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Methodsの書き方 ~どのように研究をしたか?~

Methodsは、料理に例えるとレシピです。他の研究者が研究を再現しようとして問題なくできる程度に情報を提供する必要があります。カレーのレシピを書く時にカレールーのことを忘れることが許されないように、すべての材料・手順について細かく書きましょう。過去形で書くのが基本かと思います。

書くべき内容

(1)研究の具材
* 研究を行った場所
* 対象者(組み入れ基準と除外基準、Participant flow。コホートをきちんと定義する。)
* 追跡調査の場合はフォローアップについてなど
* 倫理審査、インフォームドコンセント取得について

(2)実験、ラボワーク
* どのような条件で実験を行ったか。
状況によっては、(3)の中で簡便に記載することもある。

(3)定義
* アウトカムの定義
* 曝露の定義
* 共変量の定義

(4)統計解析
* 使用したモデル
* 使用した統計パッケージ(バージョン情報も)
* 有意水準の設定。結果をどのように示すか(OR and 95%信頼区間など)

あらゆる分析についてはここで言及してください。例えば感度分析をする際などもここでどのような条件で行ったか記載しましょう。

Methodsについてレビュワーによく指摘されること

(1)対象者について
* なぜ○○の対象者を含めているのか/除外したのか?
e.g., Why did (didn’t) you exclude those people with mental disorders?
* 除外したことによってサンプルの代表性が変わったか?
* 追跡不能になったものをどのように扱ったか
* サンプルサイズが少ないのではないか?

(2)変数定義について
* 定義に関する情報が十分にない。
* ○○の変数はないのか? それをつかって定義したらどうなるか?
* 複数の変数を使って変数定義している場合、寄与の違いはないか
* アウトカムを連続変数として/binary outcomeとして使っているが、その正当化はできるか?

(3)その他
* 倫理委員会の承認番号を書け。

まとめ

Methodsについては以上になります。そんなにいろいろと考える必要がなく、マニュアル人間になって、ひたすら淡々と執筆するセクションになります。類似の論文を見つけてきて、そこに書かれてあることがきちんと自分の論文にも書かれているかセルフチェックをしましょう。参考になれば幸いです。

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https://note.mu/inoyo/n/nb4889da4b9ee

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