[決算][Walgreens Boots Alliance] 2023年度(2022年9月~2023年8月)
オリジナルデータ
2023年度通期の決算が2023年10月12日、米国株式市場Open前に発表されました。
決算を読む
以下では Walgreens Boots Alliance の 2023年通期の決算 Press Release を読んで 2023年度(2022年9月~2023年8月)の決算数値を確認していきます。
2023年度ハイライト
年間売上高は1391億ドル(1ドル=150円換算で20兆8650億円)。前年比4.8%増。
調整後一株利益は3.98ドル。前年比20.3%減。減益の理由はCOVID-19のワクチン接種、検査の減少。
2024年度ガイダンス
売上高は1,410~1,450億ドルを見込む。
調整後営業利益は34~37億ドルを見込む。
調整後一株利益は3.2~3.5ドル。
COVID-19に関連する売上が低調
sale and leaseback の影響が小さい
The United States のヘルスケア部門の調整後EBITDAはマイナス5,000万ドルからプラス5,000万ドルの間を見込む(予想の中央値がちょうど損益分岐点)。
COVID-19のパンデミックは終息したのでその売上が低調なのは誰でも予想できる。sale and leaseback とは、所有している不動産を売却した後も引き続き賃貸物件として同じ物件に住み続けられる制度なので、その影響でEPSが増減しても本業の強さとは無関係。2024年度は売却不動産が少ないというだけでしょう。
売上は少し増えるが利益は減る見込み。ちょっと残念な見通しです😥
CEOコメント
今年の経営成績は資産やブランド価値に見合わない、と言っちゃってます。アメリカ企業のCEOの決算コメントは強気で自画自賛の傾向が強い印象があるので、こういうコメントは珍しいです。
最低10億ドルのコスト削減と6億ドルの投資減を予定していると言っていることも併せて考えると、状況は明らかに悪いです。
CEOも交代します。これは業績悪かったから・・・なのでしょうか🙄
2023年度決算概観
前述のとおり、売上高は1,391億ドル(前年比4.8%増)。
69億ドルの営業損失(前年は14億ドルの利益)。opioid関連で68億ドルの訴訟費用がかかっている。
調整後営業利益は39億ドル(前年比24.1%減)。
31億ドルの純損失(前年は43億ドルの利益)。
営業キャッシュフローはプラス23億ドル。フリーキャッシュフローは7億ドル(前年比15億ドル減)。
売上が増えていて、キャッシュフローでは黒字を確保しているという2点は良かったですが、全体的な印象は悪い決算でした。
セグメント別状況
U.S. Retail Pharmacy
売上高は1,103億ドル(前年比11.3%増)。
調整後営業利益は36.89億ドル(前年比26.6%減)。
調整後営業利益率は3.3%。
International
売上高は221億ドル(前年比16.9%増)。
調整後営業利益は9.35億ドル(前年比28.9%増)。
調整後営業利益率は4.2%。
U.S. Healthcare
売上高は65.7億ドル(前年比3.7倍)。
調整後営業損失は5.66億ドル(前年の3.70億ドルからは縮小)。
連結貸借対照表
23年度末時点で、総資産966.28億ドル、株主資本283.22億ドルなので自己資本比率は29.3%。
非流動資産が811.25億ドル(値の大きい項目として使用権資産が216.67億ドル、のれんが281.87億ドル、無形資産が135.65億ドル)なので、見掛け倒しというか、目に見える資産はあまり持っていない😣
それに対して売上が売上が1,391億ドルもあるので、持っている資産に比べるとかなり大きな売上を計上していますが、売上のほとんどが薄利多売の小売由来であることを考えると、そんなにすばらしい(資産効率がよい)わけでもないです😥
現預金及び現金同等物は7.28億ドルと、売上や資産の規模に比べてかなり低め。
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