NO.4 ジュニア選手のラケットのチョイス
こんにちは。
今日はラケットのチョイスについて。
特にジュニア選手に気を付けてほしい点について僕の意見を書いていこうと思います。
道具の中で、ラケットは特に選択肢が多いものですよね。
飛び、スピン、硬さ、面の安定性など…
いろいろな特徴を持った製品の中から自分にフィットしたものを選ぶということはかなり難しいと思います。
自分の道具でも選ぶのが難しいのに、それがお子様の道具となると、更に難しいと思います。
感覚というものは自分にしかわからないものなので…
今回は、私の経験から、ジュニア時代に気を付けてほしい道具選びの際の注意点をいくつか紹介します。
ジュニア選手はもちろん、ジュニア選手の親御様も必見です!
もちろん、一般のプレーヤーの皆さんも参考になると思いますよ!
①1レッスンのパフォーマンスで判断するのは危険!
ラケットの変更をするときに、ほとんどの人が試打をすると思います。
その時、ジュニア選手だと、レッスンで使用する姿を親御さんが観察して、いいショットを打てているか判断して「このラケット良いね!」となる人も多いと思います。
しかしこの決め方には問題点があります。
それは時間と強度の問題です。
ジュニアレッスンは、よほど選手コースとかでなければ、1時間半~2時間くらいのテニスクラブが多いのではないでしょうか。
それに対してジュニアの大会は、勝ち進めば8ゲームプロセットを1日に4試合・5試合ほどこなすスケジュールを組まれていることがよくあります。
そうすると、1試合45分程度かかるとして、4試合で3時間、5試合で3時間45分ほど1面で試合の緊張感の中プレーすることになります。
レッスンではやはり少なくても1面4人から6人程度の人数を想定されたメニューを想定されるテニスクラブが多いと思います。
コート面数も限られますし、これは仕方のないことだと思います。
1面に4人入ってしまうレッスンと、常に1人でプレーしなければいけない試合では、運動強度も違ってきます。(コーチの皆さんも様々な工夫でこの問題を解決しようと思っているとは思いますが…)
さらに、トーナメントを勝ち上がっていくということは、対戦する選手のレベルもどんどん上がっていきます。
厳しい戦いが予想される後半にも、ベストに近いパフォーマンスを出せるラケットでないと勝ち上がっていけないのです。
それを、1面4人で1時間半のレッスンで判断してしまうのはちょっと違いますよね。
もちろん普段のショットのクオリティを見極めるのも大事ですが、そのパフォーマンスがいつまで続くかもしっかり見極める必要もあります。
個人的には、短くても2~3時間、願わくば午前午後2時間ずつ程コートを取って、仲間と3セットのマッチ練習や、強度の高い1面での練習をして判断するべきだと思います。
半面ではいい球が打てても、全面で大きく走るとサポートが足りないラケットとかもあります。
ラケット選びも大会を意識して、試合後半など、きついときのパフォーマンスも頭に入れてラケットをチョイスしてみてはどうでしょうか。
②真ん中での100%のショットが入るか入らないかで決めてはいけない!
「このラケットは飛びすぎるからなー」と、飛ぶラケットを敬遠するセリフを耳にすることはありませんか?
その感覚、どんなショットを打っている時の感覚ですか?ということです。
試打をするとき、真ん中ラリーなどを中心に打つ人が多いと思いますが、試合に出る人のラケット選びと考えたときに、真ん中でのショットだけで判断するのは良くないと思います。
試合の中で、左右に振られることや、厳しい体勢でショットを打つことは避けて通れません。
ということは真ん中で簡単なショットの感覚でラケットを決めるより、厳しい体勢になったときに、いかにサポートしてくれるかも判断材料に加えるべきだと思います。
厳しいときにしっかりボールが深く入ってくれる、というのも自分を助けてくれる要素のひとつだと思います。
もちろん、これらもひとつの判断材料というだけなので、打感が気持ちいいとか、スピンがかかる、デザインがかっこいいなど、いろいろな面で吟味して、自分が一番満足できるラケットを見つけてほしいなと思います。
そして、最後に3つ目です。
③メーカーにこだわるな。
ご存じの通り、ラケットメーカーはたくさんあります。
そして、各メーカーが毎年のように新しいテクノロジーを開発して、新ラケットやモデルチェンジしたラケットを出してきています。同じラケットでもモデルチェンジをすると、打感1つ取っても、柔らかくなったり硬くなったり、いろいろな変化があります。
今使っているモデルの後継モデルが自分にフィットしているかどうかはわからないのです。
ラケットを変えるときは、是非いろいろなメーカーのラケットを試打してみてください。
もし試打した結果、元々のメーカーに落ち着いてもそのメーカーへの信頼や愛が更に深まって、いいと思います。
私自身、高校2年生からウィルソン一筋なのですが、ウィルソン内では毎年のようにラケットチェンジをしてきました。
その際、ほとんど毎回、他メーカーのラケットも候補に入れ、試打をしています。
いろいろなメーカーの様々なモデルをテストした結果、ウィルソンのラケットを戦う武器として選んだ。という感じなのです。
僕自身、結果が求められるシビアな世界にいるので、自分の道具にもプレーにおいて最大限のサポートをしてもらいたいと考えています。
今現在、僕はウィルソン様にサポートしていただいておりますが、それは今自分に1番必要なラケットのメーカーにたまたまご縁があってサポートしていただいているのです。
ご縁があったメーカーの中で一番使いやすいラケットを使っているわけではありません。
ジュニア選手にも、所属クラブとの関わりが深いメーカーと契約を結べるパターンもあります。
親御さんからしたら、道具にかかる費用が軽減されますし、ジュニア選手からしてもストリングに入るかっこいいロゴを想像するとすぐにでも飛びつきたくなり、そのメーカーでの良いラケットを使おう、と考えてしまう人もいると思います。
しかしそこは一度しっかり考えて、自分に1番フィットするラケットを探す作業をしてみてはいかがでしょうか?
自分に合うラケットで一つでも多く勝ち進めば、その合うラケットのメーカーがあなたに目をつけてくれるかもしれませんよ。
ジュニアの選手人生は長いようであっという間です。
あの時の1勝・1敗が人生を変えた、と気づくのは恐らく試合が終わってずいぶん時間が経った後だと思います。
その1勝を手にするためにも、練習を一生懸命やるのは当たり前として、自分の道具にも100%の信頼を持つため、後悔しないように選びましょう。
自分の相棒なのですから。
以上3点が、私の思うラケット選びの際に気を付けるポイントです。
実際私もこの3点は非常に気を付けています。
まあ、毎度のごとく、これは「私はこう思う」といった意見です。
好きな選手が使っているから・〇〇社が契約してくれるからなどなど…
どんなラケット選びをしてもいいと思います。
あくまで参考になればなと思い、書かせていただきました。
ご覧いただきありがとうございました。
乾祐一郎
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