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ムッシーさんへのインタビュー/第4回「靴屋が教える 自分の足に合った靴選びのポイント」

山口市の靴屋、ムッシーさんにインタビューしました。
第4回では、足の悩みを抱えている人に伝えたいことや、これから実現したいことなどについて伺っています。
自分の足に合った靴選びのポイントも教えていただきました。

<靴のムッシー>
所在地:山口市富田原町4-20
営業時間:12:00~19:00
※月曜、第2・4日曜休み
電話:083-923-2380

靴屋として伝えたいこと

――ムッシーさん自身はどんな靴に心を惹かれますか?

やっぱり履き心地がよくて歩きやすい靴。
見た目も大事なんですけど、素朴な靴でしょうか。
あまりハイテクじゃない、人が作った感のあるような。
きれいに縫えてなくっても、1針1針に味があるような靴とかも好きですね。

――お店に置いてある靴も落ち着いた感じのものが多いですよね。

そうですね。
やっぱり長く履いて飽きないっていうのも大事だと思うんで。
お値段も決してお手頃ではないので、1足を5年10年15年っていう風に長く履いてもらえると嬉しいですね。
そうすると、あまり個性が強すぎる靴っていうのも、まあ人にもよるでしょうけど、万人受けしないとちょっと扱いづらいので。
でもたまに、くせが強くてもこれ履きたいなって思うものもありますけどね。

――ムッシーさんが靴屋として大切にしていることって何ですか?

たまたま靴屋をやってますけど、ボク自身は一期一会、出会いを大切にしています。
毎年のように会える方もいらっしゃれば、1回限りという方もいらっしゃる。
だから出会いっていうのを一番大事にしてますね。

――靴屋をやっていてよかったなと思うのはどんな時ですか?

足って歩くために必要な体の部位です。
それを守る靴が原因で、人によっては健康を阻害したりする。
足の痛みだったり変形だったり、そういうのがある方がけっこうたくさん来られるんです。
足に合った靴を履くことによって痛みや悩みから解放されたっていう時にはすごく嬉しいですね。

みなさん普段そうですけど、足って日常的には隠してごまかせる場所です。だから変形があったり痛みがあったりしてもとりあえず我慢してる方もたくさんいらっしゃる。
だけど、何キロでも何時間でも歩けるっていうのが本来の靴の目的だと思うんです。
そういうことを一人でも多くの人に知ってもらえたらなっていうのはありますね。

初期投資は一般的な靴に比べるとちょっと高かったりします。
でも、長い目で見ると無駄は少ないと思いますね。
安いから悪いっていうわけじゃないんです。
けど、合わない靴を履いてると、足の変形だけじゃなくて病気とかの原因になったりすることもありますから。
そうすると例えば皮膚科に行くとか内科に行くとか整形外科に行くとか、そういう治療のことを考えると、足に合った靴を履くっていうのはすごく大事だと思いますね。

オリジナルの商品を作りたい

――こういう靴に出会っていきたいなっていうのは何かありますか?

そうですね、今までけっこう出会ってきました。
出会うためだけにヨーロッパに行ったりしたこともあったので。
出会いたい靴には出会ってきたかなと。

ただ、この2年行けなかったイタリアのメーカーには来年あたりコロナが落ち着けば行きたいなっていうのはありますね。(※インタビューは2021年12月)
自分の店のオリジナルの商品をそこで作ってほしい。

――今までオリジナルの商品って作ったことあるんですか?

色だったり素材の別注的なものだったりはあるんですけど、一からデザインをっていうのはまだないです。
他のメーカーにも打診したことはあるんですけど、形にはなってない。
ただ、ここで作ってほしいって思えるメーカーもなかなかないので。
それがたまたまイタリアにあるっていう感じですね。

デザインはもうできてます。
ムッシーらしい靴になると思いますね。
たぶん、無駄が少ないシンプルな靴。

自分の足に合った靴選びのポイント

――足の悩みがある人はムッシーさんのお店に来たらいいって思うんです。
でも、遠方とかいろいろ事情があって来られない人もいるでしょう。
そんな方に向けて、自分の足に合った靴選びのポイントを教えていただけますか?

一般的には、指先にゆとりがあって、かかと回りがしっかりしてて、靴底は指の付け根部分の返りがいいものってよく聞かれると思います。

でも、かかと回りはそこまでハードじゃなくてもいいです。
ウエスト部分から後ろまで密着するような靴が理想ですね。

余りがないというか。
いくらかかと回りが頑丈でしっかりしてても、すきまがあると足が靴の中で泳ぐんですよ。
そうするとどうしても足が前にずれたりするので。
みなさん指先のゆとりばっかり気にされるんですけど、まん中から後ろがすごく重要です。

指先のゆとりは、足の大きさとか個人差もあるんですけど、だいたい人差し指一本分くらいは欲しいかな。
そんな感じですね。

無心になれる時が好き

建前は靴屋ですけど、本業はほとんど庭仕事・・・もう全然靴屋なんかやってる感ないんで(笑)
靴屋はボランティアみたいな。
本業山師庭師みたいな。
山歩きと庭仕事ばっかりですね。
今日も、インタビューに来られるのももちろんあるんですけど、垣根の剪定をずっとしてました。
店の周りぐるっと一周垣根なんで。

ものづくりとかもそうなんですけど、けっこう無心になれるじゃないですか。
山歩きも、無心になれる時が好きですね。
人とワイワイ山を歩くっていうのも好きですけど、一人であまり人がいない山を歩くと緊張感もあったりして、わりとふだん使わないような五感をいっぱい使うんですよ。
そういうところが好きですね。
まあちょっと変態系だと思うんですけど(笑)

――今日はいろいろお話を聞かせていただいてありがとうございました。

こちらこそありがとうございました。

―完―

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