『高校数学のロードマップ』B_3(参考編_空間編)1(位相多様体)1(空間と図形の区別)
(※注:「理系に進学したいが数学が苦手な知人の高校生に、数学の良さを教える」というミッションのための草稿を、あらかじめWebに掲載して、ダメなところを指摘してもらおう、という趣旨の記事です)
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〇位相多様体
●面や3次元空間等があれば「大雑把な図形」が描ける
★空間と図形の区別
・空間と図形の区別は、直感的につきづらいですが、実は説明があります。
・図形というのはいろいろあり、一番雑な(細かい形を無視する)分類の場合でも、穴のない風船とか穴のある浮き輪の面とか、直感的には穴の数によって区別される、大雑把な分類があります。(もちろん他にも分類の方法がありますが、穴の数は非常によく使われている分類です。)
・この「大雑把な図形」、正式には位相多様体の分類を正確に行う方法としては、輪ゴムがあります。
・輪ゴムは、位相空間の一種である線をつなげて作った、やはり位相空間の一種です。(厳密にはループと呼びます。)
・奇妙な話ですが、「「大雑把な図形」の上に、輪ゴムで切り取り線を引いて、割り切って、1枚の面にするためには、輪ゴムが何個要るか」という、「「大雑把な図形」の割り算」という発想があり得ます。(数ではないものでも、演算能力があれば、演算は成り立つということです。しかし、慣れないとやはりちょっとぎょっとしますね。)
例えばこれで、「風船は輪ゴム1つ分で割り切れる」「浮き輪は輪ゴム2つ分で割り切れる」「だからこれらは分類すべき」という説明が可能になります。
・逆に、1枚の面を輪ゴムに沿って張り合わせる、ということを繰り返すと、様々な「大雑把な図形」が作れます。
つまり、「大雑把な図形」=「輪ゴム状の位相空間何個で割れるもの」ということです。
これを「(ある意味で)輪ゴム状の位相空間を何個か掛け算したもの」と見なしてもいいです。
・要は、「大雑把な図形」は輪ゴム(位相空間)と掛け算(演算)で出来ています。
「位相空間に演算を施した結果が「大雑把な図形」=位相多様体である」と考えてください。
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