ジャニーズ問題が飛び火、企業社会に大影響~コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)改定で「性被害問題」追記を検討へ
◆海外メディアに端を発した「ジャニーズ炎上」に政府が警戒
英国営放送BBCが取り上げたことによって、日本芸能界で大きな力を持っていたジャニーズ事務所創設者=故・ジャニー喜多川元社長から多数の男性タレントが長年にわたって性被害を受けていた問題が”炎上”し、芸能界はもとより日本企業や社会での人権状況が国際的にも大きくクローズアップされるところとなった。「再発防止」「補償」「企業としての解散・出直し」について、ジャニーズ事務所が新体制下、どのように対処するかが大きな焦点となって推移してきたが、政府は次の問題として長年にわたる性被害問題が放置されてしまったことが日本の企業社会の体質に根ざすものとして海外から指弾されることを予想し、金融庁が上場企業などに遵守を義務付けているコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)を改定し、「性被害もない」も追記することを検討していることが分かった。
多くの企業CMや広報活動にジャニーズ事務所に所属するタレントが起用されてきたため、現状でも日本の企業社会では深刻な影響を受けている。タレント起用CMの放映・配信を中止したり、新規に同事務所のタレントを起用することについて見送ったりするケースが続出している。
◆海外取引の多い企業では既に社内規定で「性被害撲滅」明記の検討へ
金融庁側の検討について、経団連、経済同友会も賛同しており、「これまで性被害問題に対する認識が甘かった」と首脳部からも反省する声が上がっている。そして、海外取引の多い大手商社、輸出企業、メーカーでは先行して社内既定で独自に「性被害撲滅」の明記検討に進んでいるところも出ている。
「欧米の企業社会では、性被害に対する追及が極めて厳しい。自社内のことはもちろんのこと、取引先企業が性被害問題に甘いと『人権軽視企業との取引はとりやめ』ということになってしまう。率直に言って、こうした面は日本ではまだまだ甘いし、海外でも広く知られてしまったジャニーズ問題が醸し出す日本企業へのマイナスイメージも払拭するため、目に見えた取り組みが必要だ」(輸出大手メーカー幹部)
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