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2020卒業・修了制作優秀作品展

ご挨拶

昨今のコロナウイルスの影響を受け、3/20-23に(多摩美術大学 八王子キャンパスにて)開催予定だった統合デザイン学科 卒業・修了制作選抜展が中止となってしまいました。

開催中止に伴い、展示を楽しみにされていた皆様に心よりお詫び申し上げます。

展示は中止になってしまいましたが、この日のために制作を続けてきた展示メンバー(や展示を楽しみにされていた方々)の想いを汲み、なんとか多くの方々に作品を見ていただける機会をつくれないかと考えこの度、展示予定だった作品をSNS上で紹介させていただく運びとなりました。

ご紹介する作品は学部の卒業制作トップ21と大学院の修了制作選抜作品の計25点です。
お楽しみいただければ幸いです。


1.相澤遥奈子

『Iroai palette』
意図しない色の混ざりを楽しむパレット

1_相澤

色の新しい出会い(色逢い)を発見し、偶然意図しない色が生まれる事を楽しむパレットのデザインを考えました。
3 色の絵の具、3 種類のパレットから生まれる子ども達の多様性を制作過程の痕跡とともに視覚化し、その差異を展示で発見して楽しんでいただけたら幸いです。また、今回、展示をするにあたり、中町幼稚園様の年長さんにご協力いただきました。


2.岡村優華

『人のシズル感』
無意識の感情の形

2_岡村

人間は体温調調整以外にも、様々な要因で体の外へ水分 を分泌する。それらの水分の形は人間だけにしかない情緒であり、妖艶さであり、シズル感であると感じた。


3.岡本直也

『Paper』
紙という素材での特性と変化の研究

3_岡本

私たちは今一度、紙という素材の本質を見つめ直す必要がある。紙の持つポテンシャルは、まだまだ計り知れない。現時点では、紙というものの認識が少しずつ変わってきているように感じる。それは、世の中に紙を使ったデザインが普及しつつあるからだ。そんな紙の価値が再認識される今だからこそ、この作品では、潜在的な紙の美しさや、動き、質感など、根底からの素材にアプローチし、新しい紙の特性や変化を見つけ出していく、その特性や変化を軸に紙ならではのプロダクトの可能性を感じ、紙という素材の価値の再認識をしてもらうことが最終的な目的である。


4.小野泉

『紙のスキマ』
生活の紙をモチーフにした照明作品

4_小野

鼻をかむティッシュ、毎朝の牛乳、チョコレートの空き箱… 生活の中にある、紙でできたものたちをモチーフにした照明を作りました。ミシン目や注ぎ口の隙間から、光と愛おしさが溢れ出す作品です。


5.小宮山梢

『街を確かめる』
ある街を眺めるための装置

5_小宮山

"私たちの住む街では、人々が同時並行に 好き勝手な行動をしています。
その動きは、何か見えないルールに制御されているように感じることがあります。
例えば街を歩くとき、人は「建物を避けて移動する」というルールを無意識に守っています。
このように環境と関わることで生まれる人々の動きを、一度に眺めて見たいと思い 形にしました。"


6.坂本理恵

『RUBBER BANDS COLLECTION』
色彩豊かな、飴色。

6_坂本

"機能性や希少性にものの価値観を重視している社会に、誰も気がつかない性質を模索し着想に至った。機能性が多いに特化しているものの、大量生産のため、人々に大事に扱われていない輪ゴムに目をつけた。輪ゴムのマットな質感、高弾力性。透け感、美しい飴色に気づいた。この特性を使い人々の価値観に訴えられるものである「服」を選んだ。どのような体型にもフィットすることができる新しい輪ゴムの価値を見出した。
素材提供:株式会社 共和様(オーバンド)"


7.笹原美裕

『Material of me』
自身の過去体験のイラスト

7_笹原

大学生活中、「あの時〇〇したから、今〇〇だな」と感じることがよくありました。その実感から、今まで出会った人、行った場所、そこで感じたこと等が自分自身を作るものなのだと考えました。その過去体験を、4 年間で最も得意だと感じた「イラストレーション」で、自分らしいと感じた「量産する」表現に仕上げた作品です。


8.鈴木泰成

『Nails』
sculpture made of nails

8_鈴木

"くぎ【釘】
螺部を持たない略棒状の本体を槌等で打ち込むことによって、材木・板などを結合する固着具。
「ー付け」「ーを指す」「糠にー」"


9.鈴木日苗

『未来のアイメイク』
アイメイクをテーマにした目の模型

9_鈴木

実際の目とは違う、模型でのアイメイクでの見え方の面白さと、未来のトレンドや提言を表現した。また、普段のアイメイクで使われることのないLEDライトや、1/120スケールの人の模型など素材を駆使して新しいアイメイクを制作した。


10.田中美紗都

『Blooming paper』
四角という形にとらわれない新しい包装紙の提案

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"ひらいたときに一番美しい包装紙を制作した。
既存の包装紙は表に柄があり包まれている状態はとても華やかである。しかしそれは正しいだろうか。贈り物は包装をひらいて取り出す時が一番嬉しい時であるが、表の柄はその気持ちに作用をもたらしてはいない。その考えから私は内側に柄のある包装紙を考えた。またその柄、形は包装を"ひらく"、花が"ひらく"という動作の親和性から花の意匠を施した。"


11.積田由依

『FORM OF THE WATER』
水の形の研究。

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水の形を研究しました。水には留まろうとする形や、重力によってたわむ形、振動による揺らめき、つたう、転がるなどの動きの魅力があります。また、「水とはこうであるだろう」という記憶があります。毎日見ている水が、触れているものによって変化する驚きや愛らしさを作品にしました。


12.藤後麻理絵

『存在する光』
光の性質を使った新しい空間映像表現

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私たちは光のあたっている面を見て初めて光を知覚する。それは面であり、私たちが見ている光は平面なのである。しかし、実際は見えていないだけで、光は私たちのすぐ横を通っているのだ。「光は物質に当たらないと見えない」という特性を使い、「光は立体である」という新しい映像としての立体作品を制作した。


13.德永二紀

『OOU(オオウ)』
"Keep your space.  あなたの隠れ家を作る服。"

13_徳永

"どこもかしこも、人、人、人。

人に囲まれすぎると、ひとりになりたくなってくる。

襟を立て、えりをのばし、
外界と隔たりをつくる。

かぶることで、つけることで、
視界をぼやけさせる。

そうするだけで、外にいながらにして、
閉鎖的な空間をつくることができてしまうのだ。"


14.樋口あさ

『sencil』
1本の線で飾れるステンシル

14_樋口

"昔からあるリングやピアス、ブレスレットのような装飾をタトゥーのように身体どこにでも、メイクのように好きな時につけ、落とすことができます。
人間の骨格や肉質による凹凸起伏は個体によって様々で、ほどこした一本の直線はその人その部分特有の線になります。また、ステンシルのように誰でも手軽に簡単につけれるようなツールとパッケージも考えました。"


15.村松あおい

『GENDER』
無意識に感じてしまうもの

15_村松

先入観からなんとなく感じてしまう性別の違いを発見し、中性的な人物1人を使い2枚1セットにしてシンプルなイラストで表現したイラストレーション作品


16.MA WENJIN

『Future Food Samples』
未来の世界と未来の食べ物のデザインフィクション

16_マ

100 年後、200 年後先の食生活はどうなるでしょう。テクノロジーの発展と今後顕在化して行く社会問題の背景では、食べ物はどのような変化をするでしょうか。こちらの作品は、未来の世界という背景の下で誕生され様々の異色な食べ物を想像し、具現化させる作品です。


17.山本さら

『3D printed sculpture』
-肌理の印刷-

17_山本

3Dプリンターの積層造形や素材の色、質感などの特徴を生かし生活の「もの」を表現することに挑みました。物に対して人が共通に抱いているニュアンスを探し当て、表現しようとミクロとマクロな視点で「もの」と向き合った作品です。


18.山本優衣

『GYO-RETSU MUSEUM』
日本のメンタリティを価値化する

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日本では、列に並ぶことが習慣化されています。日本人の成す行列には、待つ、整える、気遣うなどの特有の精神性が現れます。混雑した状況でも順を守り、美しく並ぶ日本人の行列は、もはや日本のメンタリティそのものと言えるのではないでしょうか。この「行列」をテーマに、日本の精神性を可視化し、その特異性を伝えることを目的とした新たな観光資源として、「GYO-RETSU MUSEUM」を製作しました。


19.和田かのん

『siki』
伝統的な防水加工を応用した紙の食器


"過去の人々の暮らしにおいて、紙が大きな役割を担っていた時代がある。当時は着物から箪笥、水筒までに紙が使われていた。
現代では、電子媒体が活躍している。私自身もデジタル化の恩恵を受ける一人だが、時折紙のあの質感が恋しくなる。
そんな気持ちから、紙をこれまでとは少し違う角度で現代に取り入れる方法として紙の食器を制作した。"


20.渡辺由香

『watashi-remake』
被災地のための新しい救援物資

20_渡辺

"日本では今まで多くの災害があり、その度にたくさんの救援物資が送られてきました。
しかし、被災者は災害のストレスや心の悲しみから普段の生活に戻ることができない実情があります。
そこで新しい救援物資としてwatashi-remake という化粧品を使いわたしを取り戻すことができる物資を考えました。
watashi-remake では避難期から復興期にかけて使用し、自らのケアとお互いに励まし合うケアをする事で心を取り戻すことができます。"


21.林昭榮

『ならびアニメ』
並べた3つの映像を、1つの組み作品に。

21_林

"「ならびアニメ」は、3つのアニメーションから構成されるインスタレーション作品です。 "奥行き方向に3つ、 映像を並べる"という作品フォーマットを考案し、 そのフォーマットに適したアニメーション表現やメディアの扱い方を追求しました。 並べた3つのアニメーションを 物理的または構造的に関連付けることで、1つの組作品として成立するように制作しました。"


22.中迫優理子

『流動的なグラフィック』
印刷物の秩序を応用したインスタレーション

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印刷物は大小様々な点の集合体である。これを 3 次元化することで紙や映像ではできない新しい表現や体験を生み出せないかと考え、この作品を制作した。


23.Liu Yuanyang

『YAKU』
生活空間に楽しいサウンドエフェクトをもたらす
“不意な音で驚かせる水道具との出会い”

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「Yaku」は、生活空間に面白みのあるサウンドエフェクトをもたらすことを前提に、水の運動による発音のメカニズムを日常生活にありふれている水道具に応用し、サプライズ的な癒しの体験を作るというシリーズである。


24.Li Haotian

「A5052」
一枚のアルミ板からのプロダクトデザイン

24_リ

これは必要ない装飾を排除したような「ミニマリズム」美学を込めた作品です。一枚のアルミ板を最小限のデザインで機能を発生することで、何が余計な要素で何が不適正な構造で何が最適解かを知ることができます。


25.Liu Xi

『定 形』
物の性質の彫刻

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物はそれぞれに性質を持っている。物の性質の中に、人が気付いていない真実が潜んでいる。「定形」とは、物の性質に対する気付きを定形にする彫刻である。

※順不同

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