『高校数学のロードマップ』A_3(空間編)1『面』

(2019/11/27差し替え)

(※注:「理系に進学したいが数学が苦手な知人の高校生に、数学の良さを教える」というミッションのための草稿を、あらかじめWebに掲載して、ダメなところを指摘してもらおう、という趣旨の記事です)

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〇面

●図形を扱うジャンル・幾何学

小学校算数では図形を主にやったと思いますが、数に関する説明としてのII.数編はこの前やった通りです。このIII.空間編からは空間に関する説明になり、いろんな種類の図形等を扱っていきます。やっていきましょう。
図形を扱うジャンルを、幾何学(きかがく)と言います。これで後述する空間(くうかん。線、面、3次元空間等)やその中の図形(ずけい)を扱えます。
我々に馴染み深い幾何学のことを特にユークリッド幾何学と言います。ユークリッド幾何学は、面の上だと円とか三角形とか四角形とか、3次元空間の中だと球とか円錐とか三角錐とか円柱とか直方体とか、そういう馴染み深い図形を扱います。これについてはIV.関数編でやることにします)
・様々な理由により、空間と、その中の図形は、別のレベルのものとして考えた方がいいです。(空間→図形と考えて下さって結構です。)

●線から関数のグラフまでのロードマップと重要な中間生成物

・空間である線から、便利な道具である関数までのロードマップが存在します。
だいたい

(初歩的な空間としての)線→(高度な空間としての)面(や3次元空間)→((「大雑把な図形」としての)位相多様体→)関数のグラフ

というロードマップだと思ってください。
(それぞれのキーワードが何を意味しているかは、後で説明します。
ただ、実は、括弧の中の部分は大学でやることです。
「うわっ! 大学に行くまでやらなくていいはずのキーワードの説明が来た!」と誰しもまずは思うところですが、そういう反応は予想されることなので、位相多様体の章と参考編の中で、本当に超高速モードの説明をします。

●線が2本あれば面が描ける

・線の上の点の場所が知りたければ、実数と線を対応させて、原点を固定して、その値を調べれば、点の位置が分かったことになります。つまり、線一本で場所が分かります。
・面の上の点の場所が知りたければ、線二本で場所が分かります。
 横線と縦線を固定して、実数と実数を対応させてみます。横線(x軸)の数値をx、横線(y軸)の数値をyと表しましょう。x軸とy軸を座標軸(ざひょうじく)と呼びます。こうして出来ている空間を、面(めん)と言います。

・少し変わったやり方として、横線と縦線を固定して、実数と虚数を対応させることも可能です。この結果、複素数が面の上の点として記述出来ます。
このような面が平面であったとき、複素平面(ふくそへいめん)または複素数平面(ふくそすうへいめん)といいます。
(平面でなく曲面であったときは複素曲面(ふくそきょくめん)になりますが、説明しません。
これは複素数の性質を目に見える形で見る時にもちろん便利です。また、さまざまな応用があったりするので、出てきたら「あああれか」と思い出して下さい。

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