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ヤマサキ
2020年5月1日 06:23
ファミレスから2ヶ月後。あれ以来連絡を取っていなかったカワゾエからメールが届いた。灰となったアイディアはもう地面に転がり、日常によって分解されている。息を吹き返すなんて考えもしなかった。カワゾエ:【久しぶり。何か光見えた感じだけど。聞く?】嬉しさと共に、この話の主導権を握られている感じもしてどこか悔しい。ヤマサキ:【俺の話な。これ。】一応、釘を刺すことから始めてみた。カワゾエ:【知り?
2020年5月1日 06:22
次の日も休みだった。昨夜はなかなか寝付けず、知らないチームと知らないチームがルールも知らない競技を行い、知らない人が熱狂している様を眺めていた。そして熱狂するだけの理由を何となく感じ、その曖昧さのお陰で眠りに入れたようだった。起床するとすぐヤカンに火をかけた。そして、緑茶を急須に入れながら昨日のアイディアをもう一度たどってみた。まだ新鮮で、心も躍る。僕は早速、交換したカワゾエの連絡先に
2020年4月8日 21:57
高校の同窓会。卒業後の時間に自信を持っていない僕にとって、知らない15年間を埋めるような会に参加するのは勇気がいる事だった。それにも関わらずこの店の前にいるのは、変化した旧友を感じてみたいという好奇心から。異業種かつ利害の無いやりとりができる機会なんて他に無く、そのランダム性と親和性の中にこそ発見は存在するのではないかと思ったのだ。 店に入り、今も個人的に繋がっている数人と軽く挨拶したあと、