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なぜ中国情報筋はロシア、北朝鮮の脅威感を煽るネタを日本にバラ撒くのか?


【画像① 最近、「蜜月」とも表現されるロシアー北朝鮮関係だが、金正恩、プーチンの面子になぜか習近平というもう1人の大国指導者が加わっていることがないのに、注意が必要だ。そして、中国は朝ロ関係を「悪の枢軸」のように描き出す画策を…。】



◆「ロシアと北朝鮮の軍事協力関係が北東アジアの脅威となった」…ネタ元は中国情報筋




最近、日本のインテリジェンス界隈で、ロシアと北朝鮮の接近で生み出されているとされる物騒な話がいくつか具体的なストーリーで流れている。「インテリジェンス・ウェポン」のリサーチ・センサーにも引っかかっているが、そのまま取り上げるのを先延ばしして実際に起きている事柄との関係性の分析に努めてきた。なぜ慎重に扱ってきたかというと、物騒な話の出処を辿ったところ、いずれも中国情報筋だと確認できたからだ。


たとえば、こんな情報だ。


「ロシア極東のボストーチヌィ宇宙基地に20人の技術者が朝鮮国家宇宙科学技術総局から派遣されており、軍事偵察衛星の打ち上げ、衛星とロケット本体との切り離し、衛星を地球の周回軌道に乗せるタイミングなどの技術課題について指導を受けている」



【画像② 9月の朝ロ首脳会談は、極東の宇宙基地ボストーチヌィで行われた。「宇宙開発協力」も話題になったとされる。】




「大型原子力潜水艦の建造について、北朝鮮はロシアから技術協力の約束を取り付けた。あわせて、核弾頭小型化技術の提供についても、北朝鮮の要請に対してロシアは前向きである」


前者の情報は、11月21日深夜に発射された北朝鮮の「人工衛星打ち上げ目的」とされる2発のミサイル発射に結び付けてもっともらしく流されている。また、後者の情報については、9月8日(北朝鮮建国記念日の前日)に公開された北朝鮮初の「戦術核」攻撃型潜水艦「金君玉(キムクンオク)英雄」のニュースと結びつけるように、10月下旬から流されたものである。


それぞれ、流されている情報の詳細を見て、検討してみると面白いことが見えてくるかもしれない。こうした中国発の情報は、実は日本の大メディアの枢要部分に伝わり、発信されるニュースのベースになっている。いったい、何のために中国情報筋はこんな情報(額面通り受け取れば、中国の思惑通りとなるわけだが)を日本に流すのだろうか?



【画像③ 9月6日、進水式で公開された北朝鮮の「戦略核」攻撃潜水艦「金君玉」。大きく盛り上がった部分が10基のミサイル発射筒を収めた部分だ。ベースは1950年代実用の旧ソ連製旧式潜水艦で実用性など問題外だ。】




◆「北朝鮮が軍事偵察衛星を保有すれば、日本の米軍基地がより正確に攻撃される」~センセーショナルな中国発情報




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