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『木挽町のあだ討ち』


第169回直木賞受賞作、読みました。

これは時代物だが、完全にミステリーだ!
タイトルの指す通り「あだ討ち」がテーマなので普通主人公が苦難の末、あだ討ちを見事果たしたり! という感じになると思うだろう。ところが、あだ討ちは二年ばかり前に済んでいて、とある若侍が当時のことを見聞きした人に聞いて回る、という形で話は進む。つまり、最初はインタビューの連続だ。

だけど、それが面白い。

ほぼ一人称で語られるその話は江戸時代だからか、まるで落語か講談のよう。寄席に行った気分で読み進めることができる。そうしていると、徐々に事の真相が見えてくる、ってぇ寸法だ。

あら、私まで江戸っ子調になっちゃった笑笑

これって、ちょうど金田一シリーズや名探偵ポアロとか探偵役が出てくる推理小説みたいなもので、関係者に聞き込みを行っているみたい。聞いている若侍は探偵役ではないが、事の真相に至るまでの道しるべになってくれる、って感じかな。

どんな真相が待っているのか、是非自分で読んで欲しい。ミステリーファンには特にオススメ。

それにしても最近読む江戸ものに田沼意次から松平定信の時代のやつ、多いなー。佐伯泰英の『居眠り磐音』シリーズとか、『澪つくし』シリーズもだいたいその辺だったし。

天明の大飢饉から、その後の田沼政治そしてその後の立て直し、と時代が動くからかな? 


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