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中学生に「目的思考」を持たせ、「メタ認知」を理解させると、数か月で成績が本人史上で最高になった実話

中学生になれば、すこしは、勉強しろよ、と思う。でも、本人の部屋から漏れる音に耳をそばだてても、一向にその気配がない。

親が何を言ってもどのみち変わらないから、肯定するための理屈を探すのが日々の仕事。TVやYOUTUBEも「息抜きも大事」、友達との付き合いでどこかに行くのも「社会性のために大事」、また昼間から寝るのも「成長期だから必要」などと、わが子の行動を、すべて「大事だよな」と認めるしかない。

我ながら「人間出来てきたなあ」とも思うけれども、そうするしかないからしているだけなので、誇れるものではなく、さほど嬉しくもない。

親はデキるのに・・・(読者の皆さんも、多かれ少なかれ、内心は同じでしょ?)

一方、父親の私は、大学院で予防医学・公衆衛生学を専攻し、国立研究所時代は、生活習慣病予防のための行動変容、つまり生活習慣を変えるための方法を、認知科学や脳神経科学の知見も生かしながら、独自の方法を編み出した。実際、これでも大人の方からは、多くの方から喜んでもらえる成果を出せてきたので、習慣の改善にはちょっと自負があるのだ。

なのに自分の子どもの「生活習慣の改善」となると、ほんとに難しい。そもそも反抗期の青少年は、親と話をする関係を作ることからが第一関門だ。私の講義やセミナーを積極的に来ていただき、頷きながらノートまで取ってくださる方とは、そもそも動機も関係性も、天地の差なのだ。
 
勉強も、ほんとは私が教えた方がいいはずだ。なぜなら予防医学の分野に転身する前に、教育方法学をその道の大家の先生のもとで学び、研究してきた経験がある。教育方法学は予防医学や公衆衛生学と重なる部分が多いが、それでも教育学としての専門性は医学系よりは高い。

それらの知見を生かしたためか、長い長い大学院生時代に面倒をみた家庭教師の生徒達は、いずれも大幅に成績が伸びたからだ。しかし、これも自分の子どもとなると、熱が入りすぎて遠慮がなくなるのか何度も挫折した。

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転機が現れた! **  **
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それが、これがある方法でうまくいったことがあったのだ! 息子が、中3になる春休み(約1年前)に、受験の年だから「勉強を見てあげて」と母親から頼まれたことがきかっけである。

そのあたりを当時のNOTEに何本かに分けて書いてる。というかそもそもそのうれしさを伝えるためにNOTEを始めたのだ。探してもらうのは後として、ここでは、概略を述べよう。

まず、勉強以前に、春休みに将来の夢を聞き、本人の将来の夢をきき、そのための実現と今、取り組むべきことの関連を意識させるという「目的思考」を持たせた。具体的には、その夢には、どういう高校がいいかを私が探し、彼がそれを気に入り、学校を見に行った。

そして、集団塾ではなく彼にあった個別塾を私が何か所も探し、気に入った1つを彼が通うことで関係性が強くなってきた。
 
そこで、私は勉強は一切教えず、生活習慣を変えることに専念した。その際、まずは関係性の基盤である「会話」の際の「習慣」を変えることで、彼の思考「習慣」が変わるだろう、と考え、「メタ認知」の概念を教えた。そして、それを理解して活用したら、試験も正解しやすくなるぞ、などと効用を説いた。

そうでもしないと、「親への口のきき方を直そうとする」ウザい親父と思われるだけだからだ。

本来、簡単なようで難しいのだが、彼は意外にも理解できたようで、それなりに変化も現れた。そのあたりのことに関心がある方は、昔のものをご覧ください。(まだNOTEを書き慣れていない初期の頃の記事なので、今、修正を加えており、タイトルや構成が、日々、変わりつつありますが・・・。)

麹町中学校の工藤実践

長男への取り組みの途中で、千代田区区立麹町中学校の工藤校長の実践を知った。そして私の取り組みは、ほぼ共通していることがわかり、うれしさとともに驚いた。違いは、「学校の生徒か自分の子どもか」である。でも、裏をかえせば、工藤校長の理論や方法は、家庭でも応用でき、効き目が出る、ということでもある。

そのため、この記事では上の段落で「目的思考」と表現したが、当時、私自身は、当然のことと意識していたので、そういう名称を意識していなかった。しかし、振り返ってみて、工藤先生の実践に敬意を表して、書かれた本のタイトルからいただいたものである。

続けてどうなったのか

既存の記事は取り組みの直後の効果であるが、さてその成果はどうなったのか? これが読者の皆さんの大方の疑問だろう。

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