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「冬来たりなば春遠からじ」の謎

昨日、「冬来たりなば春遠からじ」の出典のお話をして、原文をご紹介しました。引用はこちら↓

原文を読んだ方、少し「おやっ?」と思うところはありませんでしたか?

今日はみなさんがひょっとしたら引っかかってるかもしれないところを解説していきますね😉

まずは、原文は以下の通りです:

If Winter comes, can Spring be far behind ?

【謎その1:】
Q:WinterとSpringはなぜ大文字なの?

A:大文字で書くことによって、冬と春を擬人化しているから
 擬人化したから、Tomとか人名が大文字になるのと同じですね。我が友冬が来たら、次は別の友達の春も来る、という感触でしょうか。

【謎その2:】
Q:英文では最後が疑問文なのに、日本語は疑問文じゃないのは、なぜ?

A:「春が遠いということがあろうか、いやない」と反語的だから
 百人一首や万葉集などいわゆる古文で反語表現があったの、覚えてますか?「〜ということがあろうか、いやない」と訳されるヤツですね。それと同じで、「春がそんなに遠いということがありえようか、いやそんなことはない=遠くない」となるわけです。

【謎その3:】
Q:「春が来た!」なら、"Spring has come!"だろうけど、なんで現在形なの?

A:英語の現在形では、普遍の真理を表すときがあります
 例えば、"The earth goes around the sun."は、「地球は太陽の周りを回っています」です。「回っている」けど、進行形ではありません。普遍の真理なので、現在形です。それと同じで季節が巡るのは普遍の事実だから現在形ですね。
 さらに、日本語の訳が「冬来たりなば」となっています。これは「来る+たる」ではなく(たるは完了を示す助動詞)、「来る(きたる)」らしいんですよ。ちょっと日本語のニュアンスを完了っぽく感じてる人もいらっしゃるかもしれません。

どうでしょう?
ピンと来ていただけたでしょうか?

少しでも「なるほど」、と思っていただければ幸いです。
ではまた次の記事でお会いしましょう!😊

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