関ジャム「BUMP OF CHICKEN特集」を観て感じたこと

藤原さんのインタビューがあった。藤原さんはクールな印象がある。だけど語り出すと熱い。インタビュアーの質問に対して一つ一つ真摯に回答する。

「他の人がどう思ってくれるかには全く自信がない。若い頃から今に至るまでずっとそう。」
自分の作る音楽について、藤原さんはそう語る。じゃあなんで音楽やろうと思ったのかな。なんでやり続けられるのかな。その答えは後で分かる。

藤原さんが初めてオリジナルの曲(ガラスのブルース)を作ったとき、何人かの友達に聞かせたらしい。すると共通して「お前こんなこと考えていたんだな」と言われたという。6分もある曲を最後まで真剣に聴いてくれたんだという。「俺、将来こういうことやりたくてさ…」と、自分語りを始めてしまう友達もいたとか。
その当時、藤原さんはこの現象をよく理解していなかった。しかし後になって、「伝わるってこういうことなんだな」と気づいたらしい。「(音楽をやる)原動力はずっとそれ」と語る。

(ここからは自分の感想)
他の人がどう思うかには自信がない。それはきっと、自分の本音だから。他人にウケたいと思って作ったわけじゃないから。でも、だからこそ、それが他人の心を掴んだとき、喜びがある。「伝わる」って、簡単な言葉だけど、実は難しい。なかなか実現しない。
自分の希望と他人の期待、つまり利己と利他は対立するものとして捉えられがちだと思う。自分もよくそう捉えてしまう。でもほんとは違うのかもしれない。自分のやりたいことをやって、それを他の人が見て、聴いて、良いなと思ったとき、良いなとまでは思わなくても、何かを感じとったとき、喜びや感動がある。
自分がやりたくないことなのに、他の人の期待に応えるためにやってもだめだ。それはきっと相手にとっても、実は嬉しくない。本人は「これでいい」と思っているつもりでも、実はあんまり嬉しくない。何も「伝わって」いないからだ。
だから、自分のほんとにやりたいことをやるっていうのは、自分のためでもあるし、他人のためでもある。
自分は何がやりたいのか。好きなことは何か。何を欲しているか。そういう問いは、実は、どうやって価値を生み出すかとか、どうやって社会に貢献するかとか、どうすれば世界は平和になるかとか、そういった問いを含んでいる。自分が情熱を持って何かに取り組まないと、誰も喜んでくれないし、誰とも繋がれないのである。

自分のやりたいことをやろう。好きなことに時間をかけよう。そして、他人に何かを伝える勇気を持とう。どんな問題も、これら無しには解決しない。
こんなにシンプルで、大事なことに気づかせてくれた。藤原基央、BUMP OF CHICKEN、関ジャムありがとう。

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