冬暁
雪虫が飛ぶ様に既視感を覚えた
記憶の各駅停車
地下鉄に乗り込むのと同時に、ああそうだ、と
思い出してしまった
伝えたいことはいつも、白息に変わる
泣いたあとの鼻がやけに赤いのを寒さのせいにして
三十六度がみぞれになっていく
二駅先にあるあなたの家は
私、もう忘れました
路地に入った所で煙を吐いてみる
喉が震えるのは、冷たい空気のせい
冷たい空気の、せい
雪虫が飛ぶ様に既視感を覚えた
記憶の各駅停車
地下鉄に乗り込むのと同時に、ああそうだ、と
思い出してしまった
伝えたいことはいつも、白息に変わる
泣いたあとの鼻がやけに赤いのを寒さのせいにして
三十六度がみぞれになっていく
二駅先にあるあなたの家は
私、もう忘れました
路地に入った所で煙を吐いてみる
喉が震えるのは、冷たい空気のせい
冷たい空気の、せい