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年収500万の仕事がしんどかった理由

皆さんこんばんわん!

今日はイヌ先生の過去についてお話ししたいと思います。
女性のキャリア形成がなぜ難しいのか、働くってなんなのか…(深淵をのぞく表情)
そんなことについて、自分自身や周りの女性たちの声を聴く中で考えたことをつらつらと書いてみたいと思います。

今現在、キャリアに悩んでいる方、一生働くということへの不安や重圧をなんとかやり過ごしているような方の参考になれば嬉しいです。

いい就職先だった、はずなのに…

イヌ先生が大学を卒業したのは、就職氷河期が終わってしばらく経った頃でした。
二、三学年上の先輩たちに比べると、就職先が多少は増えていたものの、今の就職活動と比べると厳しい状況だったと思います。

実はイヌ先生は大学時代に一年間休学をし(アメリカにマーチングをやりに行ってました)、さらに大学卒業後に一年間専門学校に通ったので、同い年でストレートに就職したみんなより二年遅れで新卒入社をしています。

今になって振り返ると、とことん会社員というものに向いていないイヌ先生ですが、20歳そこらの当時は「大学を卒業したら就職して会社員になる」以外の人生の選択肢が頭にありませんでした。
親も親戚もほとんど会社員か公務員で、特に母親には「公務員になりなさい、絶対それが安心だから」と事あるごとに言われていたこともあり、起業するとかフリーターになるといった道は思い浮かびもしなかったんですね。

若いころは、どうしても親や周りの環境に強く影響を受けます。
女性の生き方も今より画一的で、大学を休んでアメリカに行くなどふらふらしたところのある娘の行く末を心配したイヌ先生マッマは「公務員になるのが一番いい、公務員になりなさい、そして公務員と結婚するべし」と何かにつけて助言していました。
ちなみに、イヌ先生マッマ自身は超ホワイトな企業でバリバリ働いていた昭和のキャリアウーマンだったのですが、難病を発症して早期退職をしています。そんな背景もあり、子供には安定した人生を送ってほしいと願う親心からのアドバイスだったのだと思います。
大人になってから公務員の「良さ」を深く理解し、娘に「公務員になりなさい」と勧める親心もわかるなあと共感はできました。
しかし、どう見ても公務員の適正は皆無のイヌ先生。
それでもどこか安定したホワイトな企業に就職したい…と考え、周りにならって就職活動をし、とある銀行のバックオフィスの職を得ることができました。

新卒ピカピカのイヌ先生が配属されたのは、外国の証券会社や投資顧問会社とやり取りをする外国証券の部署でした。
銀行の外国証券部署。オフィスは港区にあり、通勤は自宅から乗り換えなしの一時間以内。
休学などで遠回りをしたわりに、とても良い会社に入れたと思いました。今でも運が良かったと思っていますし、採用してくれた人事の方、教育してくれた先輩方には感謝しています。

ですが、ここでの仕事は長くは続きませんでした。
二年目で体を壊して入院と手術をし、その後、復職をしたものの継続できず、退職。

先輩や上司はとても良い方ばかりで、パワハラやセクハラとは無縁の職場でした。年に二回、GWや年末年始とは別で一週間の休みを取ることができ、仲の良い同期と何度も海外旅行に行きました。
すごく良い職場だったと思います。
それでも長続きしませんでした。

続々と減っていく同期


実はイヌ先生だけでなく、同時期に入社した子たちも、遅かれ早かれの違いでその職場を去っていました。
同期は全体で30名ほどいたのですが、5年経過した時点で半分も残っていなかったと聞いています。

イヌ先生が一番仲良くしてもらっていた同期の友達は、辞めた時の年収が500万円を超えていました。
完全内勤で、三十歳前後で年収500万円、休みも多く人間関係も良い。
産休や育休も(比較的)気兼ねなく取れるし、会社自体が潰れる心配も少ない。

それでも女性たちは辞めてしまい、男性が残る。

そうなる理由は様々だと思います。
結婚したら仕事を辞める、いわゆる寿退社という概念がまだかろうじて残っていた時代でしたし、子育てと仕事の両立はやはりハードです。
「保育園落ちた日本死ね」の投稿に表れていたように、社会がケアしきれなかった子育ての負担は大部分が女性側にのしかかる構造も大きいでしょう。

ただ、イヌ先生がいた会社で当時、みんなが疲弊して辞めていった理由の中で、意外と大きかったのは「ロールモデルがいなかった」ことではないかと思っています。

年収500万だった友達が結婚してしばらくしてから会社を辞めた時、「年収500万って、なかなかだよね。でもずっとこれが続くと思うと無理だった」と言っていたのがとてもとても印象的でした。
「めちゃくちゃわかる」と思ったのです。

この先なにも変わらないという見通しはつらい

その銀行では(あくまで当時はですが)男性は出世すれば年収1000万円台も現実的に見えてきますが、女性は年収500万で頭打ちと言われていました。
ポジション的にも、女性で最も出世した人の前例が課長クラスで、部長や支店長クラスの女性はいませんでした。
つまり、三十歳ほどで年収はほぼ天井にぶつかり、仕事内容もその後はあまり変わりがないということになります。

最初の数年は、新しく覚えることが多く、男女関係なく同じような仕事を与えられ、とにかく頑張れば新しい次の扉を開くチャンスが待っていました。
それなのに、三十歳ごろになると明らかに男女でキャリアプランが変わってきます。
社内に四十歳、五十歳の女性の先輩はいますが、彼女たちがやっている仕事は今の自分と同じような内容であり、昇進してもせいぜい五名ほどのチームをまとめる主任か課長どまり。

つまり、目に見える範囲に「この人を目指したい」「あの人の背中を追いたい」と思える女性が存在しないのです。
なぜなら、仕事面では社内の女性はほぼ横並びになっているから。

「定年まであと二十年、同じようなことをやる続けるのか…」
そう気づいた時、名前のない絶望とも諦念とも安堵とも言えない気持ちに襲われ、日々をがんばるためのエネルギーがだんだん弱まっていく。
そうなると、たとえ年収500万を貰えていたとしても、働くことはただの労働になり、モチベーションを維持するのが難しくなってしまいます。

もちろん、出世に興味ない、責任ある仕事はしたくない、最低限のお給料さえもらえればそれでいいという人もいると思います。
会社員の出世というのはどんな上司に当たるかという運の要素も大きいですし、昇進できれば幸せかというと、そんな単純な話でもないと思います。

それでも、一定のモチベーションを維持し、向上心をもって働いてきた女性たちにとって、「ここで頭打ち」という会社からの目に見えないメッセージは心を折るのに十分な壁だったのではないでしょうか。

人生万事塞翁がウマ🏇

とはいえ、最初にこの銀行に就職できたのはイヌ先生にとってはラッキーな出来事でした。
新卒で体力も順応力もピカピカの頃に、おそらく日本に企業の中でもトップクラスにビジネスマナーやコンプライアンスに厳しい環境に身を置けたことで、その後にどの企業に転職をしても困ることはなかったからです。

銀行をやめて、その後も仕事やプライベートで様々な出来事を経験したからこそ、今のイヌ先生がいるので、すべては必要な経験だったのだと思っています。
結果オーライ、酸いも甘いも苦いも味わってこその人生(`・ω・´)
と言いつつ、結構遠回りしてしまったなというのも正直な感想です。
もし、二十代の頃のイヌ先生がロールモデルとなるような女性を見つけられていたら、今頃はもっと違う人生を歩んでいたのかもしれません。

今はこうしてインターネットでいろいろな人の意見を知ったり、生き方を知ることができます。
お手本となる人、目指したい人、教訓にしたい失敗談など、自分自身がアンテナを高く張っていれば様々な情報が手に入ります。

大事なのは、自分にとっての正解は自分しか知らないということと、同時に周りの意見を参考にすることも忘れてはいけないということ。
イヌ先生が自分の経験から学んだのは、一つの会社で自分のキャリアの限界が見えてしまった時は、恐れず次のステップに進むべきということです。
(ただし、現在の環境で学べることはとことん学んだ上で、というのが条件です)
そして可能であれば、自分がこうなりたいと思うようなロールモデルを見つけること。
ロールモデルは複数人いても良いと思います。この人のこういう部分と、あの人のこの部分を取り入れたい、という風にそれぞれの良いところ、憧れるところを探しましょう。
もし、どんなに探してもロールモデルとなるような人が周りにいなかったら、良きロールモデルがいる環境に移るか、自分自身がロールモデルになってしまうのも一つの道です。

女性の生き方が少しずつ多様化し選択肢が増えている一方で、女性も一生働かざるを得ない、稼がなくてはならないという現実を厳しく感じる方も少なくないでしょう。
仕事、結婚、子育て、趣味、友人関係、自分の時間……
全てを100点満点でがんばる、というのは不可能に近いかもしれません。

イヌ先生が目指しているのは、死ぬときに「ああ、いい人生だったな。自分、なかなか頑張ったな」と思える人生を送ることです。
そしてできれば、皆さんにもそういう人生を送ってもらいたいな、と僭越ながら本気で願っています。

ここまで読んでくださりありがとうございました!

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