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どこまでも

仕事で昇進の類の話がきた。
まだどうなるかわからないけれど、まずは私の意志の確認だという。
今までずっと逃げてきた。仕事はさっさと切り上げて、重責からもすっと逃げたい、帰って筋トレしたい(笑)。でももうそうも言ってられない。なにより、仕事が結構面白くなってきたし、海外出張ももっとしたい。今まで娘のことが気になってたけれど、そして今でも常に心配だけど、結局私がどう考えて、どうフォローしたとしても、変わるのは本人次第。私でなんとか変えられるというのは、烏滸がましいこと、とそろそろ認めなければいけない。やれることは「見守る」。ただそれだけなのだろう。(といっても、日々口うるさいし、すぐキレる母ではある)

どうしようかなと思いつつ、前から打診はあったので、その場で「よろしくお願いします」といった。まだ決定ではないし、候補に過ぎないから。

kにLINEしてみた。
「めんどくさいって思ってたけど、流れに任せてやってみようかなと」

そしたらすぐ返事がきた。

やったらいいと思うわ。
自分は見失わないようにしつつも、流れに任せて、むしろ大きめにいけるとこまで、どこまでも行ったらいいと思うわ
安全安心に、既知に囲まれて。失敗をなるべく少なくして生きようという目標が逆に最大の失敗に直結してる気がするしな
めんどくさくて、恐怖心がある方が進むべき道とか言うしね

「むしろ大きめにいけるとこまで。どこまでも行ったらいい」


いい言葉だな。
何度も読み返しちゃった。私のことなんてこれっぽっちも頭にないkだから、次、「会おう」って連絡きたら、「うーん、今はいいかな」ってクールに返事してやろう、って思ってたのに。

kに会えて本当によかった
コロナ騒動の時差出勤とかで退社時間が一緒になったり、小さな偶然が重なったり、kも私も出会うべくして出会った。私が私であるために、kとの出会いは必須だった。仕事での自分と自分の奥底の自分と、本質の自分と。私が私自身に出会うためにkは必要な人だった。
私の感性を掘り起こしたのは、k以外にはいなかった。
セックスもそう。私はk以上に自分を曝け出せるセックスをしたことがないし、きっともう出会えない。朝から晩まで交じり合って、気がつけば2桁近い日もあるのに、「満足した?」「したけど、まだ」なんて言える人はいない。いつでもどんな時でも、安心して自分を曝け出せた。煌々とした明るい空間で、ずっと。乱れた自分もすべて目を逸らさず。

まあ、きっと。やっぱり、会うって聞かれたら会うんだろうな。4ヶ月ぶりに会った時も、五分ぐらいずっと動かず唇を重ねた。元々そういう形であったかのように、自然に、激しく求める感情とはまた別に。

あっ。ちょっと気がついちゃった。
もし私が、「マッチングアプリ作ってもらうんだー!」とか「新しい出会いを探そうと思うんだー」って言っても、上記のコメントするだろうなkは。

「大きく、どこまでもいったらいい」

うん。私はどこまでもいってみるよ。
私の一部のkへ。

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