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『2022年ヒットソングTOP 100』のイントロ秒数を調べてみました

ストリーミングやダウンロード、CD売上枚数、YouTubeの再生回数、ラジオでのオンエア数、CDのパソコンでの読取回数などのデータを集計した2022年 ビルボード年間 JAPAN ChartsTOP100にランクインした曲のイントロ秒数を調査しました。

この調査は、2018年からはじめて、今年で5年目を迎えます。
昨年、2021年の報告記事で、年末が近づくと「そろそろ集計の時期だなあ」と感じるようになりました。と書きましたが、今年は、早く集計しないと年越せないよ!と思うくらいまでになってしまいました。いったい私はどこへ向かっているのでしょうか?
とか、書いちゃいましたが、1998年に大学のクイズサークルの新入生歓迎会で「イントロクイズ」に出会ってからもうすぐ四半世紀。なんやかんやで曲の「イントロ」を紹介する、出題することで今年も色々なことをやらせていただき、その一環として、この調査は非常に大事なものの一つになっているのでありまして。
はじまっていきなり、わあわあとすみません。私の活動はホームページ等々を観ていただくということにしまして、調査報告すすめます。

今年の1位は、この曲!

「残響散歌」Aimer(20秒)
テレビアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』オープニングテーマに起用された「残響散歌」。イントロから煌びやかなサウンドが広がり、青い炎のような熱を感じる歌声が混ざり合う曲。一度聴いたら、まさに「残響」が残り、すぐにもう一度聴きたくなる、ドラマティックな気持ちにしてくれるナンバーです。メジャーデビューから11年目で『NHK紅白歌合戦』にも出場。文句なしの、2022年を代表する1曲です。
イントロ秒数は20秒。最近のヒットソングの中は長い方です。でも最高ですよね!イントロから楽しませてくれる素晴らしい曲です。

TOP10のイントロ秒数はこちらでした。

1位「残響散歌」Aimer(20秒)
2位「W / X / Y」Tani Yuuki(15秒)
3位「ベテルギウス」優里(0秒)
4位「ミックスナッツ」Official髭男dism(16秒)
5位「ドライフラワー」優里(13秒)
6位「シンデレラボーイ」Saucy Dog(9秒)
7位「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」Ado(0秒)
8位「なんでもないよ、」マカロニえんぴつ(11秒)
9位「水平線」back number(29秒)
10位「一途」King Gnu(24秒)

昨年1位の「ドライフラワー」優里(イントロ秒数13秒)が今年も5位。
ビルボードチャートは、CDの売上枚数以外の指標も反映されるため、前年の曲が根強く残り続ける傾向があります。「ドライフラワー」をはじめ、41曲が昨年に続き、今年のTOP100にもランクインしていました


2022年のTOP100平均秒数は?
調査5年目を迎えたので、比較がわかりやすい折れ線グラフで発表します。こちらです!

100曲の平均秒数は9.7秒
調査5年目にして遂に、平均秒数が10秒を下回るという結果に。
いつかそうなるかもなあと思っていたのですが、こんなに早く来るとは。。

イントロ秒数が「0秒」=歌い出しからはじまる曲は、昨年2021年は30曲でしたが、今年2022年は33曲と増加。
その中で昨年のTOP100にランクインしていた曲は約4割の14曲。今年リリース曲、ブレイクした曲も、イントロが無い、歌い出しからはじまる曲が多かったです。

2020年から2021年は、平均秒数2.2秒短くなったのですが、2021から2022年は0.4秒。来年以降、下がりが鈍化していくのかも。と、推測することもできます。
サブスクリプション(聴き放題)サービスで音楽を聴くのが当たり前になり、曲アタマからインパクトを付け、次の曲へ飛ばされないように最適化する手法として、イントロ無しの歌い出しからはじまる曲が増えてきた先に、また新しい形でイントロから魅了する、素敵な音楽が生まれていくのかもしれませんね。来年も、要チェックや!(映画「THE FIRST SLAM DUNK』最高でしたね!)

平均秒数が短くなっても、イントロから曲の世界観に引き込まれる素晴らしい楽曲は、たくさんありました。
ここからは2022年にTOP100にランクインした、イントロ「も」素敵な曲を紹介します。まずはこちら!

37位「逆光 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」Ado(26秒)
TOP100に10曲ランクインのAdo。今年を代表するアーティストといって良いと思います。10曲中8曲が、イントロ0秒~2秒と、ほぼ歌い出しからはじまる曲ですが、71位の「ギラギラ」(イントロ秒数:20秒)と、映画『ONE PIECE FILM RED』の劇中歌に起用されたこの曲は、長いイントロから曲がはじまります。
作詞・作曲を手掛けたのはVaundy。ソリッドなギターが響くロックなイントロは”あえて”長くしたそうで、この曲のインタビューでも

ロックはイントロが大事なので。例えば、AC/DCというバンドのイントロは超長いんですが、それをライブで聴くとワクワクするんですよね。さらに監督からも「イントロを長く使いたい」との要望をいただいたので、劇中の“画”として使えるのはドラマーのシーンだなと思い、最初にドラムソロを入れて、そのあとクラップで煽り、ウタの合図で曲が始まる流れにしました。
と話しています。
私的、2022年ベストイントロカッコ良い曲はこの曲で決まりです!

8位「なんでもないよ、」マカロニえんぴつ(11秒)
イントロ11秒の中で奏でられるのは、シンプルなピアノの伴奏に、ボーカル、はっとりの咳払い。先ほど、ヒットソングの傾向として、サブスクリプション(聴き放題)サービスで音楽を聴くのが当たり前になり、曲アタマからインパクトを付け、次の曲へ飛ばされないようにする最適化が進んでいるという話をしましたが、そのための手段は、イントロを0秒にして、歌い出しからはじまるだけが答えではないことを、この曲が教えてくれました。
サブスクで初めてこの曲のイントロを聴いた時「あれ、録音ミスかな!?」と思いました。しかし、優しい歌声が入り、楽器の音が重なっていく構成で曲が進むに連れて「なるほど、私もイントロでこの曲の魔法にかかったのね。」と理解しました。曲終わりの「ラララ」のメロディは、短くなっていくイントロ秒数に憂うことなんて何もない。なんでもないよ、と語りかけてくれたのかも?と、ちょっと目が熱くなりました。
私的、2022年ベスト優しいイントロはこの曲で決まりです!

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
最後に、「2022年 ビルボード年間 JAPAN Charts」のTOP100にランクインした曲を、聴き放題サービス『Spotify』と『AWA』にまとめたプレイリストを紹介します。全98曲。「イントロ」に注目して聴いてみると新しい発見があるかもしれません。年末も、2023年も、素敵な音楽ライフをお過ごしください!
では、またどこかでお会いしましょう。


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