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【卒展2024 Making Process】#08 会場イベント

イベントの開催

卒展当日は新設された食堂として使われているMENSAを交流の場とし、クロスレビューが行われる20日を除き、毎日イベントを開催しました。
統合デザイン学科の卒業生は毎年140名を超え、卒業作品すべてを見るのはかなり体力がいります。食堂はあるものの、14時には営業を終了するため休憩所としてはものさびしい印象でした。

常に何かしらのイベントがあり、賑やかな場にするため3つの取り組みを行いました。

1. 学生トークショー

これまで「各プロジェクトの学生や教授が普段どんな話をしているか聞いてみたい」、「ゼミを選択する前に先輩から話を聞きたい」という要望を何度か耳にしていました。

卒業制作はあくまで成果発表の場のため、その制作の裏にどんな意図や学びがあったのかはなかなか伝わりづらい側面があります。例年は教授陣のトークをSNSで発信していましたが、学生とのやりとりは発信されていませんでした。
学生との会話を聞いてもらうことでより身近に大学での学びを感じてもらえるのではないかと考え、計画しました。

プロジェクトから7人ほど登壇者を募り、好きなように企画してもらいました。
卒展の制作プロセスを話すプロジェクトもあれば、深澤プロジェクトではご飯を持ち寄って座談会を行いました。

初めての試みで、形式が定まっていないことがむしろ各プロジェクトの色が現れる結果となりました。

トークショーで登壇した学生の印象を話す場面もあり、参加した学生にとっても刺激のある会となりました。

2. 共有地/知のデザイン(西山萌さんによるワークショップ)

卒業制作展最終日は、統合デザイン学科1期生の卒業生であり、編集者して活躍される西山萌さんをお呼びし、「共有地/知のデザイン」というワークショップを行いました。

委員から西山さんに、卒業制作展最終日という大学生活の学びが終わる日に、みんなが何を考え、これから先何を見据えているのか共有しあう場を作りたいとご相談し、快諾していただきました。
「いきなり卒展で話すのではなく、まずはみんなの話を聞いてみよう」ということで、12月に米一合とおかずを持ち寄る「西山萌さんと同じ釜の飯を食べる会」を開催しました。

元々面識のない1年生から4年生までたくさんの学生が集まり、ざっくばらんに現在興味のあることを話し合いました。
はじめは普段の制作の話をしていたつもりが、次第に1000年後のデザインはどうなっているのか、伝えるとは、宇宙とは・・・と壮大なテーマになっていきました。

この時の内容を踏まえて、100年後の言葉について考える「共有地/知のデザイン」ワークショップが生まれました。
人を傷つける道具、原因となる一方で、芸術にもなり、伝える道具として用いられる「言葉」について、「編集者・粘菌」である西山さんと一緒に考えるといった内容でした。

このワークショップでは、事前に参加者を募らずその場に集まった来場者同士が共通のテーマについて語り合う形式としました。

告知文と当日話した7つの問いを引用します。

形あるものは、やがて消えていきます。では形なきものは…?この先の未来に、私たちはなにを共有できるのか。あるいはのこし、伝えることができるのか。分裂、分解しそうな世界で、それでも生き物として、ひととしての私たちを繋ぎとめるものはなんなのか。統合1期生でもある編集者・西山萌氏を迎え、100年後に向けてあらたな「言葉」をデザインすることについて考えます。

問-01
言葉とはなんのためのもの?どんな存在に対して、どんなときにつかうもの?
問-02
共有するとはどんなこと?今ここで、私たちが「共有している」と思うことをあげてみてください。
問-03
言葉を通じて、私たちはなにを共有しているのだろう?
問-04
もし私たちが言葉を持たなかったら、どんな共有の仕方があるだろう?(そもそもどんな存在と共有したい?する必要がある?)
問-05
共有できないものは?共有してはいけないものはあるだろうか?
問-06
言葉の形について。
言葉にはどんなメディウム(媒体)があるだろうか?
100年後も残るメディウムとして何が有効だろう?
問-07
言葉の弊害について。言葉がなかったとしたら?
100年後、コミュニケーションの形はどうなっている?

無作為に集まった参加者同士が、会場では非常に活発に議論していました。
特に学生にとっては大学外の方とここまで意見を共有する機会がないので、別の領域からの考えはとても興味深かかったです。
当初予定していた終了時刻を過ぎてもワークショップは終わらず、卒業制作展の締めくくりにふさわしい会となりました。

3. TOGO CAFE

卒展期間中、MENSA内でコーヒーやラテが楽しめるTOGO CAFEを営業しました。

TOGO CAFEとは、1~3年生中心の学科内のサークルで、新入生歓迎会やオープンキャンパスなどの行事ごとに活動を行なっていました。
「卒展で歩き疲れてカフェに寄っていた」という声から、学内で一息つく場としてMENSAにカフェコーナーを用意しようと卒展委員から声をかけました。

初めての試みで、集客の問題や飲み物の展示会場への持ち込みなど、懸念点はいくつかありましたが、問題なく運営を行えました。
先生方からの評価もよく、「ぜひ常駐してほしい」と言われるほどでした。

トークショーやワークショップでもTOGO CAFEの飲み物を片手に参加する様子も見られ、満足感の高い取り組みとなりました。

TOGO CAFEではSNSを運用しています。
学内での活動など発信していますので、統合生はチェックしてみてください。

最後に

新設されたMENSAを活用した新しい試みで、参考にできる事例がない中での運営でした。スタッフも本番当日までどうなるのか想像がつかない状態でした。
「そもそも卒展という成果発表の場に、イベントは必要なのか」という議論もありましたが、はじめのテーマであった「お祭り」を貫くこと、次年度以降のために卒展の幅を広げることを目的に実行しました。

結果として、どれも評判が良くとても意義のある取り組みとなりました。
企画を快諾してくださった先生方、卒業生のみなさま、ワークショップの開催のみならず卒展のあらゆることに協力してくださった西山萌さん、TOGO CAFEのスタッフのみなさん、すべての方にお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

次年度以降も、引き続き卒展が面白くなることを楽しみにしています。

イベント班
野村侑加、柴田俊明、渡部佳怜、有本怜生、藤井菫

カフェ運営
TOGO CAFE

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