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「考えるマインドフルネス」のシリーズのプログラムを作ることにした動機

わかるようでわかりにくいマインドフルネス

マインドフルネスは、わかりやすいようで、わかりにくい。昔から言われていることのような気もするし、インドやチベットあたりから来たものを西洋で洗練されたようなので、どこか違うのかとも思える。基本的な概念がいくつかあるが、それらがわかるようでわかりにくい。

DoingからBeingへ、判断しない、「今ここ」などについて、下記の記事で考察してみた。

なぜわかりにくいのか


マインドフルネスが西洋にひろまったルーツはいくつかあるが、その中の1つが、ジョン・カバット-ジンという理学博士が病院での実践をまとめたMBSR(マインドフルネスストレス低減法)が広がるきっかけの1つ。ほかにもルーツはあるが、詳しいことはここでは省略することとする。

MBSRは、ヨガと座禅と瞑想法を合体したもの。博士は医学校の先生だが、本人はMIGで取得した理学博士。もともとは心理系の専門家ではない。お父さんも有名な科学者で、ノーベル賞の候補にもなったらしい。

博士は自然科学の研究に限界を感じた後、日本や韓国を含む東洋で修行された。米国に戻って職を得たのが、病院のストレスクリニック。どの診療科でも原因がわからない慢性の疼痛患者に、東洋で修行したことをそのまま当てはめたら、痛みにとらわれなくなった。これらの臨床的な事例報告は多いが、長期的な効果に関する科学的な分析は、他の研究者が行い、それによって世界的に光があたる契機になったものである。

実は、日本への招聘に関わったこともある。直接、お会いした際、それまで疑問をもっていたことをいろいろと質問をしてみた。いずれの答えも、「昔からの仏教のトレーニングで言われていることを、そその通り実行するのがいい」といった趣旨の回答だった。

 マインドフルネスの効果は科学的に証明されている、という。しかし、エクササイズの内容は、そのままである。東南アジアの仏教の訓練から来ている。博士自身は、あまり科学的なメカニズムには考察せず、エクササイズ(実践、訓練)に疑問をもたずにしっかり取り組むことを推奨された。


筆者のバックグラウンド

ところで、私は、高校時代、暗記塾のための「イメージ化」の訓練にはまり、知識はイメージなのか言語なのか、行動するには、先にイメージが必要なのか、存在するという感覚はどうして得られるのか、の疑問にはまって、大学の図書館で調べたり、悩んだりしていた。受験のための暗記どころか、疑問で本が読めなくなるぐらい考えたが、当時は研究成果が乏しく、あまり納得できるものはなかった。
 その後、認知科学といわれ、心理学だけではなく、大脳生理学やコンピュータ工学、人工知能、言語学、哲学など)といっわれる学際的な分野が生まれつつあることを知り、その勉強をしているうちに、これを日本に紹介された先生のもとで研究の道を目指すことにした。
 これとは別に、浪人時代に、高校時代からの疑問を解決すべう、座禅や合気道、ヨガなどにも取り組んできた。

マインドフルネスの概念を知ったのは、今から10年ほど前だが、中身でふりかえれば、高校生の30年以上まえから探求してきたことになろう。ティックナットハン老師らの本を訳し、


それをテキストにして、大学の「健康科学」の講義で使うようになった。10年以上、かかわってきた。当時は、マインドフルネスを知る学生はほとんどおらず、宗教と思われないために、医学や他の分野からみた捉え方をして、紹介せざるを得なかった。

既存の学問分野のフィルターを通すと、結構、すっきりとわかる。いいことを言っているとわかってくれた。そのうえで、学生は自らの健康づくりに生かした様々なレポートをしてくれた。そこで、そのエッセンスを伝えたいと考えるようになった。 


考えないマインドフルネス

いくら高邁な思想で大事だなと思っても、自分には難しいと思ってしまうと、取り組めない。神秘的な部分があった方が価値がありそうだが、頑張って続けるにしても、理解がすっきりしないと効果も実感できない。そうであれば、あえて2600年前の教えをそのまま保とうとするのは、かえってもったいないのではないか。

一方で、現代科学がいいのでもない。脳科学で証明されたから信じればいいという科学至上主義も、専門用語が目くらましのように乱発されて、考えて理解することに参加させないという点で神秘主義と変わらない。
ならば、マインドフルネス以外の学問分野や知見から見てみると、わかりやすくなると思う。


**考えるマインドフルネスの課題は伝え方だ

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こういうことを着想した経緯は下記にまとめた。



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コンテンツの使い方**

これらを解説した動画とパワーピントのオリジナルのファイルもダウンロードできるようになっている。オリジナルのファイルだと、自分でクリックしながら、解説の音声も入ったまま進められます。動画は電車の中でさらっと動画をみて、わかりにくいところは、家で、ファイルをダウンロードして、わからないところは、ネットをみたり、休憩したりしてできます。
もし、PCやスマホにパワーポイントのソフトが入っていない場合は、今は見るだけだと無料で使えるものがダウンロードできるようなので、ネットから探しててみてください。

ここまでするのは、皆さんにしっかりと理解し、納得して実践に生かしたほしいためチャレンジします。

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期待できる効果**

マインドフルネスは、わかりやすいようでわかりにくい面がありますが、自分に原因があると思う人が少ないようです。でも、そもそもの概念が、宗教から来たものをそのまま持ってきているため、禅問答のようになるわけだ。
 宗教が悪いわけでありません。科学的な理論や測定などができないなかで、昔の人は、洞察と思索だけで深い知恵に到達し、実践を通じてさらに深めつつ、伝承してくることができたことはすごいことだ。 
そんな価値あるものであるだけに、科学の成果に浴している現代人が理解できる形で受け止め、そして実行すれば、本来は、昔の人よりも、さらに自分を変革し、今よりも心身ともに幸せになり、そんな人が増えた社会も、さらによくなっていくはずだ。

シリーズ 第一号は下記です。

なお、3月いっぱいは、新型コロナでわさわさしている期間で取り組んでくださることもあり、特別キャンペーンとして定価5千円のところ、30%引きにしますので、1500円安く提供します。

ファイルダウンロードについて
普通は、講義資料はいいところがPDFファイルで、ここまでしたものをみたことがありません。資料の二次利用(転載、改変など)著作権の問題なのでしょう。
なお、引用した図や文言もあるので、ファイルの中身をご自身の資料に転載したり、公にはしないでください。もし、何か不都合があれば、やめます。