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【落語コラム】思い出し笑い

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バックナンバーより落語の連載コラム「思い出し笑い」を公開中!
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#寄席

第61回:思い出し笑い「権太楼落語の神髄! これは映像で楽しむべし」(&ツルコ)

執筆者:&ツルコ 第61回:権太楼落語の神髄! これは映像で楽しむべし*intoxicate vol.116(2015年6月発行)掲載 今ってベテランから若手まで落語CDやDVDが揃ういい時代。だから、実際の高座を観ることはむずかしくても音源や映像で豊富な落語を楽しめます。音だけで想像力を働かせながら聴くもよし、なのですが、やはりしぐさや表情あっての芸。この場面ではどういうしぐさをし、どんな表情をしているかがわかっていたほうが、音だけで聴いたときより楽しめるかもしれません

第53回:思い出し笑い「この落語家を聴かずして、誰を聴く!?柳家さん喬・柳家権太楼」(&ツルコ)

執筆者:&ツルコ 第53回:この落語家を聴かずして、誰を聴く!? 柳家さん喬・柳家権太楼 *intoxicate vol.108(2014年2月発行)掲載 昨年12月そして1月と2 ヶ月連続で柳家さん喬、柳家権太楼の最新CDが出たのですが、それぞれあらまあもうこんなにたくさん出てたのね、とびっくり!  権太楼、さん喬は、ともに先代の五代目・柳家小さん門下で、現在の落語界の中核を担う実力派。高い人気を誇るお2人ですが、権太楼は、12月発売の朝日名人会シリーズが9作目、1月

第14回:ザ・入門編!!スペシャル

執筆者:&ツルコ 第14回:ザ・入門編!!スペシャル*intoxicate vol.67(2007年4月発行)掲載 5月下旬から、いよいよTOKIOの国分太一が噺家を演じる映画『しゃべれどもしゃべれども』が公開! この映画をきっかけに落語への興味が広がっていくと楽しいですね。春に公開された、土屋アンナが吉原の花魁を演じた映画『さくらん』は、まさにその落語が熟成した江戸時代のお話。吉原は多くの噺に出てきますので、落語の予備知識として観てもおもしろいかも。 ライヴで落語を観

第9回:思い出し笑い「横丁の若様が仕掛人 大銀座落語祭2006」(&ツルコ)

執筆者:&ツルコ 第9回:横丁の若様が仕掛人 大銀座落語祭2006 *intoxicate vol.62(2006年6月発行)掲載 すごかったみたいですね、GWに行われたクラシックのお祭り、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン。第1回めの昨年が驚きの30万人動員だったのが、今年は赤ちゃんから大人まで70万人近くが訪れたそう。すごいぞ! きっかけがあれば、行きたいんだよね、みんな。好きなものならどんどん調べていっちゃうけど、興味はあるんだけどねー、くらいの段階だと、なにかで背

第81回:思い出し笑い「大河ドラマ「いだてん」キーパーソンは古今亭志ん生!」(&ツルコ)

第81回:大河ドラマ「いだてん」キーパーソンは古今亭志ん生!*intoxicate vol.138(2019年2月発行)掲載 始まりましたね、クドカン大河「いだてん〜東京オリムピック噺〜」。日本人で初めてオリンピックに出場した金栗四三が主人公の明治時代から、日本でのオリンピック招致に尽力した田畑政治を主人公にした昭和の時代までを描くとのことでしたが、物語は両方の時代を取り上げながら進んでいて、その2つの時代をつないでいるのが、昭和の大名人・古今亭志ん生なんですね。明治時代の

第80回:思い出し笑い「NHK ドラマ『昭和元禄落語心中』にも出演! 柳家喬太郎の名演集ボックスが発売に!」(&ツルコ)

第80回:NHK ドラマ『昭和元禄落語心中』にも出演! 柳家喬太郎の名演集ボックスが発売に!*intoxicate vol.137(2018年10月発行)掲載  金曜夜のNHKドラマ「昭和元禄落語心中」、評判いいですね! 人気コミック原作で、アニメ化されてからの実写化、舞台では2.5次元という表現もしますが、噺家の話ですので落語を演じることは避けて通れませんから、演者さんたちは大変。アニメの時は、主人公の八代目・有楽亭八雲の石田彰、弟子の有楽亭与太郎の関智一、八雲の兄弟弟子

第79回:思い出し笑い「特撮と落語をマニアックに楽しむ」(&ツルコ)

第79回:特撮と落語をマニアックに楽しむ*intoxicate vol.135(2018年8月発行)掲載 面白い本が出版されました。『なぜ柳家さん喬は柳家喬太郎の師匠なのか?』。さん喬にとって喬太郎は初めての弟子、総領弟子で、弟子入りを認めた時のさん喬は41歳、喬太郎は大学卒業後、会社勤めを経た20代半ばでしたが、師匠と弟子として30年経った今、二人に改めて問いかける「なぜ?」。本書は、師匠と弟子としての二人の対談、師匠・さん喬へのインタヴュー、弟子の喬太郎へのインタヴュー

第78回:思い出し笑い「やっぱ志ん生だな!〜暗闇にヘタを着けて世界一のナスを創った伝説の巨人」(&ツルコ)

第78回:やっぱ志ん生だな!〜暗闇にヘタを着けて世界一のナスを創った伝説の巨人*intoxicate vol.134(2018年6月発行)掲載  東京五輪までいよいよ2年を切ったところで、開閉会式のプランニングチームが発表されましたね。狂言師の野村萬斎がこのチームのチーフに選出されたとのことで、一気に高まる期待! 寛斎じゃなくてよかったー。萬斎ゴジラ、出てくれないかしら? あの記憶に残るロンドン五輪の開会式を越える演出、お願いしまーす!  オリンピックといえば、来年の大河

第76回:思い出し笑い「白酒×兼好 毒を盛って毒を制す!?」(&ツルコ)

第76回:白酒×兼好 毒を盛って毒を制す!?*intoxicate vol.132(2018年2月発行)掲載 この3月で残念ながら終了してしまったNHKの『超入門!落語THE MOVIE』。噺家が語る落語の世界を映像化した画期的な番組で、落語に出てくる登場人物は俳優が演じ、セリフは噺家の喋りを当てるリップシンク(口パク)なんですが、この「観る落語」、素晴らしかったですよね。柳亭市馬、柳家喬太郎、古今亭菊之丞、春風亭一之輔など実力派の噺家を起用し、古典落語をこの番組のためにコ

第75回:思い出し笑い「歌丸師匠がドラマに!」(&ツルコ)

第75回:歌丸師匠がドラマに!*intoxicate vol.132(2018年2月発行)掲載  年初めの寄席は初席といい、いつもより持ち時間は短いもののたくさんの芸人さんが入れ替わり立ち替わり出演する賑やかさ。1年の始まりに楽しみにしている人も多い興行です。今年は元旦から新宿・末広亭に出演予定だった桂歌丸の休演がニュースになり、11日からの浅草演芸ホールでの二之席は体調不良のため引き続き休演に。心配!  2016年に50周年を迎えた『笑点』の大喜利司会を勇退し、“落語の

第74回:思い出し笑い「祝!桂文枝芸能生活50 周年!」(&ツルコ)

第74回:祝!桂文枝芸能生活50周年!*intoxicate vol.131(2017年12月発行)掲載  現在放映中のNHK朝ドラ『わろてんか』主人公・てんは、一代で吉本興業を興した女性・吉本せいがモデル。薬問屋の娘てんと米問屋の跡取りながら芸人を目指す藤吉が出会って結婚。これを書いている時点では、2人が天満にある寄席小屋を買い取り、〈風鳥亭〉と名付けて営業を始めています。  実際の吉本せいも夫・吉兵衛と明治45年に大阪天満宮裏の〈天満八軒〉と呼ばれた寄席の中の端席〈第

第68回:思い出し笑い「夏の鰻にて志ん朝をおもう」(&ツルコ)

第68回:夏の鰻にて志ん朝をおもう*intoxicate vol.123(2016年8月発行)掲載  夏に鰻を食べると、古今亭志ん朝を思い出す。という落語ファンの人、少なからずいらっしゃるかと。生前、志ん朝は鰻を食べなかったそうです。それは、嫌いだからではなく、大好きだけど断っていた。まだ二つ目の朝 太だった頃に悪いことが続いたとき、母(古今亭志ん生の内儀さんですね)に勧められて寅年の守護仏である虚空蔵菩薩を奉ったお寺にお参りし、それ以降、虚空蔵菩薩のお使いである鰻を断つこ

第65回:思い出し笑い「落語三兄弟?いいえ、落語教育委員会です」(&ツルコ)

第65回:落語三兄弟?いいえ、落語教育委員会です*intoxicate vol.120(2016年2月発行)掲載  落語会って、噺家さん自らが立ち上げたり、ご贔屓さんが好きな噺家さんに声をかけて始まったりなど様々ありますが、噺家さんたちによる会は、同期同士の勉強会だったり、かつてのSWA(創作話芸アソシエーション)のように新作落語派が集ったりと、その成り立ちがわかるものが多いのですが、「落語教育委員会」という名の落語会は、“なぜこのメンツ??”って不思議に思った会でした。柳

第59回:思い出し笑い「笑門来福!うれしい再発3タイトル」(&ツルコ)

第59回:笑門来福!うれしい再発3タイトル*intoxicate vol.114(2015年2月発行)掲載  落語CDのうれしい再発お知らせが! 三遊亭圓歌『中沢家の人々・完全版』、林家木久蔵(現・木久扇)『キクラクゴ』、林家木久扇&木久蔵の『キクキクラクゴ』の3タイトルは、発売当時に関わらせてもらったこともあり、思い入れのある作品。  『キクラクゴ』は2004年リリースで、意外なことにキクちゃんこと木久蔵初となるCDでした。収録は、自身の創作落語で代表作ともいえる2席。