逆流性食道炎

小学生のとき、胃がキリキリ痛くて、学校を休むことが何度かあった。
当時、お兄ちゃんは私のことを嫌っていたから、学校を休むとよく「仮病やろ」と言われた。

病院で胃カメラを飲んだら、逆流性食道炎と診断された。逆流性食道炎の原因は「ストレス」らしい。
それを聞いたときは「ストレスなんてあったかな?」と思っていたけど、自分を守るために鈍感なふりをして、どんなに辛くても「私は大丈夫だ」って言い聞かせていたから気付くことができなかった。
とにかく、お兄ちゃんから「仮病」と言われなくなると思うと嬉しかった。

薬は毎食後に飲まないといけなかった。
給食の時間に錠剤を机の上に置いていたら、それに気付いたいじめっ子が「なにこれ?お菓子?」と突っかかって来たので「薬」と言いかけたところでいじめっ子が「せんせー!○○がお菓子もってきてる!」と先生に言いつけた。
お菓子をたった1粒だけ持っていく奴いる?って感じだし、大人なら見ただけで薬ってわかるはずだけど、弱気な新米の女先生は「えーそれはいけないなぁ」と言うだけ。
そこでいじめっ子が定規を持ってきて、錠剤を半分に割り、粉末を指で取って舐めた。

「苦っ!」

いじめっ子は「なーんだ」というような、つまんなそうな顔をして自分の席に帰っていった。
「てめーのせいで苦くなった薬を飲むのはこの私なんだよ」と腹が立った。

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