【映画】すばらしき世界
コロナ禍の中久しぶりに映画館で見ました。が,やはりガラガラ。飲食店やこのような嗜好的な業界は本当に復活できるのだあろうか…
さて西川監督の新作映画,「すばらしき世界」。
反社会的勢力に属していたわけではないのだが,片足突っ込んでいた状況。
途中でわかるのだが結婚したばかりの奥さんにいちゃもんを付けてきたある組の若いもんをぶち殺してしまい刑務所へ。
ただこれも彼に言わせれば正当防衛なのだが,過剰防衛と判断されたのだろう。
出所して身元引受人の方の援助も得て何とか住む家も見つかり,刑務所で身に付けた裁縫で食べて行こうとするが,そんな職が見つかるはずもなく,スーパーでは万引きを疑われ,とりあえず生活保護をもらいに行ったら,いろいろ難癖をつけられ,免許証を更新に行ったらすでに失効していると言われ…と色々苦難があるのだが,その都度激怒して相手(警官とかにも怒鳴りつけていた)をビビらせる性格で,益々生きにくくなる。
しかし自動車免許がないと就職もままならないという事でテストを受けに行くが運転が荒っぽすぎて全く合格する気配もなく…。
そんな主人公の願いは,自分を捨てた母親に会いたい…そのためにテレビに出たい…というモノだが,話を聞いたテレビ関係者は,母親探しよりも社会復帰の様子を取り始める…。
結局曲がったことが嫌いですぐに徹底的に痛みつけてしまう性格は変わりようもなく,特に弱い者いじめをしているチンピラなどは殺す寸前まで痛みつけてしまうので(笑)テレビ局も怖がって逃げてしまう…。結局堅気として生きるのは難しい…と思ったのか昔のつてで北九州のやくざの親分に電話したら,すぐに飛んで来いという事で東京から北九州空港へ。なんとスターフライヤーの飛行機なのだ…(個人的にはここが一番ウケた…)
親分のところで大接待してもらいつつ,自分の育った孤児院を訪れるのだが,その時も中洲が写りバスは西鉄バス,行先は花畑…と自分の知っている町がどんどん出てきて,会話はすべて博多弁。そういえば最初に万引きの疑いをかけたスーパーの社長も親が朝倉の出身だと言ったら「なんね,隣町タイ。おいは筑紫野バイ…」博多の人は大うけするだろう。
ただ親分の奥さんからは,「あなたはまだチャンスがある,堅気で生きろ…」と餞別もらってまた東京へ。そして車の免許が必要ない「介護施設」でパートから始めようと頑張り,刑務所で学んだベッドメーキングの技術(笑)も活かしながら,何とかまっとうに生きようとするのだが…。その事務所でも知恵遅れの職員がいじめられているのを見かけ,激情していじめていたやつをめちゃくちゃに痛みつけてしまう。あーまたこれで元の木阿弥か…と思ってたら,なぜかその場は収まり,見ている方はホッとして,いじめられていた職員からはお礼に花をもらって喜んで自宅に帰る…。
これから何とか頑張って生きるのかなぁ…と思っていたら前々から持病として持っていた高血圧が原因で突然死…。彼を支援していた周りの人たちも悲しみをかかえたままのエンディング…。でもこんな終わり方しかできなかったかもしれない。
一つ特記しておくと,長澤まさみがテレビ局の社員として登場するのだが,いまいちいてもいなくてもいいんじゃねぇ?程度の存在で,そこがもったいなかったなぁ。
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