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「1000万円でサリンガス材料をロシアで調達」「ロシア人信者が麻原奪還を企て」?~最近まで手ごずっていたロシアのオウム真理教取り締まり


【画像① 「悪臭を放つ不快な人物」とロシア要人が回想するオウム真理教教祖=麻原彰晃(本名・松本智津夫、2017年刑死)】


◆「テロ集団」指定しても、オウム真理教の排除に手こずるロシアの実情


元警視庁通訳捜査官の坂東忠信さんには、しばしばYouTube番組に共演あるいは出演してもらっているが、ここのところ外国勢力、特に中国による日本の経済、政治、文化のあらゆる分野への浸透が著しく、「何とかならないか」と相談してきた。そうした中で各国で外国由来団体が国内で悪影響を広めている場合の規制や取り締まりの法制を少しずつ研究しようということになった。


その中の手始めで日本由来のオウム真理教がロシアに広がっていたことを想起し、報道資料を集めたところ、ごく最近までに「テロ団体」と指定して取り締まりを始めていたが、かなり手こずっていることが分かった。そして、いくつか新事実も明らかになった。日本では、殺人、テロ実行犯や計画の中心人物たちが教祖の麻原彰晃らと共に既に処刑され、サリンガスを使用した大量殺人を狙ったテロ事件や坂本堤弁護士一家殺害事件他の重大犯罪が過去の出来事となっている感があるが、こうした事件につながる事実の断片がロシア報道から見つかった。



(参考映像)「【坂東忠信氏】 日本とロシア、オ〇ム真理教、統〇教会、スパイ防止法…壊滅?存続?」2023/12/7 古是三春_篠原常一郎

https://www.youtube.com/live/Tw2oHGvhpug?si=ll1ViYZqh93dkGna



「◎オウム真理教のロシアでの活動~1990年代初頭、オウム真理教はロシアにおいて積極的な活動を行っていた。1992年、麻原氏はモスクワに滞在し、政治家らや宗教家らと一連の会合を持ったほか、いくつかの一流大学にて学生らに対して講演を行った。…◎2016年9月20日、ロシア最高裁判所はオウム真理教をテロリスト組織として認定し、ロシア国内での活動を禁止。しかし、ロシアでの違法な活動を続いており、ロシア検察庁の2016年の資料によれば、ロシアの信者の数は3万人に達している」


(参考)「セクト集団『オウム真理教』に関する情報」2018/7/6 タス通信(ロシア語報道)

https://tass.ru/info/5352543


ロシアでは、最高裁でオウム真理教が「テロリスト組織」として認定されたのが、2016年で、それからようやくロシア国内での活動が禁止されたということだ。この時点で、公的資料(検察庁)によると信者数3万人というのだから、かなり深刻な問題に直面していたといえよう。




【画像② 1993年12月、モスクワで信者向け放送の準備をする麻原彰晃と教団幹部の上祐史浩(現後継団体「ひかりの輪」代表)、村井秀夫(1995年4月24日、暗殺)。オウム真理教はロシア布教に最高幹部も投入して重視していた。】



◆2020年にオウム真理教ロシア支部長に南部軍管区裁判所が「禁固15年」判決


「テロリスト組織」認定で活動禁止となったオウム真理教のロシアにおける取り締まりは、ロシア支部長の拘束と起訴で本格化したようだ。2018年、ロシア南部のロストフ・ナ・ダヌー市在のロシア南部軍管区裁判所が同支部長のミハイル・ウスチャンツェフに禁固15年の刑を判決で言い渡した。「テロリスト組織」に関わる内容のため、軍事法廷で裁かれたのである。



「【モスクワ、2020年11月26日、インターファックス通信】 ロストフ・ナ・ドヌーの南軍管区裁判所は、テロリスト組織「オウム真理教」のロシア支部長であるミハイル・ウスチヤンツェフ被告に対して、禁固15年の刑を言い渡した。…検察側は禁固18年を求刑していた」


「連邦保安庁(FSB)は2018年5月1日、信者らの集会を開こうとしたウスチヤンツェフ被告の活動を阻止し、その後、逮捕に及んでいた。…ウスチヤンツェフ被告の罪状は、テロリスト集団の組織、テロリスト集団の活動組織、市民に対する暴力もしくは健康への加害をその活動に含む宗教集団もしくは社会集団の組織、そのような組織の運営(ロシア刑法第205条1、205条5の1、239条1)」


「捜査によれば、ウスチヤンツェフ被告は、2016年にロシア最高裁判所によってその活動が禁止されているオウム真理教のロシア支部を運営していた。捜査委員会の資料によれば、モスクワ、ペテルブルグ、ヴォルゴグラードなどにおいて、『一般信者に対して寄付を促し、テロリスト組織「オウム真理教」の日本の指導者らに送金することで、テロリズムに資金を提供していた』という。ウスチヤンツェフ被告の共犯者らに対しては指名手配が行われている」


(参考)「オウム真理教ロシア支部長に禁固15年の刑」2018/

https://www.interfax.ru/russia/738765


なんと「テロリスト組織『オウム真理教』の日本の指導者に送金することで、テロリズムに資金を提供していた」ことがロシア当局の捜査で判明したというのは、驚きだ。それがいつかは、いまだ調査中だが、日本の捜査当局(オウム真理教後継団体の監視を継続している公安調査庁をはじめ)は、こうしたロシア情報をどう受け止めているか、気になるところである。


ロシアでオウム真理教について流布している情報は、日本に関わるもので重大なものがまだある。なんと日本で惨劇を引き起こした猛毒ガス、サリンの散布に関わり、その材料をロシアで1000万円を使って入手したというものもある。これは、1990年代前半期にロシアの要人たちにカネをバラまいてコネクションを作った教祖・麻原らによる所業だが、そうしたオウム真理教とソ連崩壊直後期のロシア要人とのつながりについても、レポートが見つかっている。



◆”悪臭を放つ宗教的狂信者”とロシア政治家との出会い




【画像③ クリミアでのオウム真理教信者グループの集まり。2018年頃の撮影のようだが、既に「テロリスト組織」として集会は禁止されていた。】


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