『高校数学のロードマップ』A_1(集合編)1『集合』

(※注:「理系に進学したいが数学が苦手な知人の高校生に、数学の良さを教える」というミッションのための草稿を、あらかじめWebに掲載して、ダメなところを指摘してもらおう、という趣旨の記事です)

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〇集合

●集まりを扱うジャンル・集合論

・きわめて大雑把に言うと、集合論(しゅうごうろん)とは、箱のようにイメージされる何かの集まり、集合(しゅうごう)や、箱の中身のようにイメージされる何か、元(げん)(要素(ようそ)とも呼ぶ)等を扱うジャンルです。

●素朴集合論でほとんどあらゆる数学が作れる

「そんな集合が数学とどう関係あるのかさっぱりわからない」と誰しもまずは思うところですが、実は、高校数学でやる、一番簡単な集合のジャンル(素朴集合論(そぼくしゅうごうろん))は、他の数学などの仕組みを説明できる万能の道具の一つです。
(これよりも重要な道具がいくつかありますが、大学でやることなので、ここでは説明しません。
「せめてどんなのがあるかだけでも教えて欲しい」という場合に限り、参考編を読むことを勧めます。)(※注:高校数学の範囲を逸脱した内容については、詳しく説明した別紙『B(参考編)』を参照してもらう予定)
・例えば、今まで数学と言えば数か、もしくは(空間の一種である)図形の学問でしたが、実は、高校数学では、集合から数(正確には自然数)を、数(自然数)から空間(正確には線)を、空間(線)から関数(正確には関数のグラフ)を、関数(関数のグラフ)から積分を、積分から確率を、そして確率からなんと物理学を作ることができます。実はそういう並びだったんですね。この教材でもそのような考え方に基づいて説明していきます。

I.集合→II.数→III.空間→IV.関数→V.積分→VI.確率→物理学

●素朴集合論の主な登場人物

・箱みたいなもの(集合(しゅうごう)-A, B)
・箱の中身みたいなもの(元(げん)・要素(ようそ)-a, b)

●素朴集合論のその他の登場人物

・空箱みたいなもの(空集合(くうしゅうごう))
・箱みたいなものの入っているマトリョーシカ箱みたいなもの(数(すう))

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