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自民党総裁選、”ゲル”も始動❓「自分から出るとは言ってない」が他からなかなか推されない石破茂氏の焦り


【画像① 「同志たちが東京で命がけで戦っていて、自分が自分がとは言えない」などと総裁選出馬表明を控えているポーズをとっている石破茂元幹事長だが、各地に出向いての精力的な講演活動とその発言内容は明らかに秋の総裁選への出馬意欲を反映したものだ。】





◆”賞味期限切れ”迫る? 67歳のゲルさん、各地に出没




岸田文雄首相が通常国会会期末での衆院解散を見送り、政局の焦点は秋の自民党総裁選に定まっている。確かに本日投開票の東京都知事選挙及び都議会議員補欠選挙、いわゆる「首都決戦」も今後の中央政界の帰趨に大きな影響を与えるもので注目すべきだが、自民党総裁、すなわち首相をめざしてトップレースを何度も繰り返してきた面々にはそんなものは関心の外のように見える。


2012年9月以来、総裁選に繰り返しチャレンジしてきた石破茂元幹事長もそのひとりだ。石破氏は初めてのチャレンジ(12年9月26日投開票)で、故・安倍晋三氏を含む5人の総裁選立候補者中、1回目投票ではトップの199票(地方票165票、国会議員票34票)を獲得した。しかし、決戦投票である国会議員のみによる2回目投票では大きく上積みした89票を得たものの、安倍氏の108票に及ばず敗北した。


無派閥の石破氏は、地方党組織に大変評判が良かったが、国会議員の間では支持者が増えなかった。そこで、派閥を超えた国会議員よる勉強会を呼び掛け、そこから総裁選での支援者を獲得する取り組みも繰り返してきたのだが、総裁選出馬の条件である「党国会議員20名の推薦」というハードルを超えられないことすらあった。


実は、通常国会が閉幕する直前の6月19日、石破氏の呼び掛けで派閥横断的な勉強会が開かれたのだが、参加者はやはり20名超えできず、自身を入れて17名にとどまったという。



「自民党の石破茂元幹事長は19日、国会内で勉強会を開いた。石破グループ(旧石破派)や二階派の議員らを中心に17人が参加した。中曽根康隆氏が講師を務め、フィンランド視察を踏まえた安全保障や教育のあり方などについて話した。…石破氏は終了後、記者団に「人事もカネも関係ないが勉強する集団がきちんと自民党にあるのは良いことではないか」と語った。議員同士の勉強会を定期的に開くことに意義があると述べた」


「勉強会には旧石破派で事務総長を務めた岸田派の田村憲久元厚生労働相も出席した。安倍派や麻生派の議員も姿を見せた。…石破氏は2月に勉強会を再開し、今国会会期中に4回開催した。国会閉会後も勉強会は継続して開く方針だ」


(参考)石破茂氏が勉強会 自民党の石破G・二階派ら17人が参加」2024/6/19

 日経オンライン

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA19B8O0Z10C24A6000000/



【画像② 石破氏は総裁選出馬を意識して自らを中心とした党国会議員勉強会「水月会」を立ち上げ”石破グループ”として活動の足場にしてきたが、総裁選立候補の条件である「20人の党国会議員推薦」を保障するだけのメンバーの獲得には成功してこなかった。2018年3月1日、「水月会」会合で。】




この時の参加者は、以下の通りだ。派閥を超えた盟友はいるといえばいるのだが、例えば二階派の中の中曽根康隆衆院議員(故・中曽根康弘元首相の孫)などは、父である中曽根弘文参院議員と共に二階派内「伊吹グループ」の小林鷹之衆院議員担ぎにも関与していると思われるのは、本noteで既報の通りだ。


6月19日石破勉強会の参加者




【無派閥・石破G】

泉田裕彦

赤沢亮正

冨樫博之

藤井一博

穂坂泰

舞立昇治

八木哲也


【二階派】

小寺裕雄

高木宏寿

谷公一

中曽根康隆

平沢勝栄

細野豪志


【岸田派】

田村憲久


【安倍派】

木村次郎


【麻生派】

広瀬めぐみ


もう一歩のところで、「20人推薦」のハードル超えも覚束ない現状の石破氏であるが、メディアの世論調査では「次期首相にしたい人」で名前の上がるトップであり続けている。その独特な風貌、それとはアンバランスな丁寧でやさしげな物言いで知名度は全国区であることは間違いなく、かつて地方創生大臣として各地の”地域おこし”で予算配分に采配をふるったことなども与って自民党地方組織からの評判も良い。


そんなことを自身も意識してか、石破氏は自身の選挙区外での講演活動にも熱心に取り組んでいる。各地に出没して、存在感を高めようと懸命に努力しているのだ。



◆引退リーダー・山崎拓氏の引きで福岡市で講演した石破氏




その石破氏が福岡市で講演した内容の一部(テープ起こし・要約)を入手したので、紹介したい。ちなみに、講演会は7月4日に福岡市の天神スカイホールで引退した自民党リーダー、山崎拓元副総裁が呼び掛け、主催したものだ。報道では、次のように報じられている。


「自民党総裁選への出馬が取り沙汰されている石破茂元幹事長が7月4日、福岡で講演し、総裁選について自身の考えを述べました。…石破茂
元幹事長『東京でわが党の命運をかけてといっても過言ではないと思う。都知事選そして都議会選をやって、同志が本当に命がけで戦っている時に、自分が自分がみたいな話を私はしない』」


「石破氏は4日、山崎拓元副総裁が福岡市で開いたフォーラムで講演しました。自民党は今、東京都知事選の真っ只中。総裁選について、一部メディアが報じた『石破氏が出馬の意向を固めた』という報道に触れ、都知事選のさなかの出馬表明を否定しました」


(参考)「石破元幹事長が福岡市で講演 自民党総裁選出馬は」2024/07/04 テレQ(テレビ九州)

https://www.tvq.co.jp/news/news.html?did=2024070400000005


講演の中で、わざわざ「東京で…同志が本当に命がけで戦っている時に、自分が自分がみたいな話を私はしない」などと言うのは、白々しい。では、なんのために出向いて講演しているというのか?


以下、4日の「山崎拓セミナー」での講演(全体1時間)の内容の一部をテープ起こしをもとに再現する。





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