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おしゃれなスパルタ

僕はおしゃれが好きだ。UNIQLOや無印などシンプルな格好をメインにしつつもどこか人と違うおしゃれをしたい。ささやかなおしゃれをプラスして気分よく過ごしたい。

自分のためのおしゃれ。誰にも邪魔されない不可侵領域。
気づいてくれる人にはありがたいと思いつつも、少し恥ずかしくなってしまうそんなおしゃれ。勝負下着とかね。

そんな僕が、「2020年これは買ってよかったもの」としてお勧めしたいのは


ネイルです。


One Directionのハリー・スタイルズだってスカートを履くんだ。
僕がネイルしても何にも不思議じゃない。


ネイルをしたきっかけは友達の家に遊びに行ったとき、友達の奥さんが足の爪を塗ろうとしていたので、「ちょっと試しにやってみてよ」とお願いしたことから。

やってもらって、純粋に綺麗だと思った。

その後会社の人達と出張することになり、一緒に温泉に入るかもしれないのでネイルを落とした。ただその時、もったいないと思ったのだ。

試しに値段を見てみたら1000円ほどだったので、Amazonでポチッとした。何だか買いにくいものを買えるのもAmazonのいいところ。せっかくなので僕が愛してやまないネイビーのネイルを買った。ネイビーを使いこなしている人って大人っぽくないですか?

ついでにネイルの起源を調べてみた。

紀元前3000 - 4000年ごろの古代エジプトには、すでに爪に着色をする文化があったことがミイラなどで確認できる。ヘナなどの植物性の染料を用い、位の高い人間ほど濃い色で着彩されていたとみられる。(Wikipediaより)

古代エジプトの位が高い人とはいいじゃないか。しかもネイビーは色が濃い。これはこれは、気分がいい。


働いている最中にAmazonから配達完了メールが来た。ちょっとそわそわ。
帰宅しポストを開けると、そこには茶色い封筒が。見られていないか気にしながら持ち帰った。(誰にだ。)


初めてのセルフネイル。うまく塗れるわけもなく、でこぼこ具合がひどい。いや、油絵からインスピレーションを受けたと思っておこう。
それでも純度100%の自分のためだけのおしゃれ。全然気にならなかった。


好きだからやってはみたものの、やっぱり気になるのは人の目である。僕はハリー・スタイルズではないからね。
「男なのにネイルなんて」とかはまだしも「気持ち悪い」とか言われるのは最悪だ。
そのそわそわを払拭するべく、友達にどう言われるか試してみた。


10年仲良くしている大学の男友達を自宅に呼んだ。

友達:「おー久しぶり!!」

僕:「おー久しぶり!!」

友達が特に何も言わないまま時間がすぎた。相手が気づいているのかはわからない。そわそわして話が全然入ってこない。いくら付き合いが長いとはいえ、これを機に変な奴だなと思われたら、今までの付き合いが無駄になってしまう。そんなことは絶対に避けたい。もうすごいそわそわしてた。



結果、友達は何も言わずに帰った。



もう!!!
(せっかくのお洒落に気づいてもらえない彼女のような乙女心を手に入れてしまった。)


2人目も大学の友達を呼んだ。
彼もまた10年の付き合いなので、簡単に僕から離れていかないプランの保険をかけている。

ピザを頬張りながら、ビールを飲んでいるとその時はきた。

友人:「爪どうしたの?!」

ギクッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!

久しぶりの濃厚なチーズと照り焼きチキンの美味しさで頭がいっぱいだった。心の準備があわわわわな頭が導き出した答えは、

僕:「友達にやってもらった。」(嘘ついちゃった)

友人:「なんか、思いの外綺麗じゃん」

僕:(ほっっっ)

思っていたより、世界は寛容でした。
そりゃそうだ。
おしゃれ1つで離れていくような人はこっちから願い下げだぜ!

友達のお墨付き(?)をもらい、不安がなくなった僕は、純粋におしゃれを楽しめるようになった。それからというものの頭の中が騒がしい。


いつもの自分でいつもの服装なのに、足を意識すれば気分が上がる。どこからかピアノが流れ、足取りは軽い。平井堅ばりのキラキラのポップスターである。


1番良かったのは、自分を強く保ちたい日だ。つま先を露出する機会はほとんどないので、誰にもわからない。だけど僕だけが知っている。
僕がいつもよりおしゃれをしていることを。

おしゃれ is パワー。

爪が僕のパワースポット。

よくわからんけど、爪から何かが溢れ出ている。

僕が谷川俊太郎さんなら、目に見えないエネルギーの流れは爪から出てることにする。

気持ちが強くなった僕は、いつでもどこでも大股でゆっくり歩くことで、谷を闊歩するスパルタに変身する。映画「300」のレオニダスのごとし。

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仕事で失敗した帰り道も、読み返したら消したくなるようなへんちくりんなLINEを送ってしまった時も、たじろぎませんでした。自分スパルタなんで。


OSYARE IS POWEEEER !!!!!!!!!!(cv:レオニダス) 



買ってみて、そして自分でやってみてとってもいいものでした。

実際に体験したことで感じたことがある。思いのほか時間がかかることと爪の長さや形など考えることが沢山あったことだ。考えるだけで脳のキャパシティを使うだろう。そして、毎日の剃毛やメイクならもっと時間がかかるだろう。なんかもう今まで気づいてあげれなくてごめんね。

これからは、もしパートナーがおしゃれに時間をかけたとしても、イライラはしないだろう。おしゃれに費やした努力に気付き、一緒に喜び、褒め合いたい。

メンズメイクや剃毛など、男性の美容業界は盛り上がっているのは間違いない。性別を問わずいろんなおしゃれを楽しんでいる人たちが愛おしい。

あなたが好きな、あなただけのおしゃれ、世の中の全てをとっぱらって楽しんじゃおうぜ。



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