間違いなく、職業病
最近はよく脳科学関係の本を読むのだけど、そこではいろんな専門用語が出てきます。
記憶はまず「海馬」に保存される、とか
感情に大きく揺れ動くのが、「扁桃体」だとか(子どもの頃に腫れた扁桃腺ではない)
言語を聞いて理解するのが、「上側頭回」だとか
いくら難しそうな日本語でも、そうそう頻繁に出てこられると、気になります。
何が気になるのかって?
英語で何というか気になるんですよ〜!😆
脳科学の仕事なんてきっとやらない。
というより、お医者さんはたいてい英語ができる人が多いので、通訳は用なし。
だけど。
気になって調べてしまうのが、通訳者の職業病というヤツですねぇ。
インターネットと辞書で調べようとして、ふと思い出しました。
「そういえば、昔、これは資料だ、と言い訳に買いそろえたヤツなかったっけ?」
はいはい、ありましたよ!
その名も『脳単』!
『骨単』『肉単』に続く第三弾の本でした。
実際は、私のような素人には詳しすぎて訳が分かりません。
ですが、この単語シリーズは語源から攻めているので、思わず他の単語の語源まで頭に入ったりします。
たとえば、先ほど出した言語を聞いて理解する、連想する機能があるとされる「上側頭回」、英語では、"superior temporal gyrus"というそうです。
どうやら脳の「上」と「下」は、superiorとinferiorで示されるようです。そして、側頭は"temporal"です。前頭葉とか頭頂葉とか脳の部位を大まかにしめす時、側頭葉は頭の側面のことになります。ちなみに側頭葉は、"temporal lobe"となります。
で、最後の"gyrus"。
「ジャイラス」と発音します。
日本語は「回」になってますよね。
脳で回?
回転?
何が回るの?
と思いますが、この「回」というのは脳の「シワ」の盛り上がった部分のことだそうです。ギリシア語のギューロス「円、回転体」に由来しており、「回る」という意味があるのですね。
そして、この「ジャイラス」という発音に似た回る何か、思い出しませんか?
任天堂Switchのコントローラーを動かすだけで向きを変えることができるのは、何のおかげ?
そう、ジャイロです!
自動車のカーナビもジャイロ積んでますね。
ジャイロスコープといえば回転しながらも常に同じ方向を保つ装置です。
と、こうやっていけば、日本語でも英語でも訳の分からない脳の部位名なども、関連付けて覚えることができます。
ま、普通こんなことする人あんまりいないかもしれませんけどね💦
ただ、こうやって何を調べることも含めて、人生で何か行動を起こすことはどんなことでも無駄などないと思うのです。私は仕事が通訳ということもあり、どこでどんな知識が役に立つかまったく予想はできません。
直近のニュースはある程度頭に入れておかないと、講演前のひと言で今年のノーベル賞受賞者とその研究内容の話をする人がいるかもしれません。お天気や気候の情報は鉄板でしょう。
それだけでなく、たとえばNHKスペシャルか何かの番組で、勝手に興味を持って覚えていたロボット工学の知識が大学の特別講演の講義で役に立ったりすることもありました。
だから。
無駄にならない(可能性もある)と分かっているから、積極的にこういう調べ物をする癖があるのが、通訳者の職業病なのですね。
あ、他にも分かりにくい話し方をしてる人をTVで見かけたら、
「こんなの訳せるか!」
と勝手にプンプンするのも職業病です笑笑
先ほどの『脳単』ですが、『肉単』『骨単』に加えて『臓単』に『ツボ単』もありますよ。もう詳しすぎてどれも泣きそうです。
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