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2020年の11月末までの交通事故死者数は前年比-11.1%、死者数ワーストは愛知県。

早いものでもう12月、今年も残すところ1か月のみです。中の人の内の1人は愛知県出身なのですが、一部の愛知県民はこの時期になると交通事故死者数が気になりだします。昨年は17年ぶりに全国ワーストを回避したのですが、今年は再び愛知県が全国ワーストとなりそうです。
→東京都が155人、愛知県が154人と東京都が全国ワーストという結果になりました。

今回はこの交通事故死者数について11月末時点での数値を紹介していきます。

参考:https://www.itarda.or.jp/report/2020-11-30

交通事故死者の定義について

最初に、どのような場合について交通事故死者数にカウントされるのか紹介しておきます。日本において一般的に用いられている交通事故の死者数は交通事故発生後24時間以内に死亡した者の数を集計したものです(24時間死者)。例えば、事故後1週間意識不明の状態が続いて、その後死亡したという場合はカウントされません。このページで紹介する死者数もこの24時間死者です。

事故後1週間意識不明で、その後死亡したような人もカウントする統計はないかというと、24時間以内ではなく30日以内に死亡する者を集計した30日以内死者というものがあります。24時間以内死者と同様、警察庁が集計していますが、公表されるのは1年に1回と毎月公表されている24時間死者と隔たりがあります。

ちなみに、2019年の24時間死者は3,215人なのに対し、30日以内死者は3,920人と1.22倍でした。2018年は1.18倍、2017年は1.20倍、2016年は1.20倍、2015年は1.19倍となっています。

全国の交通事故死者数

それでは、全国の交通事故死者数について紹介します。

11月末時点での全国の交通事故死者数は速報値で2,541人です。昨年は11月末時点で2,859人だったので、前年と比べて318人、11.1%の減少です。コロナ禍による外出自粛で交通量が減っていることもあり、昨年に続いて統計が残る1948年以降での死者数最小を更新しそうです。

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交通事故死者数の都道府県別ベスト5、ワースト5

続いて、11月末時点での都道府県別の交通事故死者数のベスト5、ワースト5を紹介します。死者が少ない方がベスト5、多い方がワースト5です。

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交通事故死者数が最も少ないのが鳥取県の16人で、以後、山梨県と島根県の17人、和歌山県の18人、徳島県と沖縄県の19人と続きます。ちなみに、昨年1年間で最も少なかったのが山梨県と島根県で25人、11月末時点では島根県で22人でした。

逆に、交通事故死者数が最も多いのが愛知県の141人で、以後、東京都の133人、北海道の126人、神奈川県の125人、千葉県の117人と続きます。昨年1年間で最も多かったのは千葉県で172人、11月末時点でも千葉県で148人でした。昨年ワーストだった千葉県では大きく死者数を減らしています。

昨年からの増減数ベスト5、ワースト5

昨年の11月末時点での死者数からの増減数のベスト5、ワースト5を紹介します。

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昨年から最も大きく減らしたのが岐阜県の-38人で、以後、千葉県の-31人、栃木県の-23人、茨城県と兵庫県の-22人と続きます。

逆に昨年から最も大きく増えたのが静岡県の+16人で、以後、東京都の+15人、石川県の+13人、香川県の+10人、福井県の+9人と続きます。昨年から死者数が増えてしまっているのは9都県で、残りの4県は愛媛県(+5人)、長崎県(+2人)、大分県(+2人)、神奈川県(+1人)です。

人口10万人あたりの交通事故死者数ベスト5、ワースト5

単純な交通事故死者数だと人口の少ない県に有利なため、人口10万人あたりの交通事故死者数のベスト5、ワースト5についても紹介します。人口は平成30年の推計人口を用いています。

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人口10万人あたりで最も交通事故死者数が少ないのは東京都の0.96人です。以後、大阪府の1.25人、沖縄県の1.31人、神奈川県の1.36人、埼玉県の1.41人と続きます。東京都は単純な交通事故死者数だとワースト2位でしたが、人口10万人あたりだと最も少なくなります。

逆に、人口10万人あたりで最も交通事故死者数が多いのは香川県の5.61人です。以後、福井県の4.65人、高知県の4.39人、三重県の3.85人、佐賀県の3.66人と続きます。交通事故による死者は高齢者が多く、単純な交通事故死者数のランキングとは異なる様相を見せます。

ちなみに、単純な交通事故死者数でワーストの愛知県は1.87人で(良い方から)13位と健闘しています。

最後に

11月末時点の死者数から増えないのが理想ではあるのですが、残念ながら12月は例年、交通死亡事故が特に多くなる月です。交通死亡事故ゼロを目指し、交通安全に気を付けるようにしましょう。

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