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データで振り返るM-1 2021

錦鯉の優勝で幕を下ろした今年のM-1グランプリでしたが、例年になく感動的な大会でございました。

「漫才か漫才じゃないか論が再び勃発するのではないか」と言った心配をよそに、ハライチの敗者コメントの爽やかさや、最高齢優勝など、記録にも記憶にも残る素晴らしい大会になったのではないかと思います。

そんな今年のM-1グランプリを、データで振り返ってみようと思います。データ的に今年のM-1はどうだったのかを、紹介していきたいと思います。

1.最高齢優勝記録更新

どれだけ世間で話題になっていても、この記録を差し置いて記事は進められません。過去を振り返っても、この記録は本当にすごい記録なんですよ。

というのもこれまでのM-1の最年長記録というのは、とろサーモンの2人が優勝した時の38歳でございました。

縛りが結成10年から15年に延長されてから、優勝者の平均年齢としても20代後半から30代中盤へと移り変わっていきましたが、それでもアンダー40が最高齢だったんですね。これが一気に10以上押しあがったのです。

そもそも、錦鯉のツッコミ渡辺さんの時点で43歳記録を更新しているんですね。そこから長谷川さんは7つ離れていますから、50歳での優勝となった訳です。

ここまで夢を追いかけ、あきらめず、ひたむきに芸に取り組んだ結果は、感動と記録を残す過去類を見ないものになった訳でございます。

2.中川家を除いたトップバッター過去最高点

第一回の大会でトップバッターだった中川家が優勝していますが、第一回のM-1点数としてイレギュラーだったことはあまり知られていません。

実は第一回大会は、M-1で唯一視聴者枠があった大会でございました。他者を圧倒した優勝という意味では異論はありませんが、点数という意味では単純に比較はできないものとなっています。

そんな第一回大会を除き、審査員が7人の大会である過去14回の大会を比較した時、今回のモグライダーは、トップバッターの過去最高点635点を叩き出しています。

これまでの最高は、ナイツの634点です。しかもトップバッターから2位になった笑い飯ですら、633点でございました。基準点となることもあって点数がつきにくい順番の中で、最高得点を出したモグライダーの凄さはデータでも証明されております。

3.決勝最下位の点数が過去最高点

決勝で最下位になったランジャタイですが、最下位の最高点という意味では記録を残しております。

審査員が7人ではなかった、2015年と2016年を除くと、これまでの最下位最高点の記録は去年の東京ホテイソン617点が記録でした。それを11点上回る628点で最下位だった事で、最下位最高点という記録を作っております。

そして特筆すべきはこの後紹介する、最高点と最低点の差でございます。最下位最高点と1位との差を見ると、この大会がどんな大会だったかが、データで見て取れると思います。

4.最高と最低の点差が最も少ない大会

先程最下位がランジャタイの628点だったことをご紹介しました。その得点と、1位通過したオズワルドの点数が、これまでのM-1史上1番少ない大会となっております。

オズワルドの点数が665点だった為、今回の差は37点。これまでの記録は去年の41点でしたので、さらに上位と下位の差が少ない大会になったといえます。

先程の最下位最高点この記録は、去年に続いての連続更新となりますが、波乱の去年と比べ感動的な大会だった今年は、より接戦出場者全員がウケるレベルの高い大会だったことがこの記録から見て取れるのです。


有利不利の分析的な出番順や、ネタの構成・設定の優位性は置いておいて、データで見てもほんの少しの差で勝ち負けが決まった、シビアな大会だったことが見て取れます。

毎回ドラマが生まれるM-1でございますが、まだご覧になられていない方も、ぜひこの機会見ていただきたいと思う今日この頃でございます。

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