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私と鉄塔の町編

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21歳くらいに書いていた何か
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2014年12月の記事一覧

鉄塔の町 11

何も知らずに鉄塔のそばで生き続けていた私、最初から全てを知って鉄塔にすすられた母、食いつぶされるのを知ってそれでも母のそばにいた父、途中からやってきて私達家族を憎しみ続けるネリ、全てを知っているかのように私の記憶を持ち去ったサトウ君。

海のそばにある山を壁のようにして、ひっそりと息をし続ける田舎町、を、守り続ける鉄塔。逃げなさいと誰かがなんども私の中で叫び、しかしその度に浮かぶ空っぽになってし

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鉄塔の町 10

海沿いにある小さな田舎町は、鉄塔がそびえ立っている。丘の上に腰をおろして無機質な体を空へと伸ばし、電線を四方へ伸ばして交流電燈を運んでいる。仮定も肯定も無いがだからこそ、そこはかとない夢の様な空間なのかもしれない。

町には赤い電車が走っていて、東京にでるにはその電車に二時間ほど揺られればよかった。二時間ゆられると品川まで行くことができ、そこから山手線に乗ってしまえば東京の街の何処へでも行けた。出

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