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「男だから... 」という考えからの解放


はじめに

最近、学生と話している中で、このような話題になりました。

「やっぱり、自分は男だから稼ぎたいんですよね。」

「なんでですか?」

「だって、家族を養わないといけないじゃないですか。」

「最近は男女平等が掲げられているじゃないですか。女性も働きますし、男性が稼がないといけないとは限らないですよ?」

「でも、どうしても女性は出産とか、仕事から離れないといけない時期があるじゃないですか。やっぱり男性に安定した収入がないと。」

皆さんはどう思われますか?

今回の記事では、女性に期待される「女性の役割」と同じように、男性に期待される「男性の役割」に対するなんとなくのモヤモヤを深掘りしてみました。

「男だから」というプレッシャー

実は、女性の問題について研究する学問領域があるように、男性の問題についても、男性学という学問で研究が進められています。

男性学とは
「男らしさ」に焦点を当て、それが社会的、歴史的、文化的にどのように構築されてきたかを問う。
男性を脱標準化させて、女性と同じく「ジェンダー化された存在」として捉えることや、男性内の多様性や権力関係について注目する。

参考:多賀太(2019)「男性学・男性性研究の視点と方法ージェンダーポリティクスと理論的射程の拡張ー」『国際ジェンダー学会誌』17. p8-28.

男性を脱標準化させるというのは、これまで無意識に男性=一般、女性=特殊とする考え方から、男性も女性と同じく性的に特殊であることを意識化することです。

例えば、定年まで働き続ける人(=主に男性)が労働者として標準で、結婚等により退職する人(=主に女性)が特殊であるという暗黙の見方があります。

この暗黙の見方について、そもそもこれまで標準とされていた男性のあり方も、ジェンダー化された特殊なものとして問い直すという考え方です。

また、これまで一枚岩に見られていた男性の中にも社会的弱者を含めた様々な属性の人がいることや、男性間にも階級差や権力の関係が見られることなどにも注目している学問です。

その中で男性が抱える問題の具体例としては、以下のような問題が紹介されています。

・「稼ぎ手」としての役割を自他ともに期待している
・男性に対するサポートが少なく、孤立しやすい
・相談することが「男性らしくない」とされ、相談しにくい
・男性の自殺率が高い

参考:飯野智子(2018)「男性学・男性研究と今日の男性問題についての考察」『実践女子大学短期大学大学部紀要』39. p51-67.

学生との会話で出てきた「男だから稼がなきゃ」という考え方も、周囲からの期待と、そして男性自らが「稼ぎ手」としての役割を規定しているからこその考え方だと言えそうです。

男性問題の複雑さ

他方で、男性問題が複雑なのは、「男の生きづらさ」があるといっても、社会全体の構造として男性優位が保たれていること。

男性問題のみに着目しすぎることは、男女間の不平等を問題視する女性に対して、「男だって辛い」「男の方が辛い」と主張し「だから、お前たちも我慢しろ」という結論に繋がりかねず、望まぬ役割が設けられた現状が維持され続け、男性にとっても女性にとっても生きづらい社会が続いていくことに繋がってしまう可能性もあります。

また、男性問題の原因が「男らしさ」から生じる問題であることも考えなければいけません。

「相談することは男らしくないから、相談しにくい」
「性被害を受けていることは男らしくないから、誰にも言えない」
「収入が高くなければ、男らしくない」

というように、「男らしさ」に縛られることで生じている問題が多くあります。

さらに、性別役割分業がいまだに残っているからこそ、男性問題が生じているという側面もあります。

男女間の賃金の格差や、育児・家事などを女性が主に負担するという構造が変化していないからこそ、「男性が稼がないといけない」という主張が正当化されてしまいます。

先ほどの学生との会話でも、育児や出産によって女性が仕事から離れなければいけない時期があるからこそ、男性がしっかりと稼がないといけないという意見がありました。

しかし、むしろ男性も育児をすることができ、女性が出産しても仕事に早く復帰できる環境を作ることが必要であると考えられます。

「男性問題」を考える上で、「だから女性も我慢するべき」「男性の方がむしろ辛い」という結論に陥ることなく、「男らしさ」そのものを問い直す視点や、男女平等が進まない社会では男性も生きづらいという視点を持つことが重要です。

男女平等の世界に向けて

男女雇用機会均等法では、業務を行う上で特別な理由がない限り、性別を制限することは性差別として禁止されています。

しかし、「男性だから」「女性だから」といった考え方はまだまだ多く見られます。

「男子学生なら採用したらバリバリ働くだろう」といったバイアスを持つことは、女子学生の採用を不利にするだけではなく、男子学生も苦しめてしまう可能性があります。

また、「自分は男性だから稼がないといけない」という考え方で就活を進めてしまうと、自分の将来の選択肢を減らすことにも繋がりかねません。

男女平等は、女性の立場を引き上げていくことだけではなく、男性に負わされていた役目や「男らしさ」によって生きづらさを感じている男性を自由にすることにもつながります。

男女がともに「男性だから」「女性だから」という考え方から解放され、生き生きと過ごせる社会の構築を目指していくことが重要ではないでしょうか。


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