ダンコたる決意
自分がリーダーを務める案件が、準備段階大詰めで、プロジェクト実行フェーズに移る直前。実行開始から2年がかりのプロジェクトなので、個人として長い付き合いになるはず。
準備段階で既に順風満帆に行きそうな雰囲気はない。パートナーの選定も社内関係者との調整も、準備段階で既に上手くいっているとは言い難い。年功序列の企業において、こんな青二歳がリーダー務めるケースだから、少なくとも美味しいプロジェクトではない。まあ、不確実でなければ、プロジェクトではないので仕方ない。
この準備期間、仕事していたというより、精神修行だった。ちょっとしたことが目につき、気になり、このままでこの先大丈夫なのか、そもそも準備すら完遂できるか怪しい。そんな中止めることができない。納期の引力の強さに驚く。ステークホルダーとはコンフリクトが起き、スケジュールが押し、よりステークホルダーに不利な条件を課す必要が出て、余計揉めてなんとか押し進める。こんなのんで本当にどうにかできるのかと、底なしにネガティブになる。なり始めたらキリがない。
また、本当にステークホルダーの一挙手一投足が気になり、一喜一憂した。彼らの協力なくして成功は無いのだが、中々コミュニケーションも協力的な空気感の醸成もできず、参った。周りの反応だけを気にして生きているようで、自分の意思が深くに仕舞われてしまう。
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そんなこんな、モヤモヤしながらドタバタ進めていたところ、ある時、段階を超えたようで、”もういいや”と腹を括った。覚悟が決まった。
なお、調べると、覚悟は、「前もって困難を予測した上で心に決める時」に使うらしい。まさにぴったりだ。間違いなく修羅の道だ。
できることに集中しよう。デール・カーネギーの著書『道は開ける』で忙しい人は心配はすらできないとあった。逆に自分は暇だから心配していた。心配なら、その心配を少しでも取り除くべくアクションを起こすべきだ。”こんなに必死で働くのは対価に見合わない”なんて思ったこともあったが、矮小でちっぽけな存在の自分、持てる力くらいすべて出しきってもいいだろうと思った。
チャンスは、準備していればチャンスだが、準備ができていないとピンチなのかもしれない。ピンチもチャンスもどちらもうだつの上がらない現状を打破する突破口になり得る気がする。
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スラムダンクで桜木花道が山王戦の最中、絶体絶命のピンチの折に、「ダンコたる決意」を固めたことを思い出し、自分もダンコたる決意を固めたようと思った。いつからでも遅くない。明日からも頑張ろう。
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