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Huuuuを退職しました。お世話になりました。

年末年始のこの時期ですが、自分のなかでも節目になることが昨年あったので報告します。

2022年から社員として所属していた、株式会社Huuuuを退職しました。

Huuuuのみんなには、本当にお世話になりました。フリーランスの頃から数えると、もう4年間くらい一緒に仕事をしてきました。業務委託として引き続き一緒にやらせてもらう仕事もありつつ、関係性は変わります。

お久しぶりですいぬいです。ここ1〜2年で体重が10キロくらい増えました。三十にして飯が美味いです


自分は独立して、フリーランスの編集者・ライターとして活動します。

今後のことは、こちらのnoteに書きました。

ここでは、これまでのことを少しだけ振り返っていきます。


編集者として、Huuuuで経験したこと

思えばフリーランス時代から、Huuuuを通してたくさんの地域に行き、たくさんの経験をしました。編集者・ライターとしても、仕事の幅を広げてもらった数年間でした。

自分なりの感謝のつもりで、経験したことを振り返ります。


多くの地域と出会った雑誌『TURNS』の仕事

学生時代に雑誌の編集者に憧れてこの仕事をはじめ、編集者になってから「自分の暮らす土地を決めて、活動する人々」への憧れを抱いた自分にとって、地域の営みを深掘りする『TURNS』という雑誌に関われたことは感慨深いことでした。

地域課題に向き合う人々や、自分なりの生活の美意識を追求するなかで住む土地を決めた人々と出会うことができた。何より、“土地と共にある数十年の時間軸”のなかで行動を起こす人たちに出会えたことで、今までの自分の中には無かった考えを与えてもらいました。大きな影響を受けていて、自分自身を問い続けること、という姿勢に触れた気がします。


社会と興味をつなぐ取材をした『Yahoo! JAPAN SDGs』/『ジモコロ』

社会にある課題や、地域をよりよくするためのハードルに向き合っている人を取材する機会が多くありました。

深堀りしはじめたらあれもこれも繋がっていて、到底簡単な話ではない……と感じられた。社会に自分の居場所をつくるために、不条理を見ておかしいと感じるために、大切な話だと思った。

ただ、それを誰かの生活の途中(電車に揺られている時間や、バスを待って並んでいる時間、時間をつくって勉強する夜、友人の遅刻を待つ時間とか)に読んでもらうためには、自分達の日常と繋がっているような切り口や話し方を考えないといけない。

少しでも、「これは自分の身近にもある話だ」と思ってもらえるように、言葉を選んできました。

社会と自分達との接点について考えることが、ここでの編集の仕事でした。


……と言いつつ、純粋に自分の興味があることを取材させてもらうこともあって。有り難い環境でした。


情報ではなく、経験を通してテーマを深掘りした『リアほマガジン』

保険について考えるメディア『リアほマガジン』で編集を担当させてもらいました。

「保険」という1つのテーマに向き合うために、さまざまな方にお話を聞いた。個々人の経験談と思考の過程を聞いていくことで、制度や仕組みだけではない「リスクを取るための準備/リスクを減らすための先回りとしての“保険”」について考える。情報収集や歴史の深掘りではない形で、ひとつのテーマの輪郭を増やそうとする編集の過程はとても面白いものでした。

こちらのリンクからHuuuuチーム制作の記事を一覧して読むことができるので、ぜひ読んでみてください。


書きたいことがある人に寄り添う、エッセイの編集『SUUMOタウン』

書きたいことがある人に寄り添い、エッセイの編集に伴走するという経験もしました。

より個人的な、誰かにとっての「街と自分」を深堀りするお手伝い。

取材をして原稿を書けてはじめて編集者だと言える、と教わってきた自分にとっては少し先の目標だと思っていた「誰かの文章を編集すること」。でも、自分には意外と、こういう編集も向いているのかもと思えました

学生時代からお世話になっていた街のエッセイを、地元の先輩に書いてもらえたこともよかった。清荒神という街の人たちへの恩返しはまだまだ出来ていなくて、独立して1年の間に、ちゃんと動かないといけない、と思っています。


本を売ること

フリーランス時代に声をかけてもらい、制作した黒磯本を売ることも、仕事のうちでした。
独立系の個人書店や、置いてくれそうなお店に会いに行って、本の取り扱いをお願いしたり、イベントに出店したり。この活動は、黒磯本の著者としても、これからも続けていきます。


イベントの運営

先輩方のご協力を得て、本にまつわるイベントも開催しました。

Huuuuの出版レーベル『風旅出版』でお世話になっている藤原印刷さんと一緒に、たとえ小ロットでもこだわりや信念を感じることのできる本づくり「クラフトプレス」について考えたイベントでした。


遠くの土地で、人と出会うこと

自分のなかで一番大きかった変化といえば、“遠くの土地へ移動すること”へのハードルが驚くほど下がったことでした。

経済的な理由や時間の制限があっていけないことはあれど、「会いにいきたい人がいたら、1つ2つ用事をくっつけて会いにいく」みたいなことが、自然な選択肢として心に浮かぶようになりました。学生時代にも、大阪で飲み歩いていた新卒のころにも、考えられなかったことでした。

こんな気持ちになれたのは、再会を大事にする人たちを間近で見続けたからだと思います。大事な人に会いにいくし、会いにきてくれる人たちがいる。物理的な距離を飛び越えて「またどっかのタイミングで会うでしょ」と純粋に信じられる関係性は、傍で見ていてとても気持ちがよくて、自分がどういう人間でありたいか、の答えをひとつもらえた気がした。

さまざまな人と出会い、関わることができた。感謝しかありません。


本をつくること

そして何より、Huuuuは、いまの自分の代表作『A GUIDE to KUROISO 栃木県、黒磯。あたりまえに未来が生まれるまち』(黒磯本)をつくらせてくれました。ただ鼻息荒く「街が好き、店が好き」と話しているだけの若者だった僕に主筆という役割を与え、“作品を持っているライター“にしてくれた。あの一冊の本を作ったことが、どれほどいまの自分の自信につながっているか知れません。


Huuuuで学んだ一番大きなことは、「編集者は黒子ではいられない」ということでした。関わる相手にとっての役割がある人であろうとすること、関わった人に少しでも良いことが起こるようにと動くこと。

編集業務や執筆をする人、取材をする人、という以前に「どういう人間なのか」を無視できないと心から思うようになりました。自分の目指す人間になりたい。


これからやりたい仕事について

仕事について、取材について、考えていることがあります。自分が本当にやりたい取材や編集って何だろうと考えるなかで、「ここにヒントがある」と思った言葉があって、そのことを文章にまとめました。

よかったら、こちらも併せて読んでみてください。


代表の柿次郎さんとも話をして、自分自身のキャリアと今後を考えるためにも退職し、独立することに決まりました。

退職noteを書いて、メリハリをつけなきゃな……と思ったものの、何をどう伝えればいいのか、自分のなかの自然な答えが見つけられずにいた。

せめて会社に所属していた間にお世話になっていた人たちに、「おかげで本当にいい経験ができました」ということを伝えられたらと思いました。この文章を書けてよかった。お世話になった人全員には連絡できていません。すみません。また会いに行って色々報告します。


今後とも、よろしくお願いします。いろんな土地の酒場や町にいて、人の話を聞いているはずなので、会えたときにいろんなおしゃべりをしましょう。


スタンドイン中に笑ってしまったときの写真。何を話していたかは覚えていない(撮影:金本凜太朗)


追伸.
お仕事も募集中です!記事づくりだけじゃない、「話を聞くこと」「文章にすること」「編集すること」の周りにある物事にチャレンジできればと思います。気軽に連絡ください。

元Twitter(現X):@inuiiii_
mail:h.ini0816@gmail.com

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