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【卒展2021 Making Process】 #06 サイン計画

サイン班統括
森 なつき
(もり なつき)
多摩美術大学統合デザイン学科4期生
永井一史・岡室健プロジェクト所属


こんにちは、サイン班総括の森です。
サイン班は展示会場のグラフィックや誘導サイン、当日パンフレットなどの制作を担当しました。
今回はサインの制作プロセスについて紹介したいと思います。


1. 課題

サイン班では以下の二つのことを意識して制作しました。

1. 誘導の情報を強化して、鑑賞者がストレスなく展示を楽しめるようにする
上野毛キャンパスを知らない人にも分かりやすいサインを目指し、卒展を楽しんでもらうことがまず第一にあります。

2. サインによってコロナの注意喚起や対策を行う
会場内での三密状態を避けるため、キャプションの大きさや部屋の出入り口を区別するなどの工夫が必要でした。また、受付付近のグラフィックや当日パンフレットにコロナ対策の説明を記載し、鑑賞者への注意喚起も取り組みました。

これらの点をふまえ、制作物ごとに完成までの道のりをご紹介します。


2. 当日パンフレットについて

1で紹介した誘導の強化という目標達成のため、当日パンフレットの見直しをしていきました。メインビジュアルの世界観を保ちつつ、パンフレットの役割果たすための形状を検討していきました。

<メインビジュアルの要素>
・正方形のアイコン
・カラフルな図像が羅列している
・DMやInstagramなど横長の構成

<パンフレットの要素>
・持ち歩きやすい形状
・検索性が高い(情報にアクセスしやすい)

画像24

※参考 卒展DM

上記のことをふまえ、見開きで正方形になるジャバラ本のパンフレットに決定しました。

パンフ

※パンフレットの裏面


また、裏面を全てビジュアルにすることでメインビジュアルの魅力を最大限活かすようにしました。

中身の情報は
・上野毛校舎の構造が分かりやすいマップ
・情報は最小限にとどめる
・館内のサインとリンクした色分け

など考慮してアイコンの検討や文章のレイアウトを組んでいきました。

アイコン

アイコン02


※試行錯誤を繰り返します

マップはアイソメ図(斜め見下ろしから見た図)を用いて上野毛校舎を棟ごとに見られるようにしました。

パンフ07

文字間やアイコンのひとつひとつにこだわり、メンバーと連携を取りながら制作を進めていきました。

パンフ05

パンフ02

ビジュアルの魅力を最大限活かした、持ち帰りたくなるようなパンフレットになったと思います。

3. 会場サインについて

来場者がストレスなく展示を回れるよう、サインの設置場所とどのような媒体でサインを表記するかを検討していきました。

バナーラフ

※バナーを各棟の入り口に設置 直感的に展示会場がわかるよう設計

試作

※設置するサインの検証

夏ごろから設置場所の検討や素材検証などを重ねていきました。

玄関_バナー

2号館_バナー03web]

館内マップ

中庭_サイン

矢印_赤

館内マップは当日パンフレットのマップと同じアイソメ図で表記し、全てのサインは棟ごとに赤、緑、青に色分けされています。

4. 作品キャプションについて

キャプションとは作品の説明を記載したものです。

卒業制作展に参加する学生130人以上のさまざまな文章形態に対応でき、読みやすいキャプションでなければなりません。
また、コロナ対策の一環としてキャプションの大きさなどを工夫し、鑑賞者同士が近づきすぎないようにする必要がありました。

キャプション

※文字間やフォントを詰めていきます

最終的なキャプションはH265 × W175(mm)というサイズに落ち着き、少し大きめのサイズになりました。

使用フォントは見出しミンMA31と英字にはMinion Variable Conceptを使用し、ビジュアルの世界観との統一感を持たせました。

キャプション02


5. メインビジュアルについて

メインビジュアルが使用されるのは、校舎に入ってすぐの玄関口の壁と1号館1階の研究室前の壁の2箇所です。玄関は高さ3m幅6.6m、研究室前は高さ2.4m幅10mの壁ですが、その一面を覆う巨大なグラフィックを制作しました。

大判作業05

この制作にはメインビジュアルを担当した堀さんと山本さんが不可欠でした。サイズとパネル加工の方法と設置方法をサイン班で検討し、構成やデータ作成は2人と連携しながら進めていきました。

設営期間では3号館スタジオを作業スペースにして、パネル加工作業が迅速に、そして臨機応変に進められました。

大判作業06

大判作業04

※大判印刷からパネル加工、設置まで全て生徒のみで作り上げていきました。

完成したメインビジュアルです。

玄関ビジュアル

研究室前01


6. 最後に

最終的なカタチになるには、全ての制作物が目に見えない試行錯誤の積み重ねによって完成を迎えています。

また、サイン班とメインビジュアル担当の堀さん山本さんの気遣いが各所に散りばめられたサインになったと思います。

キャプション03

パンフ07

※作品キャプション、館内マップは全てVカット加工がされていたり、
マップの角が丸く微調整されていたりします。

サイン班の制作物は種類も部数も多くて、本当にたくさんの人の協力がなければ完成まで辿り着くことができませんでした。

協力してくださった皆様、本当にありがとうございました。


サイン総括 
森なつき

企画・制作
山下蓮佳 榊原由里乃 須田いずみ 星菜生子 矢作唯

協力・メインビジュアル
堀聖悟 山本和幸

サイン制作・設置
4期生、他学年の協力してくださった学生の皆さま



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