見出し画像

[決算][Procter & Gamble] 2024年第1四半期(2023年7月~9月)

オリジナルデータ

P&Gという名前でお馴染み、洗濯用洗剤アリエールや食器用洗剤JOY、おむつのパンパースなどで有名な日用品メーカー、The Procter & Gamble Company の2024年度第1四半期の決算が2023年10月18日(水)、米国株式市場Open前に発表されました。


決算を読む

概要

連結売上高は218.71億ドル(前年同期比6%増、1ドル=150円換算で32,807億円)、粗利益は113.71億ドル、税引前利益は58.02億ドル。

粗利益率は52.0%、税引前利益率は26.5%。いずれも前年同期比から改善(それぞれ+4.6%、+2.3%)。

さすがの安定感。

セグメント別の売上高と税引前利益

部門別の売上高、税引き前利益の割合は下のグラフの通り。
見ての通り、利益率に部門間の差はほとんど見られません。
全部門で増収(+3%~+11%)。Beauty部門以外は増益。Beauty部門も減益幅は2%と小幅。
販売数量については、Health Care部門のみ増加。その他の部門は減少していますが、各部門ともに+6%~+9%の値上げにより増収を確保しています。値上げしてもみんな買う。最強ブランド。

資産状況

  • 総資産は1,225億ドル。

  • 資産サイド

    • のれん402億ドル、商標などの無形資産236億ドル。

    • 上記無形資産を除くと資産は 1,225 - 402 - 236 = 587億ドル。これだけの有形資産を使って1年間に800億ドルを超える売上収入を上げているので、総資産回転率は 800÷587=1.36回。P&Gは製造業なので資産効率は割と高い。

  • 負債サイド

    • 株主資本は480億ドル。自己資本比率39%。じゅうぶん安全。

    • 有利子負債は359億ドル。


キャッシュフロー

  • 営業キャッシュフローは49.04億ドル。

  • Capital Expenditure(資本的支出)は9.25億ドル。

  • 調整後フリーキャッシュフローは44.01億ドル。

  • 純利益が45.56億ドルなので、会計上の利益の97%(=44.01÷45.56)がキャッシュで入ってきている。利益の質はじゅうぶん。


2024年度見通し

  • 売上成長は+2%~+4%。

    • 2023年度の売上高が820億ドルなので、2024年度は836億ドル~853億ドルの売上を見込んでいることになります。

    • 洗剤などで競合する欧州の日用品大手ユニリーバの2022年の売上が601億ユーロ(1ユーロ=1.1ドル換算で661億ドル)なので、売上規模ではユニリーバの1.3倍程度あります。

  • Organic売上成長は+4%~+5%。

    • Organic売上成長の方が大きいので、何らかの事業売却か撤退を予定しているのでしょう。


関連記事

「この会社の事業内容、決算知りたい!」募集中。