スッポンの子と過ごした2ヶ月間
昨年の冬の話。
知り合いの方と近所の水路へ行った。
目的はドブガイを拾うため。
淡水魚の中にはドブガイなどの大型の生きた貝にしか卵を産まない魚がいる。
知り合いの方はニホンバラタナゴという魚を飼っており,産卵のために貝が必要ということで興味本意で同行させてもらった。
(メダカ好きの母もニホンバラタナゴを飼っていたので親孝行の意味合いもある。)
胴長を着てじょれんを持って水路に入っていく私たちはなかなか怪しかっただろう。
やや恥ずかしい思いをしながら
収穫した成果がこちら。
右側がイシガイ,上がトンガリササノハ,左がドブガイ(1個だけ)。その辺の水路にこんな貝がたくさんいるというのも驚きである。
途中から捕るのが楽しくなって,じょれんでせっせと貝を探していたが
その途中,同行した方がなにやら捕まえたと見せてくれた。
スッポンだ。しかも子供。
なんと可愛い...。
皆さんは生きたスッポンを見たことがあるだろうか。
私は学生のときにスッポン釣りをしていたことがあったので30cmくらいのものを見たことはあるが,こんなサイズは始めて見た。
私はずぼらな性格なので極力生き物,特に水辺のものは飼わないことにしていたが,あまりの可愛さについ持って帰ってしまった。
とりあえず帰って水槽をセッティング。
砂も敷いてやろう。
早速スッポンを入れてやると,
ものすごい勢いで底砂を掘りはじめ,
そのまま完全に潜ってしまった。
そこから姿を見せることはなく...。
考えてみればまだ3月。冬眠の時期だったのだ。
それは申し訳なかったと気長に待つことに。
ところが1週間ほど立ったある日,水槽のようすがいつもと違うことに気付いた。
おわかりいただけただろうか?
顔だ。
近付くと引っ込んでしまうが,出直すとまた同じように出ている。
ゆっく〜り忍び足で近付いて何とか写真撮影に成功した。
別の日は鼻に石が乗っていた。何か意図があるのか,たまたま乗っているのか。
これはこれで可愛いなと毎日観察していたが
すっかり暖かくなった5月。ついに。
突然せわしなく泳ぎはじめた。
しかも,この頃には餌付いており,冷凍赤虫をパクパク食べてくれた。
完全に飼い慣らした!
と思った矢先...。
ある日,水槽内を泳ぎ回っていたはずのスッポンの姿が見えなくなった。
最初は潜っているのかと思ったが
砂を掘ってみてもどこにもいない。
どうやら休憩用に水面から出しておいた流木を伝って外に出てしまったようだった。
しかも玄関が開いていたので,そこからどこかへ去ってしまったらしく,周辺を探し回りまわっても局見つからなかった。
私とスッポンの生活は2か月であっけなく幕切れとなった。
今になっても水槽に蓋をしていなかったことが悔やまれる。やはり生き物を飼うのは向いてないなと再認識した。
と言いつつ今年もまたドブガイを拾いにいこうかと計画している。密かにスッポンが捕れることを期待しながら。
そういえば母から「貝が死んで水質悪化してタナゴが死んだ。」との報告があった。
むしろ親不孝だったかもしれない。
おわり
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