能があったほうがいい、音にこだわりたいという人は、500~1000種類ほど収録したモデルを選ぶといいと思います。気分転換に遊ぶこともできます。

・内臓スピーカーの有無

これは実際に演奏したものが音として伝わる部分に関わるので重要なポイントです。
電子ピアノは音がスピーカーから出てきますが、そのスピーカーが電子ピアノ本体についているものとついていないものが存在します。

なぜついていないものがあるのかというと、バンドのキーボーディストがライブハウスなどで演奏する場合、本体のスピーカーの音量では小さいので、会場のPA(音響システム)に接続して音を鳴らすからです。最初から外部のスピーカーに接続して演奏することを想定しているモデルには内蔵スピーカーがついていません。(これは次の項目で説明する家庭用モデルとプロ用モデルの違いでもあります。)更にそういう会場では客席に飛ばすスピーカー数台と自分が音を聴くためのモニタースピーカー(返し)を用意することがあります。

内蔵スピーカーのない電子ピアノを使う場合は外部アンプを買う必要があります。アウトリーチで行くような場所にはPA環境がないからです。自分の音は自分で用意しなければいけません。アンプについては別項目で書きます。

電子楽器に慣れていない場合は少し難しい話ですよね。僕も最初苦労して調べました。

どういうスピーカーかを決めるかの基準は、どのくらいの規模での演奏を想定しているのか、つまりどのくらいの音量を出す必要があるのか、で変わってきます。

何百人のステージで演奏するのか、教室程度の広さで演奏するのか、ということです。
普段グランドピアノを演奏する人にとっては、そこにある楽器を自分の技量だけでなんとかするしかないのですが、電子楽器の場合は自分で機械の調整をしなければいけません。故に難しいのです。

手っ取り早いのは、内蔵スピーカー付きを買うことです。
外部アンプ&スピーカーを買わなくてもいいし、運搬も接続もしなくていい。コンセントのケーブル1本で音が鳴ります。機械に自信のない人は楽さを重視するのも手です。
ただし、いずれ大きなステージで使う可能性も考えて、外部スピーカーに接続する出力端子がついているものを買うと安心です。

・家庭用モデルorプロ用モデル

電子ピアノは本当に様々なタイプがありますが、代表的なものをまとめます。家庭で使うことを想定したモデルと、ミュージシャンがステージで使うことを想定したモデルがあります。

家庭用据え置きタイプ
家庭用の質のいい電子ピアノは、アップライトピアノのような見た目で、部屋に据え置き、置きっぱなしにして使うことを想定してあります。重くてしっかりしていて、家具に合わせて木目調のものがあったりします。

家庭用コンパクトタイプ
家庭用でも、スタンドがない平らなタイプのピアノもあります。金属製のスタンドの上に置くか、机に置いて使いう人もいます。

子ども用キーボード
子どもが楽しく遊ぶための、鍵盤が光るタイプのキーボードや、内蔵されている曲を再生して遊んだりゲーム性のあるモデルもあります。

家庭用&プロ用の中間タイプ
家庭用で気軽に使うことを想定しながら、本番でも使うことを想定したモデルがあります。スタイリッシュな見た目でコンパクトなのに安価な製品が近年流行しています。

プロ用タイプのステージピアノ
主にステージで使うことを想定されたプロ用の電子ピアノは「ステージピアノ」と呼ばれ、普通の電子ピアノと区別されます。このタイプはメーカーの製品の中でも音質も鍵盤も最高峰のフラッグシップモデルとして扱われています。基本的に内臓スピーカーはついておらず、外部のアンプに接続しないと音が鳴りません。(ヘッドフォンは使えます。)ステージピアノの中でも何段階のグレードか用意されていることがあり、自分の用途に合わせて選びます。

その他
他にはシンセサイザーやパソコンで楽曲製作するためのmidiキーボードなどもありますが、それはまた別ジャンルかというくらい深い世界なので割愛します。

クラシックピアニストにオススメなのは、もちろんプロ用ですが、アンプや運搬(次の項目で書きます)や、予算の問題などで引っかかる人はプロ用と家庭用の中間モデル、プロ用の廉価版がオススメです。

・可搬性(サイズ・重さ)

可燃性、燃えるかどうかではなく、可搬性(かはんせい)です。
つまり運べるかどうかです。

自分の電子ピアノでコンサートをするためには、自分で楽器一式を運ぶ必要があります。自分で楽器を持てる重さかどうかは本当に重要なポイントなので、重さを確認してください。特に88鍵のモデルは長いので、持ちにくいです。

そして車に載るかどうかもポイント。必ずサイズを確認してください。

電子ピアノの重さの決め手は、ほぼ鍵盤の性能です。
鍵盤が数が増えれば増えるほど、鍵盤が上質になればなるほど、グランドピアノタッチに近づけば近づくほど、プロ用になるほど、重くなっていきます。(そして値段も高くなります。)

(グランドピアノの重さを考えてみればわかりますが、普通サイズでも300Kgくらいあります。)

プロ用のモデルが欲しくても運べなければ現実的ではありません。本番の会場には手伝ってくれる人がいますが、(大抵お願いすれば快諾していただけます。)一番の問題は自宅から車、車から自宅への積み込みです。家に毎回手伝ってくれる人がいるなら大丈夫ですが、いないと大変、というか不可能なので諦めざるを得ません。

重いピアノの搬入出は本当に体力使うので、演奏の体力を温存するためにも重すぎるピアノは控えた方がいいと思います。

88鍵のピアノで、軽い鍵盤でスリムなモデルだと12Kgくらい、重いステージピアノで25Kgです。ケースに入れて運搬すると更に重くなります。(ケースについては別項目で書きます)

・価格

電子ピアノの価格帯は、安価な88鍵盤で5万円台~、プロ用のステージピアノが約25万円が相場です。

グレードと価格(と重量)は比例しているので、適切なものを探してみてください。

プロ用のステージピアノになると外部アンプやケーブル、スタンド、ケースなども買う必要が出てきます。+5万~10万円ほどだと思ってください。電子ピアノとセットで売られていることも多いのでお得なものを見つけてみてください。

・ヴィジュアル(デザイン)

ピアノ選びは見た目も大事です。
ステージピアノはステージで映えるようにかっこよく設計されているし、自分が気に入ったデザインのMy楽器を所持して演奏することはとても楽しいです。見た目から入るのもありだと思います。

最初は音とタッチ、最終的にはバランスを考えて決める

色々な要素を書きましたが、まとめます。

最初は楽器店に行ってまず色々試弾
色々なメーカーを取り扱っているところが良い
「あっ!これだ」「これは違う」という直感を大事にしつつ
お気に入りの音とタッチを見つける



・スピーカーは内臓かどうか
・持ち運べるかどうか


あとは機能・値段で相談して、どのグレードを買うか決める

性能がいい鍵盤ほど重い、欲しいけど持てない、ということに凄くジレンマを感じる方もいると思いますが、こればかりはどうしようもない問題ですね...。

色んな要素を総合的に考えてバランスを見てどれを買うか判断しましょう。

アンプとは?

電子ピアノを選ぶ基準で「内蔵スピーカーの有無」を書きました。

内蔵スピーカー無しを購入する人は必然的に、内蔵スピーカー有りを購入する人も、後々のことを考えて外部アンプを接続できる選択肢を残しておいたほうがいいです。いざ必要になった時に別の電子ピアノを買うことになるのはもったいないです。

では、アンプとは何なのかということですが、音量を増幅させる機械のこと、すごく簡単に言えばボリュームが調整できる機械のことです。

アンプ単体では音が出ません。CDとかを再生する高級なオーディオ機器で、ボリュームを調整する箱を見たことありませんか?あれのことです。

スピーカーは音が実際に出るあれです。
こういう流れで音が出る仕組みです。

音源の入力(楽器・CDなど)

アンプ(音量を調整)

スピーカー(音を出力)

オーディオ用のアンプはアンプとスピーカーが別々になっていますが、楽器用のアンプはスピーカーと一体化しています。

なのでスピーカーの箱そのものをアンプと呼ぶのです。

これを電子ピアノに接続して音を鳴らすことで、大きな音を出したり、設置する位置を調整して聴こえ方を工夫したり、客席と自分に聴こえるバランスを調整したりできます。また他の楽器とミックスしてバランスをとることもできます。

アンプの選び方

アンプは楽器に応じてたくさん種類があります。
多いのはやはりギターアンプやベースアンプで、楽器の音域に特化したつくりになっています。

電子ピアノは音域が広いので、それらのアンプでは上手く音が鳴りません。
電子ピアノはキーボードアンプを使います。もしくは、汎用性の高いストリートライブ用のアンプもオススメです。(僕はこれを使っています。)

本体が大きければ大きいほど、W(ワット)数が高ければ高いほど大音量が出ます。50WあればOKです。

僕はステージピアノと50Wのアンプを使って過去に100人規模のコンサートを室内外でやりましたが、音量をMAXにしたことはありません。

教室程度の広さなら30Wでもいいかもしれません。
100Wはロックやメタルなどライブハウスでガンガン鳴らすタイプの演奏に使うので、クラシック系の音楽家にはオーバースペックです。
50Wがやはりちょうどいいのではないかと思います。

電子ピアノのケース選び

弦楽器や管楽器の人たちが自分の楽器をケースに入れて持ち運んでいるように、電子ピアノにもケースが存在します。

主に3種類のタイプがあります。
・ソフトケース
布性の生地でできたケースで、単に持ち運ぶことを想定しています。軽い代わりに衝撃には弱いです。61鍵のキーボードなど軽いものに適しています。横にして持つ取っ手がついており、リュックのように背負える2wayタイプもあります。安価です。数千円~1万円。

・セミハードケース
布地のケースでありながら、樹脂のような素材も使いしっかりとした骨格で堅牢です。キャスターがついているタイプもあり、88鍵の重いステージピアノの運搬に向いています。中はクッションがあります。しっかりした分重いです。約3万円~4万円でいいものが買えます。

・ハードケース
トラックとかで業者が運ぶようなケースです。多分重ねて置くことも想定しているのではないでしょうか。僕の持っているピアノの純正ハードケースは約10万円で、ケースだけで20Kgありました。ピアノを入れたら人1人分くらいの重さになるので、素人が使うものではありません。

ということで、普通使うのはソフトケースかセミハードケースです。
僕は61鍵のキーボードはソフトケース、メインの88鍵ステージピアノはセミハードケースを使っています。セミハードケースは12Kgあるので、楽器と合わせて35Kgくらい、正直重くて大変ですが頑張っています。その分堅牢なので安心で、女性が1人で持つには厳しいと思います。ケースとピアノを合わせた重量を計算して運べるかどうか考えてください。丈夫なケースがよくても持てないと意味がないので、その場合はソフトケースにして慎重に運ぶことを選んだほうが安全です。

ケース選びは必ず自分のピアノが入るサイズがどうか確かめてください。同じ88鍵のピアノでもサイズがけっこう違うのと、ケースも色々なサイズがあるので要注意です。

ちなみにケースを使わずにダイレクトに車に積むという運び方をしていた時期もあります。

画像は僕が使っているケースです。
左が88鍵のセミハードケース。
Gator(ゲイター)という楽器ケースのメーカーです。しっかりしていて、キャスター付きで使いやすいです。ワニのロゴ。(アリゲイター)

右はRolandの61鍵シンセサイザーFA-06の純正ソフトケース。リュックのように背負えます。

電子ピアノのコンサートの準備

楽器もアンプもケースも揃ったら、いざコンサートで使いましょう。
準備で特に気を付ける注意点を書きます。

0.準備の心得

準備は、準備しすぎるくらいでちょうどいいです。
なるべく早く済ませることも大事です。
電子ピアノでコンサートをするためにはたくさんの物を用意しなければいけません。
コンサート当日にやっていると体力をかなり使うし神経も使うので、前日に済ませるのがベストです。
演奏で使う体力を少しでも温存しましょう。

1.電源の確保

電子楽器は電気で動きます。
いくら素晴らしい楽器があっても電気がないと動かないのです。

会場に電源があるかどうか、使えるかどうか必ず確かめましょう。
わたしたちは音を届けられなかったら何もできないのです。
必ず確認してください。

それと電源とステージの位置との距離も確認します。
届かなかったら意味がありませんから、延長コードの有無も確認します。
僕は自分で3mと10mの延長ケーブルを必ず持っていきます。

2.ケーブル類の確認・接続について

電源があっても、楽器があっても、ケーブル1本足りなければ音が鳴りません。
楽器とアンプの電源ケーブル、楽器とアンプを繋ぐケーブル、ケーブル類がたくさんあるので、全てしっかり確認して持っていきます。予備があると尚良いです。

大切に長く使うために必ず8の字巻きを覚えましょう。

楽器とアンプを繋ぐケーブルは、「シールド」と呼ばれるものを使います。
音を入出力する重要なケーブルです。

これはRolandの1番高いグレードのゴールドシリーズのシールド。
1本4000円くらいします。
ステレオで接続するには2本必要です。
3mくらいがちょうどいいと思います。
短いとアンプの場所に融通が利かないし、長すぎると邪魔で扱いが大変です。
電子ピアノを買うとシールドがセットになっていることがあります。

2本くっついて1本になっているシールドもあり、手際よく接続できるので僕はこれをよく使っています。

3.備品のチェック

・スタンド
電子ピアノを設置するのに必要です。
スタンドも様々な種類があります。
Xタイプが持ち運びも組み立ても簡単ですが、重いピアノには不安な場合もあります。
しっかりしたものになるほど重く組み立ても大変で高価になります。

・自分に合った椅子
会場にある椅子を適当に使っていたこともありますが、やはり自分に合った高さで演奏できるほうがいいです。

・ペダル
電子ピアノのペダルは独立していて、本体に接続して使うようになっています。これを忘れるとまともに演奏できなくなる恐れがあるので必須です。

使う電子ピアノと同じメーカーが推奨するペダルを使うようにしてください。メーカーが違うと、ペダルの操作が真逆になることがあります。(ペダルを踏んだら音が切れて、離すとペダルが効く)

ペダルを接続する場所は様々な表記があります。
「DAMPER」ダンパーペダル
「SUSTAIN」サスティーンペダル
「HOLD」音を保持する機能
「FOOT PEDAL」複数個ついている場合があり、グランドピアノのような3本ペダル+コントロールペダルを挿せるようになっていることがあります。どれを使うべきなのかは各楽器の説明書を見てください。

・養生テープ
ペダルの種類にもよりますが、演奏中に滑ってずれていくことがあります。それを防ぐために半透明の養生テープがあると便利です。ケーブル類をキレイにまとめてステージの見栄えをよくしたり安全を確保することにも使われます。

・譜面台数本
ステージピアノには楽器本体に譜面台がついてないものがあるので、自立できる譜面台を1~2本置いて使います。

・譜面カバー
譜面台に置いて使う黒い台紙のようなもので、譜面台だけでは楽譜が曲がったり倒れたりしそうで不安定なときに重宝します。見た目もスタイリッシュです。また、ダブルクリップを付けておくと便利です。野外では楽譜が風で飛ばされることがあります。室内でもエアコンの風が強くて飛ばされることがあるので、備えておいたほうがいいです。

・マイク
アンプには楽器だけでなくマイクを接続することもできます。マイクを自分で持っていれば、本番で会場に行った先の使い慣れていないマイクでのトラブルを避ける事ができます。

・カメラと三脚
毎回の演奏を記録するととても役に立つのでなるべく撮るようにしています。電子ピアノを使うときは、ケーブルを繋いで音をピアノから直接録音できるので、高音質で撮れます。

・楽譜
言わずもがな!

・運搬用バッグ
たくさんの備品があるので、自分流のわかりやすい整理術でまとめましょう。運びやすさ、個数、わかりやすさ、自分に合う方法を探しましょう。

4.ステージ設営のシミュレーションをする

始めは設営の手順が大変で頭が疲れるので、あらかじめ確認して、できれば自宅で練習しておくといいです。慣れてくると流れ作業で設営できるので、心の余裕がでてきます。

5.搬入出する

準備ができたら搬入します。
重いピアノ程、大掛かりなセットを組むほど大変ですが、良い音を届けるためにはなるべく妥協したくありません。

・車内に上手く詰め込む
機材が増えれば増えるほど車内がパズルのように上手く積まなければならないです。ここに置く、と決めてルーティンのようにすると楽です。ブレーキを踏んだときの揺れも考慮して、ベストな積み方を考えましょう。

・会場で運搬の手伝いをお願いする
コンサート会場にはたくさんの人がいるので、少しスタッフの手を借りればスピーディに、疲れずに済みます。大きなピアノを持って段差を1人で上り下りはできません。1人ではキツくても大勢なら楽です。事前にメール等で伝えると尚良いです。台車を用意してくれることもあります。

※このとき、大事な楽器をよかれと思って勝手に運ぼうとする人や、楽器に対して雑な扱いをするひともいるので気を付けてください。何かあったとき怖いので、必ず自分の目の届く監督下で、適切な指示をしながら運搬して頂きましょう。

電子ピアノのケーブル接続・電源の入れ方

電子楽器を覚えたてのときはおそらくこれが1番の不安要素だと思います。
でも大丈夫、覚えてしまえば簡単です。
配線は、機材を多く使うほど複雑になりますが、個人で組む程度なら大したことはありません。

・内蔵スピーカーを使う場合(アンプを使わない場合)

電子ピアノ本体だけで完結するセッテイングなので最も簡単です。
1.電子ピアノを設置
(このとき音量を0にしておく)
2.本体に電源ケーブルを挿す
3.コンセントに挿す
4.電源をONにする
5.音量調整

要は電源ケーブル繋いでオンにするだけです。
AC INとかDC INと書いてある場所に挿せばOK
先にコンセントに挿すと通電して危ないので、本体から挿しましょう。

・外部アンプを使う場合

1.電子ピアノとアンプを設置
(このときどちらも音量を0にしておく)
2.両方の本体に電源ケーブルを挿す
3.コンセントに挿す
4.シールドを挿す
5.電子ピアノの電源をON
6.アンプの電源をON
7.音量調整

電源ケーブルとシールドの順番はさほどこだわらなくてもいいと思います。

電源を入れる順番は
電子ピアノ→アンプ

電源を切る順番は
アンプ→電子ピアノ

なので注意。
アンプの電源入れてから電子ピアノの接続をしたり音を入力すると、バチバチ鳴って怖いです。切るときも同じで、アンプがONの状態で電子ピアノを切るとバチバチ怖い。

・シールドの挿し方

これの挿す場所がわからない人が多いです。
電子ピアノ側は、機種によって違いますが、「OUTPUT」「LINE OUT」など「OUT」と書かれていることが多いです。
アンプ側は、反対に「INPUT」「LINE IN」などと書かれている穴です。

電子ピアノから音の信号を出し(OUT)、アンプに入れる(IN)ということ。

また、電子ピアノとアンプ両方に「R L / MONO」と書いてあります。

モノラル接続の場合は「L / MONO」に1本接続。

ステレオ接続の場合は「R」と「L / MONO」の2本接続

ステレオ接続は、電子ピアノの「R」に挿したケーブルをアンプの「R」に、

電子ピアノの「L / MONO」に挿したケーブルを「L / MONO」に挿します。

↑電子ピアノ側(この場合SUB OUTではなくUNBALANCEDを使います)

↑アンプ側(複数の楽器に対応しているアンプの場合はピアノに適しているINPUTかどうか確認します。)

使用楽器紹介

一通り解説できたかと思うので、僕が実際にコンサートで使用している機材たちを紹介します。

電子ピアノ類に関してはほぼ全てRolandを愛用しています。
楽器店で試弾したときに圧倒的に音色が好きだったのが決め手です。
スタイリッシュでクールなヴィジュアルとロゴも気に入っています。

・ステージピアノ Roland RD-2000

メインで使っているステージピアノです。
RDシリーズという長年多くのアーティストに愛されているピアノの最新版で、Rolandのステージピアノのフラッグシップモデル。
音や機能が素晴らしく、ヴィジュアルも最高にかっこいい愛用機。

・プロ用モデル
・ステージライブ向け
・88鍵
・木と樹脂のハイブリッド鍵盤
・グランドピアノタッチ
・音色1100種類以上
・約22Kg(従来のRDより軽量化)
・外部アンプ必須
・26万円

ちなみに僕はAmazonで、ピアノ本体・スタンド・3本ペダル・シールド2本、ヘッドフォンが全てセットになって定価と同じというお得なセットを買いました。これから下に出てくる備品の多くがこのセットに含まれます。

・シンセサイザー FA-06B

61鍵のワークステーション・シンセサイザー
更なる可能性を見据えてシンセに手を出しました。
同じモデルで76鍵、88鍵もあるのですが、RD-2000と区別して軽量で背負って運べるサイズが欲しくなり購入しました。
FA-06の数量限定オールブラック鍵盤モデルです。
ヴィジュアルかっこいい。

シンセサイザーっていうのは超ザックリ言うと凄い色々できる電子ピアノです。超ザックリ。正直まだ詳しくないので使いこなすのはこれからです。

・プロ用モデル
・楽曲製作やライブ向け
・61鍵
・キーボードタイプ
・音色数約2500種類
・5.7kg
・可搬性に優れる
・外部アンプ必須
・13万円

2019年12月1日に販売開始ということで、島村楽器に事前に予約して手に入れました。純正ケースとゴールドシリーズのシールド2本、ダンパーペダルDP-10がセットになっていました。

・アンプ Roland CUBE Street EX

ストリートライブを想定された50Wのアンプです。

アンプ選びは最初どのアンプがいいのかサッパリわからなかったのもありかなり迷い時間がかかりました。

RolandにはKCシリーズというキーボードアンプが6サイズで展開されているのですが、調べていくうちに汎用性の高いアンプの方が便利だとわかり、ピアノもギターもマイクも音源もこれ1つで再生できるこのアンプにしました。肩から掛けれるバッグがついており、バッグに入れたまま使用できる設計になっています。

2つ買えば繋ぐこともでき、スタンドを買えば高さを調整して使うこともできます。これにピアノとマイクを繋げば1人でMCコンサートができます。r路上ライブを想定しているので電池駆動もできます。もちろん室内でも使用可。

Amazonの路上ライブ・キャリーカートセットという、定価で本体・純正バッグ・マイク・マイクケーブル・キャリーカートがついてくるお得なセットを購入しました。

・キーボードスタンド Roland KS-G8B

88鍵盤用の頑丈なスタンド。約3万円。
コの字型で、キーボードを載せるところよりも足元の方が大きなコの字になっているので安定していて、倒れることがないです。あと足元のフレームのおかげでペダルが滑って遠くに行くことがありません。X型のスタンドだとその心配があります。このスタンドはとにかく安心です。

折りたたむことでコンパクトの持ち運べるけど、組み立てには慣れが必要で重さもあります。

フラットに畳めます。

・ペダル Roland DP-10 / RPU-3

ダンパーペダルのDP-10(画像左)は足元にゴム板があり、そのゴム板に足を載せながらペダルを使うことでペダルが演奏中にどんどんズレて離れて行ってしまうのを防げます。約4000円。

3本ペダルのRPU-3は、グランドピアノと同じような3本ペダルを電子ピアノでも実現できる。機種によっては本体側が対応していないので要確認。約13000円。

家庭用キーボードの付属品で四角いスイッチのようなペダルがよくありますがオススメしません。ON-OFFの切り替え程度の演奏しかできない上に床をよく滑ります。

・シールド Roland Black / Gold Series

ゴールドシリーズの方が高級ですが、使い勝手のいいブラックシリーズの2本が一体化しているシールドを主に多様しています。
1本4000円くらいです。

・椅子 ULTIMATE

頂きものの椅子を使っています。
中に空気が入っていて座るとフワッとして疲れにくいのがいいところです。
両サイドが肩あがりになっていて、体重を横に載せると椅子自体が傾いてしまいがちなので、フラットな座面の椅子の購入を検討中。

・譜面台&譜面カバー

ごく一般的的な譜面台を2台使っています。
1つはアマゾンで1500円くらい、もう1つはハードオフで300円で買いました。

これは譜面カバーで、楽譜の台紙的な役割をします。これはフラップがついているので楽譜を挟み込むことができます。
ダブルクリップをつけて簡単に挟み方法もあります。
エアコンの風や、野外の風など、楽譜が飛ばされそうなときに使います。
Amazonで1000円くらいでした。類似品たくさんあります。

・タブレット 電子スコア/音源

タブレットはAmazonのFire HD10(Fireタブレットで最大のサイズ)を、楽譜はPDFをビューアで表示してシンプルに使っています。
かさばらないし、本番ごとにセットリストを作れるので便利です。

また、アンプに挿して音源を再生して使うこともあります。

10インチタブレットの中では破格の15000円でコスパ最強です。Amazonのプライム会員でよくAmazonを利用する人にオススメです。セールで10000円くらいになることもあり、そのときに買いました。

・マイク CUSTOMTRY CM-2000

アンプを買ったときにセットでついていたのをそのまま使っています。1500円くらいの安いマイクですが、MC用には十分使えて便利です。
当日の会場にマイクがない場合でも対応できるし、自分のマイクならトラブルを起こす心配も減ります。会場の慣れてないワイヤレスマイクよりも安心です。有線マイクはアンプに挿してスイッチを入れるだけで簡単に使えます。マイクスタンドがないので購入予定です。

・ビデオカメラ ZOOM Q8

音質のいい映像を記録するために買ったカメラです。ミュージシャン向けに開発されていて、音がよく録れるうえに安価なカメラとして人気です。Qシリーズで最上位モデルのQ8ですが、35000円くらいなのでビデオカメラとしては安いと思います。三脚は家にあったVelbonの三脚を拝借しています。

・運搬用ボストンバッグ

ペダル、ケーブル類、譜面台、三脚などの備品を全てこのボストンバッグ2つに詰め込んで持ち運んでいます。ボストンバッグは譜面台を入れるのにぴったりな長さです。車に積むときに座りがよく安定しているのもいいところ。

黒いアディダスは小学校の修学旅行用の、緑のはドン・キホーテで700円で買いました。

・運搬用キーボードケース

左はGATOR(ゲイター)のGX-88 SLXL
88鍵用のセミハードタイプでキャスター付き。キャスターがないと運べない重さなので助かります。ちなみにケースだけで12kgあるので楽器と合わせて35kgくらいになります。重いけれど丈夫でクッショ性もあるセミハードケースなので安心して運べます。
35000円と高価ですが、管楽器や弦楽器のケースと比べればかなり安いです。

収納するとこんな感じ。中はクッションで覆われていてマジックテープで固定できるバンドがついています。蓋はジッパーでグルッと閉めます。ジッパーに鍵を付けれるようになっています。裏側にはカードポケットがついているので名札代わりに名刺を入れています。

右はRolandのFA-06(61鍵)用の純正ソフトケース。手持ちでも背負ってリュックのようにも運べる2way。楽器本体が小柄で軽量の6kgなので、ソフトケースで大丈夫だと思いました。7000円くらいだと思いますが楽器に付属していました。これを固定用バンドが中についています。

・実際にステージを組むと…

紹介したものを使ってステージを組むとこのようになります。

譜面台はこのように置きます。
長い楽譜を使うときは2台並べます。
Rolandのロゴが好きなので見える高さにしています。

実際の現場の設営はこんな感じです。

クラシックのピアニストでこの規模のステージを1人で組む人はかなりレアだと思います。

・その他の所有ピアノ

紹介したもの以外にも電子ピアノを持っています。
全ていただきもの。

Roland A-90
名器といわれる30年前のマスターキーボード。内部の鍵盤のハンマーの劣化が激しく、鍵盤が沈んだまま戻ってこない状態になりました。これを機に修理する技を身につけたのですが、直しても一時的なものにしかならず、なんとかソロライブで1回使用したきり本番から引退しました。その後RD-2000を購入してメイン機にしています。

その修理の様子はnote記事、YouTubeに動画でまとめています。
もしよければこちらからご覧ください。

CASIO privia px-500L
88鍵の家庭用モデルで、内蔵スピーカーつき。譜面台つき。
搬入量が少ないので簡単な設営にしたいときや、メインのRolandのピアノを持っていくのには危ないとき(子どもたちとかなり近い距離に置く場合で、イタズラされたくないときとか)に使う予備機のような存在です。

CASIO LK-218
光ナビゲーションキーボード
初心者向けの61鍵キーボードです。
本番で使うことはありません。たまに遊びます。
CASIOのキーボードのいいところは安価なモデルでも数百種類の音色と豊富なリズムパターンや楽曲収録がされているところ。コスパが凄くいいです。

オススメの電子ピアノ

最も詳しいのはやはりRolandなので知識が偏りますが、最近出ている電子ピアノの中からオススメを紹介します。

・ステージピアノ

Roland RD-2000
2017年3月発売
25万円
僕の愛用ピアノです。
グランドピアノタッチで何より音色がとてもよく、1100種類の音色で機能も素晴らしいです。デザインもかっこいい。長年多くのキーボーディストが愛用してきたRDシリーズの最新フラッグシップモデル。操作性もよくてライブ演奏に特化したピアノです。

YAMAHA CP-88
2019年3月発売
26万円
もしかしたらクラシックピアニストが最も好む電子ピアノかもしれません。音色がかなり少ない分、徹底的にこだわりぬいた音色で、かなりグランドピアノを弾いている感覚に近いクオリティです。本物感が凄い。今回のために全ての音をサンプリングし直したらしいです。RD-2000を買うときに、Roland一択と決めていた僕がこれを知ってしまい迷うことになりました。僕の場合は機能面でたくさんの音色や機能を備えたピアノが欲しかったのでRDにしましたが、主にピアノの音色が使いたいという人には本当にオススメ。

・ポータブルピアノ

Roland FPシリーズ
ステージで演奏もできるし家庭向けでもあるFPシリーズはコンパクトで可搬性に優れた88鍵のモデルで、内蔵スピーカー付き。音はやはりRolandの素晴らしい音です。電子楽器に慣れてないならこのモデルをオススメします。
FP90 約18万円
FP60 約13万円
FP30 約8万円
FP10 約6万円
と4つのグレードがあります。
グレードに応じて音質や機能などが大きく変わります。
グレードが上がるにつれ重量も上がります。
目的に応じて選んでください。

・YAMAHA Pシリーズ
クラシック界隈で最も定番的に人気があるのはこれではないかと思います。
よく使っている人を見かけます。生産完了品も含めるとたくさんのモデルが世に出回っています。
最新の88鍵モデルは
P-515 約13万円
P-125 約5万円
P-45 約4万円
の3種類のグレードがあり、目的に合わせて選んでください。

CASIO Priviaシリーズ
これもよく見かけますが、CASIOの電子ピアノは感覚的には家庭モデル系だと思っています。安価で扱いやすい、親しみやすいピアノが多いです。
注目は昨年発表されたPX-S1000で、世界最小の電子ピアノとして話題です。今までのPriviaとは違ったスタイリッシュさでかっこいいです。

他に代表的な電子ピアノメーカーといえばKORG、nord、Studiologicなどがありますが、どちらかというとシンセサイザーで有名なメーカーではないかと思います。楽器屋さんで見かけたら是非これらも弾いてみてください。KAWAIのステージピアノも良いのですが、展示している店舗がかなりレアなのでなかなか入手しづらいです。KAWAIは家庭用の据え置き電子ピアノが優れています。

楽器購入するときの楽器店での試弾は、とことん納得するまで弾いて悩むと良いと思います。高額な買い物ですし本番で使う重要なものなので、自分のベストパートナーが見つかるまで探しましょう。僕は買うまでかなり楽器店に通いました。

電子ピアノ小話

実際に経験したちょっと笑えるハプニングエピソードを紹介します。

「電源ケーブルがない」
ある重要な本番でピアノのセッテイングをしていたとき、アンプの電源ケーブルが見つからず大騒動しました。バッグをくまなく探しても、車の中に戻っても探してもない。これでは音が鳴らない。会場に戻る道すがら、「もう一度探してなかったらアンプを急遽もう1つ買うしかない」と覚悟していました。ところが戻って電子ピアノのケースのポケットを見てみたらバッチリ入っていました。本当にヒヤヒヤしたので、この日の経験からケーブルの確チェックはより厳しく、いつも同じ場所にしまうようにしています。

「時間がない」
ある本番の日、高速道路が渋滞していて会場への到着が40分も遅れてしましました。他の楽器と共演するステージだったのですが、最もセッティングに時間のかかる僕が遅れたことでリハを大幅に待たせてしまい、急いでセッテイングしてリハーサルを予定より短めにして、お昼をまともに食べる時間もなく本番を迎えました。やむを得ないハプニングではありますが、非常にドタバタしてしまい息つく間もない状態での本番は大変でした。会場入り時間は余裕を持ちたいものです。セッティング時間を多めにとって、1時間かかる予定で計算して会場入り時間を決めています。

「手伝ってくれる人がいない」
共演者がいたとしても、電子ピアノの設営方法がわかるとは限りません。もちろん1人でやる前提で心構えしていますが、もしわかる人がいれば時短になったり疲労を抑えられるなと思うことがあります。

「勝手に楽器を運ぶ人がいる」
逆によかれと思って勝手に運ぼうとする人がいます。大事なものなので扱いに気を付けているので、一言かけるか指示を待ってほしいです。あと、楽器を悪気無く跨ぐ人が割といます。跨がれないような場所に素早く置くか、事前に伝えるか、上手い方法を模索中です。

「撤収ができず帰れない」
あるイベントのオープニングとしてコンサートをした後、ステージ上でイベントが終わるまで楽器の撤収ができず、数時間ずっと待つことになりました。30分程度演奏だったのに1日がかりの仕事になってしまいました。

「こんなに搬入量多いピアニスト見たことない」
搬入量の多い打楽器の人と共演したときに言われました。僕くらいの大掛かりなセットを組むピアニストは珍しいみたいです。「自分より大掛かりな人を見ていい気味」と冗談で笑われました。特に夏場は汗だくで、搬入出だけで体力の消費が凄いです。大変でも音にこだわりたいので頑張っています。

「ドラマーが先に片づけ終わる」
バンド編成で演奏したときに、ドラムの方が搬入出が大変だろうと思っていたらそうでもないのか、セッティングも片付けも僕より早く終わって帰ってしまいました。手際の良さもあるのかもしれませんが、我ながら衝撃でした。

最後に

電子ピアノと上手く付き合っていくと本当に楽しくて可能性の幅も広がります。
なんとこの記事、気づけば丸2日がかりで2万字になっていました。修士論文並みです。
自分の今の電子ピアノ愛を全てをつぎ込んだ完全保存版。
(と言いつつ後からまた色々出てくると思いますが)
是非ブックマークしてご活用ください。
追加情報があれば加筆していく予定です。

質問や追加情報の希望などあればコメントにお願いします。

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一宮市出身のピアニスト。「アートの力で心にプラスの変化を」 クラシック・アートコラボ・即興演奏・アウトリーチ パリコレアーティストのファッションショーBGM、0歳からの絵本コンサート、TV生出演など 公式サイト→https://pianoyuya.jimdo.com/