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その英語、日本語に訳せないのはなぜ?

「今度、海外からお客さん来るんだけど、ちょっと訳してくれない?」

英語ができる人、と周りに知られていると、会社やもちろんプライベートでも気安くお願いされること、ありませんか?

私も駆け出しの頃は仕事で緊張したものです。英語を聞いて理解できること、そしてそれを人に伝えることは、ハサミで紙をただジョキジョキと切ることと、型紙に沿って慎重に切り取るぐらい、違う話なんです。

ですが、「話せるなら訳せる」と思う方や、訳すのも話すのもたいした負担ではない、と認識されている方はとても多いです。

英語を日本語に訳すときのことを考えてみましょう。

まず、英語を聞いて理解できないと話になりません。それができない、という場合、どういう理由が考えられるでしょうか?

ボキャブラリー不足?
文法が分かってない?

そうですね。
もちろん、それも大きいでしょう。
英単語も知らない、文法も怪しい、と言うのでは英文の理解はまず進みません。

では、知らない単語はない、文法もおおよそ分かった、と思うのに、「じゃあ、なんて言ってた?」と聞かれると案外口に出せなかったりします。

どういうことでしょうか?

分かった、と思ったけど、実は分かってなかった?
やっぱり、もっと単語覚えないと英語力つかないのかな?

そうやって、TOEICの単語帳の暗記に励んでも実は同じ事の繰り返しかもしれません。

なぜなら、訳してください、と言われてまずやることは、ブルドーザーのように力技ですみからすみまで網羅することではなく、まずは全体を頭に入れて把握すること、だからです。単語などの細部に目を向け続けることではありません。TOEICの高得点者であればボキャブラリーは充分のはず。それよりも、空の上から全体を見渡す「鷹の目」が必要だからです。

その「鷹の目」は、ビジネスでは要約力とか抽象化力と呼ばれるものに近いですね。

コーチングなどでは細かく具体的に見ていくことを「チャンクダウン」というのに対し、「鷹の目」の視点を持つことは「チャンクアップ」と説明されますが、内容を理解するためには「チャンクアップ」することが不可欠になります。

英語、という語彙も文法も違う言語を扱おうとすると、ついつい肩に力が入るのか視点が下がってしまい、細かいところばかり気になってしまいがちです。しかし、もっと大きな視点で全体を把握しないと、何の話だったのかちっとも分からなくなり、「訳して」と頼まれても、「何だったっけ?」となるのですね。

言語を扱う、となると言語中枢がある左脳のお仕事かと思われがちですが、右脳のイメージ力を使って頭の中に絵を描かない限り、いつまで経っても「木を見て森を見ず」な状態のままです。

私が通訳として仕事をするときも、内容を頭の中でイメージできればよい通訳ができます。右脳なら処理速度は一瞬なので、訳出する日本語の訳をブラッシュアップする余裕も出ます。ですが、どうにもこうにもイメージが沸かない場合は直訳を並べるしかなく、粗悪な訳しか出ないこともあります。それほどに「右脳イメージング」の力は大きいのです。

実はこの「右脳イメージング」の手法を理解できれば、情報処理の速度が間違いなく上がるので他の色々なことに応用できるでしょう。例えば本を読むのもきっと速くなりますよ。通訳者なら誰でも持っているスキルですが、別に通訳になるつもりはなくても大変お役立ちな技術です。

さあ、あとは「右脳イメージング」でつかんだ内容を日本語で説明すればいいだけ。「訳して」と頼まれてももう怖くない!

今日は英語から日本語への話でした。明日は逆の日本語から英語への場合をお届けしますね。

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