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同じ外資系で同じポジション、同じ仕事。違うのは給料だけ。何で?

ジョブバンドっていう言葉、ご存じですか?

同じく外資系企業A、職種A。同じタイトル。

それでも実績関係なく年収に乖離がある場合が。

理由は?

本日は外資系の人事・採用の舞台裏を語ります。

例えば、同じ会社で同じくパフォーマンスマーケティングスマネージャーなのに、社員Aは700万円、社員Bは900万円。2人の実績には大差もなく、評価も変わらない。

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なぜ?

説明いたします。

あ、その前に「あなたは誰ですか?」となるかもしれません。

日本歴14年のケルビンと申します。以前はアマゾンジャパンでエグゼクティブ採用と人事の仕事をしており、ウォルトディズニージャパン(日本本社)の採用責任者を務めておりました。

話に戻ります。

外資系企業には4Jが存在します。

注:自己流で勝手に4Jと只今、命名しました。一般的にはこの言い方しませんのでぐれぐれもご注意を笑

4Jとはジョブタイトル、ジョブファミリー、ジョブレベル、ジョブバンド(あるいはコンプバンド)です。この四つのJ、後ろに行けば行く程、機密性が高まります。

※ジョブファミリーの代わりにジョブファンクション、あるいは、ジョブファミリーの下にさらにジョブファンクションがある場合もありますが、この投稿では省略します。

ジョブタイトル(job title)は名刺に書かれている職務を含む社内の正式な職名で、Account Manager, HR Generalist等。所属事業部、担当ファンクション(例:営業、マーケティング、経理)および管轄地域のいずれあるいは、いくつかが名前に含まれてる場合もあります。

例)Head of Talent Acquisition, APAC(職位 of ファンクション, 管轄地域)やSpecialist, D2C Marketing(職位、事業部 ファンクション)等

職名なので、公開情報です。本人は勿論、一般的に同じ会社の社員ならば誰でも調べようと思えば調べることができます。但し、社内外向けによりジョブタイトルが異なる場合もあります。

そして、人事や採用じゃなくても、社員本人にもジョブファミリー(job family)とジョブレベル(job level)は公開されている場合が多いですが、企業によってはジョブレベルは一定層以上の管理職ではない限り、人事機密事項として扱いされます。非公開の場合は、ジョブタイトルの職位で大体どの層に自分が当てはまるかを推測できます。

そしてどの企業も例外なく、ジョブバンド(コンプバンド)は人事と採用じゃない社員には非公開です。VPレベル以上でいわゆる、企業の経営陣に当てはまる層以上には自分以下か下のジョブバンドまで公開される場合もあります。

外資系社員ですけど、ジョブタイトル以外はなんの話ですか?

…付け加えますと、ジョブファミリー(job family)は仕事の内容によって分類される職種群を意味します。例えばマーケティング、HR、FP&Aは主な業務内容が異なる別のジョブファミリーとして分類され、これらは3つの独立したジョブファミリーになります。

ジョブレベル(job level)とは、役割の階層を意味します。例えば、ジョブタイトルがHead of Consumer Marketingなら、ジョブレベルは"Head"の裏に紐づいている特定の数字もしくはアルファベットと数字の組み合わせになります。また、同じタイトルの職位でも、裏のジョブレベルが異なる場合があります。

アマゾンの場合、レベルが12までしかなく、L12=CEO=Andy Jassy(前はJeff Bezos)です。それに比べて、マイクロソフトの場合は、数字の60以上までジョブレベルが存在します。
※グーグル検索で手に入る情報です。

ここまでなら、人事と採用ではなくても知っている方も多いかと。

最後のジョブバンド(job band)もしくは、コンプバンド(comp band、compensation bandの略)は基本的に人事か採用じゃないと閲覧不可の機密情報です。そもそも、人事、採用外の社員はこの存在自体を知らない場合もあります。

冒頭で話した同じジョブタイトルでジョブレベルで年収の乖離がある場合、このジョブバンドでその説明がつきます。

ジョブバンドとは、特定のジョブレベルの年収範囲を指す言葉です。一般的には①ジョブファミリーごとに分類か②事業部とジョブファミリーで分類されますが、そうではない企業もあります。

例えば、ジョブファミリーがマーケティングでジョブレベルがMA5だとしたら、ジョブバンド=MA5=年収500万円~1000万円まで等。

冒頭の話に戻ります。

「同じ会社で同じくパフォーマンスマーケティングスマネージャーなのに、社員Aは700万円、社員Bは900万円。2人の実績には大差もなく、評価も変わらない。」

中途入社vs.中途入社、中途vs.新卒の場合、上記の状態が生じやすいです。転職時のオファー金額により差が生まれるからです。
※オファー金額は別途扱いすべきの膨大なトピックなので、こちらでは触れません。

なので、入社時のオファー額が入社後のパフォーマンスより大きく影響する場合があり、その差をその後の実績だけで埋めるのは差額によっては至難の業となります。

新卒vs.新卒の場合は、年収のスタートラインがほぼ一緒なので、一般的には昇格、昇給の問題になります。

そして、悲しいことかもしれませんが、私の感覚的には新卒入社で活躍している人よりも中途入社で良いオファーをもらって入る人が年収が高い傾向にあると感じます。

なので、この基準で年収UPの最終兵器と言えるのは、殆どの場合、転職による年収UPになります。

そして、舞台裏をさらに明かしますと…

先のジョブバンドの一個上がMA6だとしたら、MA6は1000万円以上でしょう?と思うかもしれません。実は、かぶるのです。

例えば、以下もあり得ます。

MA5=500~1000
MA6=700~1200

なので、スペシャリストの人が同じ部門、チームのシニアスペシャリストより年収が高かったりする現状が起きたりします。

え?ジョブバンドってそもそも何で作ってるの?

こういう疑問を持つかもしれません。

これも企業によって異なりますが、大まかには業界および同規模企業の水準をベンチマークし、自社and/or外注のリサーチ企業が集めている年収データを基に作られます。同じジョブバンドの中でも自社もしくは、業界上位25%の年収ならば●●円~●●円等の決まりで、こちらも企業によりますが、採用時に年収を特定のツールに入れると●●%の年収と表示されます。

オファー年収が中途採用力に直結する場合が多いので、多くの企業は常に最新情報を基にジョブバンドをアップデートし、同業界で魅力的な転職先としているための努力をしています。

いかがでしょう。

本日は特にCTAがある記事ではありません。

「実際にうちの年収ってどうなってる?」の疑問について少しでもお答えになりましたら幸いです。

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