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動物と話せることはあこがれ〜『ドリトル先生航海記』〜【プレ10月チャレンジ】

先日書店でふと、この本を見かけました。見慣れた「ドリトル先生シリーズ」の装丁のはずだけど、何かが違う。帯を見て謎が解けました。来週からはじまる10月のNHK「100分de名著」が『ドリトル先生航海記』なのか! しかも「福岡伸一訳」と書いてある!?

2019年発売だったなんて、全然知りませんでした。

子どもの頃のお気に入りの本って、振り返ってみるといろいろ移っていっていませんか? 私の場合もそうです。『ぐりとぐら』にはじまり、『エルマーのぼうけん』シリーズへ。他にもあちこち寄り道はしていますが、だいたいその次に来るのが、この「ドリトル先生シリーズ」なんですね。

もともとは岩波少年文庫で出ている本です。今でも手元に置いてあります。

ドリトル先生シリーズ全巻コンプリート

このドリトル先生、山高帽をかぶった丸っこい体型の愛らしい人ですが、その筋では名の知れた人です。特に動物たちの間で。だって、ドリトル先生は動物のことばが分かるんですもの。とてもとても長生きのオウムのポリネシアからことばを習い始め、今やいったいどれだけの動物のことばを話せるんでしょうね。子どもの頃はうらやましくてなりませんでした。

賢い犬のジップ、家事ならなんでもござれのアヒルのダブダブ、食いしん坊のブタのガブガブ、サルのチーチー、それにさっき出たオウムのポリネシア。それにロンドンスズメのチープサイド! ロンドンにはじめて行ったとき、そこにいるスズメに「あなたチープサイド?」と聞きたくなってしまってもドリトル先生ファンなら仕方ないですよね。ヨーロッパのスズメは日本のスズメよりなんだか目の周りのくま取りがぼやけている気がしたのですが、何か微妙に種類が違ってたのかしら?

あとは韋駄天のスキマーも印象深い。「韋駄天」ということばを見たのはドリトル先生の本が初めてですからね。スキマーはツバメのリーダーです。私の頭の中では「韋駄天=ツバメ」という公式がゆるぎないものになっています。

他に楽しい動物といえば、伝説の珍獣オシツオサレツでしょう。オシツオサレツ……なんだかオムレツを想像させるこの生き物は、頭がふたつあるシカのような動物です。原著では、"pushme-pullyu"、つまり「ボクを押したらキミを引っ張る」ってことですね。子どもの頃は何気なく気に入っていたこの名前、英語に興味を持ってから調べてみてビックリ! これを「オシツオサレツ」(押しつ押されつ)とするなんて、これ以上にぴったりハマる訳はないでしょう。

福岡伸一氏が訳した『ドリトル先生航海記』は私の本棚を見ても分かる通り、シリーズの2作目にあたります。アフリカに住む博物学者ロング・アローの元へ出かける話ですが、まあ、旅に出るまでもなかなかうまく進まない。あれこれ苦難を乗り越えてたどり着いてみれば……とここまでにしておきます。

興味があればNHKの「100分de名著」が来週月曜から4回シリーズで放送されます。観てみてくださいね。

福岡伸一氏はドリトル先生を読んで博物学者になろうと決めた、とあります。同じ本を読んでお気に入りだったのに、進む道行きはひとそれぞれ違うものですね。ドリトル先生のような学者になろうとはまったく思いませんでした。ただただお話が面白かっただけで……しいて言えば、知らないことばを話せることに興味を持った、のかもしれません。こじつけですが。

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明日からは10月チャレンジ本格スタートします。何のお題にしようかな。英語関連の本か、読書関連か……

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