【合格体験記】他大学から東北大学大学院工学研究科化学・バイオ系への合格話



1.ご挨拶

 皆さんこんにちは!私は東北大学院試対策サークルに所属しています。
今回は、2023年に私が 東北大学大学院 工学研究科 化学・バイオ系に他大学から合格した話について紹介します!大学卒業後の進路に迷っている方々の参考に少しでもなれば幸いです!

2.大学院進学に至った経緯

 私は、山形大学 工学部 化学・バイオ工学科で4年間学びました。大学1,2年生の時は、勉強はあまりせずに友達と遊んでばかりな学生でした。進路についても始めは院進学は考えていませんでした。3年生になって進路について考えた時に、食品や化学メーカーで研究開発がやりたい!と思い、調べると研究開発職に就く人は修士の方々がほとんどと知りました。そこで、院進学か就職かで迷いましたが、3年生の秋に配属された研究室で実験やデータ分析に熱心に取り組む大学院生の皆さんに感銘を受けたのがきっかけで院進学を志しました。理系学生で技術職を目指す方は大学院で学ぶ事は良い経験だと思います。

3.東北大学大学院を目指した動機

 私は院進学を選択しましたが、成績が真ん中ぐらいだったので院試の推薦枠が貰えず一般入試でした。その時に私の研究室の先輩で東北大学の大学院へ進学した人がいる(推薦入試だったの後で知った)と聞きました。せっかく大学院で学ぶなら、より興味のある分野で設備も充実してて、自分の就きたい就職先にも強い研究室で学びたいと考えて目指す事にしました。他にも仙台に住んでみたかったし、大学受験のリベンジもしてみたかったし、落ちても勉強した知識が山形大学の研究室で活かせそうだし、などたくさんの思いを乗っけてました。目指す動機は人それぞれだと思いますが、最後まで院試を合格しようと思える強い動機を持ってください。

4.スケジュール

 1月   勉強開始
 2月下旬 研究室見学
 6月下旬 出願
 8月下旬 院試 (2日間)

5.研究室の選び・訪問

 2月頃に研究室を調べました。私が研究室を選ぶ際に大事にした事は、自分の興味のある分野かつ就職先に関連している事でした。私は、生体内で機能する抗体や酵素に興味があったので学部では、抗体の研究を行っていました。そこで、興味のある研究室を2つ見つけて2月下旬頃に訪問しました。
(メールは訪問の2週間前。訪問時期は12月から2月上旬を除いて3年夏から4年の夏の間にするのがいいと思います。12月から2月の間は、卒論や修論など教員の方々が忙しい時期なので控えた方がいいです。)
どちらの研究室の先生や学生の方々も研究内容や研究室紹介を丁寧にしてくださりました。実験設備の充実さと秘書の方がいる事が衝撃でした。
 一番衝撃だったのが先生から教えて頂いた研究室の配属方法でした。化学・バイオ系において、外部から推薦入試で入学した場合は、入りたい研究室を選べます。しかし、一般入試で入学した場合は、化学・バイオ系3専攻 (応用化学専攻 化学工学専攻 バイオ工学専攻)と環境科学研究科 先端環境創成学専攻 の合計31研究室の中から31希望を決めて院試の成績順に研究室配属が決まると教えてもらいました。これを聞いて合格しても希望の研究室はおろか興味のある生物系の研究室にも入れない可能性があると知りました。
 研究室訪問において一番すべき事は、学生の方から院試勉強に用いた教材が何かを教えてもらう事と院試の参考資料 (過去問や授業資料)を貰う事だと思います。化学・バイオ系の院試科目の特徴は、受験科目が多い事です。 (基礎科目3科目+専門科目4科目) 専門科目については東北大学での講義の内容から出題されます。なので授業資料を見せてもらう事が必須だと思います。

6.試験内容と教材

 試験内容についてです。

・基礎科目(4題から3題選択. )
  ① 無機・物理化学 (化学結合論,平衡と速度)
  ② 有機化学 (構造,物性,反応)
  ③ 生物化学 (構造,機能,代謝)
  ④ 化学工学 (量論,移動現象論)

・専門科目(4分野14題から2分野以上4題選択)

       ① 無機・物理化学分野     1. 結合・構造論
                     2. 反応論
                                                     3. 物性論
       ② 有機化学分野      1. 物理有機化学
                                                     2. 有機合成化学
                                                     3. 高分子化学
       ③ 生物化学分野                   1. 生体機能化学
                                                     2. 応用生物化学
                                                     3. 生体情報化学
                                                     4. 生物物理化学
       ④ 化学工学分野                    1. 反応工学
                                                      2. 機械的単位操作
                                                      3. 分離工学
                                                      4. プロセスシステム

・英語            TOEFL リスニングなしを当日(2日目)に受験

 受験科目は、基礎科目 4科目から3科目選択 (内部進学者は4科目)、専門科目 4分野14題から2分野以上4題選択、英語TOEFLを当日に受験でした。(リスニングなし) 英語に関しては、2024年からTOEICまたはTOEFLのスコアシートを提出する方式に変更になりました。
 私は、山形大学と併願で受験したので分野が重なるように科目選択を行いました。基礎科目は化学工学を除いた無機・物理化学、有機化学、生物化学を選びました。専門科目は、生物化学分野から3題 (生体機能化学、応用生物化学、生物物理化学)と有機化学分野から1題 (有機合成化学)を選択しました。(化学工学を選びませんでしたが、理解してれば点を取りやすいみたい)選択する科目は、得意な分野や参考資料を貰えた科目を選ぶのをお勧めします。

東北大学の学部生が勉強に用いていた教材を紹介します。
・シュライバーアトキンス無機化学
・シュライバーアトキンス物理化学
・ボルハショア―有機化学
・ホートン生化学

7.試験勉強

 院試勉強までろくに勉強していなかったので1月から院試勉強を始めました。始めるタイミングは1年前などもっと早くてもいいと思います。
(東北大の学部生は7月から院試当日まで院試休みがあるみたい)
院試勉強の始めたては、基礎固めるか過去問解きまくるかなど適切な勉強の進め方から分からず試行錯誤しました。その結果、私なりの勉強の進め方と考え方を3つ見つけたので紹介します。
 一つ目は、一番最初に過去問で出題される問題の傾向をひたすら調べ、どこを充填的に学べばいいかを分析したことです。大学4年生は大学の研究室に配属されて研究や発表を行いながら院試勉強も進めないといけません。なので時間の限られた中で重要な箇所を見つけて学ばなくていい箇所を勉強しなくてもいいように出題傾向を分析しました。
 二つ目は、勉強したことをノートに記して復習を繰り返し行った事です。生物系は、覚える事が多いので勉強をするたびに復習して流れから覚える事を意識しました。長い院試勉強期間で不安に駆られたり、勉強から離れたくなったりする事が多々あると思います。そんな時にノートを見返す事で自分がたくさん勉強してきた証を確認できる事は自信につながったと思います。
 三つ目は、勉強を楽しむ事です。勉強に打ち込める時は今しかないんだと思うようにしました。原理や新しい知識を理解でき、問題を解けた時に自分が成長してると思うようにしました。勉強でどこが大事で、順番は何かを考える事を繰り返す事で、本質理解と優先順序を考える練習になり、勉強以外でも活かせるようになると思いました。勉強はめんどくさいですが、見方を変えれば楽しいと思います。
 以上の考えをもとに勉強に取り組みました。生物分野の科目については、ホートン生化学の内容を理解する事を目標にしました。基礎科目と専門科目の内容はこの一冊で補えると思います。量が多いですが、頑張ってください。化学と有機合成化学は、有機反応と反応機構を覚えて過去門を解いて勉強しました。NMRなどのデータの分析法も理解する必要があります。
無機化学・物理化学については、過去門を解いて出題傾向から勉強する場所を絞りました。英語については、TOEFLの単語帳と長文の速読が出来る参考書の二冊を出来るだけ毎日勉強しました。TOEFLの長文読解は時間が短いのでとにかく早く解けるようになる事を目標に意識しました。英語については単語暗記が間に合わなかったので1年前からコツコツやるのをお勧めします。(2024年からTOEFLまたはTOEICのスコアシート提出になりました)
 院試一か月前の夏休みは、生活リズムを整える事と勉強をひたすら頭に入れる事を意識しました。朝起きて英語の単語帳と長文読解をしてから、散歩して20分勉強したら10分休むを繰り返して約10時間くらいは、毎日勉強できたと思います。休憩する時は勉強の事は何も考えませんでした。

8.試験当日

  2023年の院試は、二日間で行われました。東北大学の青葉山キャンパスの化学・バイオ棟の講義室で行われました。一日目は、朝8時頃から英語を受けて午後から基礎科目を2時間15分間で受験しました。(一科目45分、内部生は4科目なので3時間)英語は、時間が短い事と単語力が足りてないの自覚していたので文章予測とスピードを意識しました。(長文読み終わってからの問解こうとした時に面接官からの受験者確認はタイミング悪すぎでした)
何とか7割ぐらいはとれたと思います。基礎科目の生物化学と有機化学については、8割ちょいぐらいとれた感覚でした。物理・無機化学については絞ってた範囲がちょうど出題されて7割ぐらい解くことができました。一日目が終わり、ノートの復習を行って早めに寝ました。二日目は、午前に専門科目4題を3時間で行い、午後に面接がありました。生物分野 (生体機能化学、応用生物化学、生物物理化学)は、8割解くことができました。単語や反応していく流れをひもづけながら覚えておく事で柔軟に対応できたと思います。有機分野 (有機合成化学)については、6割ぐらいでした。過去問で出ている反応機構から組み合わせで出題されるので反応する条件を理解しておく事が大事だと思いました。午後からの面接は教授5人くらいの前で面接をしました。東北大学の院で学びたい理由や学部でどんな研究をしていたかを聞かれました。面接は、学びたい思いを伝えられれば大丈夫だと思います。
 全てが終わり、手ごたえ的にはよくできました。結果を一週間ほどで確認しました。研究室も第一希望の研究室に入ることができました。めっちゃ嬉しかったです。院試に合格するには、7割はとることを目標にするといいと思います。人気な研究室ほど、院試で点を取らないといけないので絶対に入りたいなら妥協せず頑張ってください。

9.伝えたいこと

 私が院試合格を目指す人に伝えたいことは、楽しむことです。他大学の院を受験する事は、周りに流されず自分で情報収集して行動しないといけないし、バイトや学校生活を送りながら、継続的な努力をしないといけません。でも、見方を変えれば自分の実現したい目標を持ってそれに向けて努力できるチャンスであり、それを乗り越えて大きく成長した自分に会えるチャンスでもあります。人生の中でこの時しか勉強に向き合える機会はないと思って、楽しんでみてください。私が、最初に東北大学の院を目指すと言った時、友達や先生 家族の誰も信じていなかったと思います。でもそんな状況で、自分の可能性を捨てずに挑戦して合格できた事は、何事もやれば出来るという自信を持てたし、刺激的で楽しかったです。諦めかけた時や妥協しようとした時は、未来の自分が後悔していないかを想像してみたください。今しかできないと思ってみるのもお勧めします。勉強に手がつかなくなったら勉強をやってはいけない期間を作って休憩するとやりたくなってきたりします。色々考え方ややり方を工夫して楽しんでください。応援してます!

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