【グリーンライトが灯る】セリエA20-21 第15節 インテル−クロトーネ マッチレビュー
新年初となる試合はまさかのゴールラッシュに。
両チームの守備における信号機は青信号だった。スコアの差はそれを修正できたか、否か。だったのかもしれない。
こんにちは!TORAです🐯
2021年一発目となる記事です。
今年も何卒よろしくお願いいたします。
ということで、Twitterで年末のご挨拶をさせて頂きましたが、noteでは新年のご挨拶をさせて下さい。
そこそこの文量なので、「いや、興味ないからマッチレビューだけでいいよ!」という方は目次から飛んで下さい。
●新年のご挨拶と目標
新年あけましておめでとうございます。
筆者はインテリスタ。2020年6月にnoteを始動させ、セリエA インテルのマッチレビューや考察、データ考察などをメインコンテンツにしております。
以前どこかにも書きましたがスタート当初はまったく響かずでして。まぁ内容もさることながらTwitterのフォロワー様が非常に少なかったことも大きかったかな、と。
ホントに拡散の力って大事だなと実感しました。こちらもご覧頂いているTwitterとnoteのフォロワー様、いつも本当にありがとうございます!!
今年の目標は
「さらに裾野を広げたい」
具体的に言えば、インテリスタだけでなく他サポの方にも見て頂きたい、また交流したいんですよね。
インテリスタ、というか一つのクラブの熱狂的なサポーターにとっては賛否両論あり、どちらかと言えば”否”が多いかもしれませんが、「僕は他ならぬインテルのためにセリエAが盛り上がって欲しい」タイプの人間。
例えば、
欧州の舞台ではセリエAのチームを全て応援しています。
▶︎勝ち上がりUEFAポイント稼いでカントリーランキング上げて欲しい。
▶︎「セリエAは強い!だから上位にいるインテルも強いんだ!」みたいな印象でリーグとチームの格を上げたい。ファンを増やしたい。ロイヤリティを上げたい。
みたいな感じ。
この考えに”良い悪い”はないと思っているので論じたり押し付けたらするつもりは一切ないんですが、とりあえず僕はこう考える人間。
嫌だなー!と思う方は一定数いると思いますので予め、不快にさせてごめんなさい!のお伝えとご了承をいただきたいな、と思った所存です。
という訳で裾野を広げる目標を達成して、ほんのわずかでもセリエAを盛り上げたい!交換したい!をゴールに設定しております。
是非、インテリスタの方には引き続き、僕のアウトプットをご拡散いただきたいですし、他サポの方にはなんとか拾って頂けないでしょうか?と浅ましく思っております。
具体的に言えば、ふぁぼやRTやコラボ等ですええふぁぼやRTやコラボ等です大事なことなので2回言いましたよろしくお願いいたします。
本年もよろしくお願いいたします。
●選手起用
・インテル
46分ヴィダル▶︎センシ
70分バレッラ▶︎ガリアルディーニ
75分ルカク▶︎ペリシッチ
75分ヤング▶︎ダルミアン
81分バストーニ▶︎コラロフ
・クロトーネ
62分リヴィエレ▶︎シミー(シメオン・ヌワンコ)
70分ルペルト▶︎マガジャン
85分ゴレミッチ▶︎ジジ
85分モリーナ▶︎ブリッチ
86分メシアス▶︎ロハス
●前半−入れ替えの意図は
キックオフ後、まず目を惹いたのはバレッラ(左)とヴィダル(右)の位置。
両者とも左右問わないので不思議ではありませんが、今季で言えばインテルの武器であり、依存が懸念される右ビルドアップはバレッラがセグメントになっています。
それをあえてイジってきたということは意図があると見ていいのではないでしょうか。
個人的には以下の2つが主だったように見えました。
ⅰ)ビルドアップ対策
今回のクロトーネの選手配置、特にツートップが左右どちらか?というのが各サイトによってまちまちなんです。
これはあくまで表記における便宜上っていう側面があるのでそこまで重要度は高くないですし、実際クロトーネのツートップは試合中のポジションチェンジも積極的だったので固定されているものでもない。
ただ、本業は右なはずですが今節はどちらかと言えば左でしょうね。
「これが何故かと言うと〜」、というのがミソだったかなと思います。
インテルの狙いはビルドアップの破壊か
クロトーネのビルドアップは片側を圧縮させて進み、逆側のIHやWBにFWを追い越させ、崩しのキーにするのが得意だと解釈しています。
✔︎例えば左から前進したい場合はエドゥアルドに加え、メシアスが降りて膨らむ。
✔︎呼応するようにツートップの相方リヴィエレは中央へ。クロトーネのツートップは近距離でのプレーが印象的。
✔︎逆側のモリーナがFWを追い越したり、ペレイラが幅を取って崩しのフェーズへ。
クロトーネのポイントはIHだと睨んでいます。超絶ドリブラーのメシアスや快速サイドアタッカーのモリーナを起用するのはこの”追い越す形”を核としているからかな、と。
(今節メシアスはFWでしたが、例えばミラン戦なんかはIH起用でした)
インテルとしては本来右のメシアスや快速のモリーナ側から攻めることで彼らの立ち位置を押し下げたかった。
クロトーネはそれを嫌がり、メシアスの立ち位置を左にアジャスト、中央でプレーさせたり、カウンターの先鋒にさせたかった。一方、リヴィエレには落ちての楔を求めた。
10分過ぎくらいから、クロトーネのカウンターが刺さりまくったのはこれが要因と思索。端的に言えばクロトーネは上手く対応してきた。
という感想を抱きました。解釈が当たっているかどうかは置いておいて、選手のポジショニングもしっかり反映されていましたね。
前半終了時のクロトーネの平均的な選手のポジション。リヴィエレ(97番)は右の圧縮に絡み、メシアス(30番)は最前線で先鋒を務めていたことが分かります。Sofascoreより引用。
ⅱ)”インテル攻略法”対策
クロトーネの選手配置は3-5-2。シーズン序盤は前からプレスも積極的でしたが直近は5-3-2ブロックの形成が最優先な印象です。人よりも立ち位置に重きを置いたゾーンディフェンス。
今季のインテルが嫌がるやつですね。したがって、コンテ監督はヴィダルを組み込んだ前からプレスで高い位置でのトランジションを強化。
これはボローニャ戦と同じ算段かと思います。
コンテ監督にとって、このタスクのファーストチョイスはヴィダルなんでしょうね。で、なぜ右配置なのかというと、3枚の前からプレスではルカクを中央に配置したいから、だと考えています。
設計に妥当性はあったんじゃないかなと。むしろ、バレッラが左なのもヴィダルが右なのも理由があると想定されることに、僕は「やっぱりコンテ監督のタスク由来の選手配置は上手いなぁ」くらいに思っていました。
まぁ個人責任の強いミスが起きてしまえば、緻密な設計も台無しなんですが笑
2失点に絡んだヴィダルは厳しかったですね。彼だけの責ではありませんが間違いなく大きなトリガーにはなっていました。
●前半−隙が多い組織的守備
前半、特に立ち上がりは守備が緩々なインテルでしたが実はクロトーネも同様でした。
特に組織的守備が難解。
先ほどクロトーネの守備は立ち位置重視としましたが中盤の3枚が顕著、というか悪目立ちしてしまっているように見えました。
✔︎中盤3枚は近距離を保って中央を徹底的に防ぐ。脇のスペースはあえて捨ててる?
✔︎メシアスとリヴィエレも内切りがメイン。時には2人でブロゾを挟み、意地でも中央には出させないシーンも。
✔︎その為、インテルIHは膨らんで脇のスペースを取れば楽々ボールを引き出せる。
✔︎DF−MFのライン間もソリッドではない為、素早くツートップに付けるのがハマっていた。
立ち上がりはこんな感じでしたね。
バレッラやサポートに入ったブロゾヴィッチからヤングも使ってましたがパフォーマンスが付いてこなかったかな?素直にラウタロとルカクに付けた方が可能性を感じました。
クロトーネの問題は次。インテルは失点後からリスクを取ります。クロトーネの数的優位を消す為にバレッラやバストーニが上がるように。
✔︎バレッラが前線に。代わりにバストーニが上がり、運ぶドリブルと配球でビルドアップを担保。
✔︎この状態でもクロトーネの中盤はバランスを崩さず。数的均衡なら最終ラインに任せる形。
✔︎一方、最終ラインは対面のマーカーに割と付いていく。その為、インテル側が動けば最終ラインから剥がれてギャップも生まれがち。
インテルの1得点目はまさにこのギャップを突いたものでした。25分のブロゾヴィッチのミドルシュート、40分のラウタロの決定機も同様のケース。
ルカクやバレッラが最終ラインからクロトーネDFを剥がしたスペースをラウタロが効果的に狙えていましたね。率直に言って隙が大きかった。
数的優位じゃなくても均衡であれば許容だったのか?カウンターの火力とトレードオフだと割り切ったか?(極力、IHに自陣深くまで降りてきて欲しくなかった)
どちらにせよ、最終ラインの質的優位はある程度必要かなと思うのですが、今節は10人に聞いたら10人とも「ラウカクが明確に上回ってた」と答えるレベルだったと断じられるでしょう。
勝点を目指して自分たちの強みを活かす強気な采配か
設計自体に致命的な欠陥があるのか
このアプローチ自体が悪い!というわけではありません。考え方自体は理解できますし、他チームでも類似のアプローチをしているところはあります。が、結果的にクロトーネにとっては無謀だったなと。
特に最終ラインでインテル自慢のツートップにガチンコ勝負を挑んだのは降格圏内のチームであることを考えれば尚更です。
もはや新鮮味がなく、そろそろこすれない記事になりましたがセリエA第7節時点のデータ考察記事でクロトーネの守備をこう表現しました。
今節のクロトーネを見て、大変恐れ入りますが「あ、データで大枠は見えていたけど、中身はこうゆうことなのね」と思ってしまいました。
戦力や練度が不足しているなら、せめて中盤の選手を1枚下ろして6バック風味にしたり、5-1-3-1で守ったりと一工夫欲しいところ。
ちょっとこの辺はストロッパ監督がどう思っていたかを是非知りたいですね。
また、上述の記事で「ハイテンポなナポリなんかには大量失点しそう」とも記載している訳ですが予想的中でした。
今節のポゼッション率。Sofascoreより引用。
ご覧の通り、インテルはクロトーネにポゼッション率で劣る結果となりましたが、これはボールを握れなかった訳ではなくパスを縦に縦に付け続けた結果。
インテルはとにかくバーティカル(縦方向)に、特にアタッキングサードではスピーディーに攻めました。
✔︎パス総回数:ボール前進パス(自陣を除く)を比較
今節➡︎515:49
平均➡︎576:42
少ないパス回数(多くないポゼッション)の中でも、崩しの為の前方向パスがしっかりできていることが分かります。FBref.com参照。
予想通りクロトーネは厳しかったみたいで、大量失点を喫することに。これは試合内容からもスタッツからもいつもより意識していた感がありますね。
元々インテルの十八番、というかベースの形ですので、あらかじめ狙っていたのか、試合中にハマったから相対的に再現性が高くなっていったのかはジャッジが難しいですが間違いなく狙いや意図が存在していて、それが実った大量得点は高評価に値する素晴らしい内容だったと断定します。
●後半−修正できたチームとできなかったチームの明暗
スペツィア戦に続き、またも前半にリソースを割き過ぎました。後半はアッサリいきます。
で、こちらもスペツィア戦同様。取り上げたいトピックスはあるんですけど、それらは分かりやすい事象に収束していくように感想です。
マッチレビューとして元も子もない感じになっちゃいますがインテルの守備は落ち着いたのに対して、クロトーネは修正できなかった。ゆえ、大量失点に繋がってしまった。
これは当然かも。インテルは立ち上がりにドタバタしてしまったのと個人由来のミスが大きなファクト。意識レベルである程度改善が見込めそうなレベル。というか、そもそもヴィダルが懲罰的な交代をしていますしね笑
クロトーネは元々抱えている根深い課題が顕在化している感なので即時改善は非常にハードルが高い。
各々の課題をクリアに出来たか、否か
これに尽きるでしょうか。
クロトーネは3失点目もギャップを突かれ、4失点目はGK前で綺麗な1対1を作られ、質的優位のガチンコ勝負に競り負けた。詰まるところ、前半から許し続けてる被チャンスの形です。
さらに5失点目もチャンスの入り口となってしまったのは中盤脇を使われたこと。これはよろしくない方法だということを承知の上で戦術ボードではなく、実際の写真を載せちゃいます。
✔︎中盤の距離感はこれでいいのか…?
インテル右サイド側のリスタートから一気に左サイドのダルミアンへ展開。この後、ペリシッチに渡りシュートを許し弾いたところをラウタロに詰められてトリプレッタになる訳ですが、クロトーネの中盤3枚が悪い意味で密集を起こしていて「そうだよね、左に振ればチャンスの芽になるよね」という印象は受けちゃいますよね。
ちょうど最近、ナーゲルスマンが幅を取る(ピッチを広く使う)のが好きじゃない理由、みたいな記事を見たのですが、距離感を短くすると(そして強度や練度がないと)こういったデメリットも生じる、と。
いやぁサッカーって面白い。…なんかちょっと前に同じこと言いましたね笑
もうお腹いっぱいですし、流石にクロトーネに申し訳ないので6失点目のシーンは割愛。
ホームチームは新年初となる試合を大量得点で飾りました。
・スコア
インテル6-2クロトーネ
(12分ザネッラート、20分ラウタロ、31分マッローネOG、36分ゴレミッチPK、57分ラウタロ、64分ルカク、78分ラウタロ、87分ハキミ)
●雑感−インテリスタの年明け
本試合で思ったことや感じたことはもう前項に置いてきちゃいました。
2失点は引っかかりますが、今節はそれ以上に得点シーンが秀逸でした。個の側面も変わらず強いですが、その全てに”手段”がしっかりと内包されていたと感じたので。
インテルの得点はいずれも合目的だった
さらにラウタロのセリエA初となるトリプレッタのおまけ付きとなれば、丑年を迎えた日本のインテリスタにとっては最高の年明けになりましたよね!
本当は試合以外のことで自分の気持ちをお伝えしたいなぁ、とかも思っていたのですが、長々書くのは野暮!と判断。
インテリスタの皆さま!あらためて明けましておめでとうございます🐂⚔🌅
今年もFORZA INTER!!⚫️🔵
最後までご覧頂きましてありがとうございました🐯
もしサポートを頂戴した場合はサッカーのインプットに使用し、アウトプットでお返しできるよう尽力いたします。